Oceangreenの思索

主に、古神道、チベット仏教、心理学等に基づく日本精神文化の分析…だったはずなんだけど!

栄養状態の悪い現代女性

2010-08-02 | 分子栄養学
先日、日本テレビのアナウンサーの方の自殺報道に接して、
なんてことだろうなぁ、と残念に思い、冥福をお祈りすると共に、

KYBの講習会で聞いた、現在の女性たちの栄養状態の悪さが、
そのまま精神状態の悪さの一因とも考えられる、
との話を、なんとなく思い出しました。

***

もちろん、貧困の問題は根強く、
食の選択肢としてマクドナルドやカップラーメンしか
選べない人たちもいる現実があります。

そうした方たちであれば、栄養状態に問題がある、というのも
別段不思議なことではないでしょう。

けれど、東京の一流企業で活躍し、
幸せに結婚して子宝を授かった人に、
まさか栄養失調なんて、というのが普通の感覚だと思います。

けれど、食生活が豊かになって、
好きなものを好きなように食べられる状況の中で、
逆に、必要な栄養が摂りにくい食生活が蔓延している、という事が
あるようなのです。

もちろん、日本テレビのアナウンサーの方がどうだったのかは、
分からないのですが…

***

先日twitterで、鉄欠乏の妊婦さんが妊娠・出産で貯蔵鉄を使い果たし、
マタニティーブルー、産後うつのような状態になることがある、と
書きました。

その後、KYBの方から
『妊娠体質に変わる食べ方があった』(定真理子・北野原正高著・青春出版社)
という本を貸していただき、読んでいます。

これによれば、現代女性の実に八割が
栄養不足に陥っているというのです。

忙しいから朝食は食べない、或いはゼリー飲料で済ませる。
昼はコンビニのパンやファーストフード、という食生活だけではありません。

摂取カロリーを減らすために食事を減らす、
あるいは○○しか食べない、といったダイエット。
甘いものの摂りすぎによる過剰な糖摂取、
炭水化物に偏った食事。
過剰なストレスによる飲酒や喫煙。

豊かで好きなものを食べられ、同時にストレスが多く嗜好が常となった生活。
それが栄養不足をもたらしている、という面があるようなのです。

それだけでなく、“体に良い”と流行している、
動物性たんぱく質を全く摂らない、玄米食で野菜のみの食生活もまた、
栄養の摂取という面から考えると問題があるようです。

***

人間の体組織は、食事で摂った栄養から作られています。
それを細胞レベルで代謝させ、働かせているのもまた栄養です。

つまり、エネルギーとなって体を動かす熱量(カロリー)だけで、
体組織が充分に働くわけではないのです。

カロリー摂取を減らせば、脂肪をエネルギーとして使ってくれるだろう、
だから食べなければ痩せる。
エネルギーだって自分の脂肪から摂れるから大丈夫。

そんな簡単な気持ちでいても、

そもそも自分を作っている複雑で多用な細胞や体組織は、
多用な微量栄養素を含めた数々の栄養素が、
皆で協力して作り出し、更新させ、運営している物です。

肉体は、カロリーだけあれば充分働く、という物ではない、
というのが事実であり、
精神もまた、この肉体の働きの上に存在する以上、
栄養と無縁ではないのです。

***

肉体に一番大切なのはたんぱく質で、体組織をつくる材料であるだけなく、
酵素やホルモンなどの原料でもあります。

ところが日本では全体に、
たんぱく質の摂取が少なく、炭水化物や糖質を好む傾向があります。

精白された炭水化物や糖質の過剰摂取は、
脳のエネルギー源となる血液中のブドウ糖の値(血糖値)の急上昇につながり、
脳の安定したエネルギー供給を妨げます。

脳に安定してエネルギーを供給することが、
やる気や集中力の安定と繋がるのですが、
これが不安定だと、逆に空腹時のイライラや眠気などの不安定をもたらします。

血液中のブドウ糖は、たんぱく質や脂質の代謝でも作られ、
これは緩やかに血糖値を上げます。
ですから、脳のために無理に糖質をとる必要は全くありません。

こうした面からも、炭水化物よりたんぱく質を重視すべきなのですが、
日本では、コレステロール悪役説が根深いため、
肉類や卵を避け、豆腐や豆ばかりに偏った食生活になりがちです。

なるべくコレステロールを摂らないことが体にいいと
信じられているのです。

しかし、2000年以降の研究では、高コレステロールの人の方が
低コレステロールの人よりも長生きする結果が多く出ています。
(溝口徹 『「脳の栄養不足」が老化を早める!』)

性ホルモンや抗ストレスホルモンも
コレステロールから作られるのですから、
極端にコレステロールを避けるのは逆効果で、

むしろコレステロールが酸化して動脈硬化に繋がるのを避けるために、
ビタミンCやEなどを摂るのが良さそうです。

脂が気になるなら、しゃぶしゃぶや蒸し物などの
脂を落とした調理法を心がけながら、肉・魚を意識して摂る。

植物性たんぱく質は動物性に比べ吸収が悪いのですが、
摂る場合は、納豆に卵、豆腐にかつおぶしなど、
動物性たんぱく質を加えると吸収が良くなるので、心がける。

豆腐はほとんど水ですから、たんぱく源として過信しすぎない、
などがいいと思います。

また、不足すると、うつ症状のような停滞をもたらす鉄分は、
たんぱく質の次に大切と言え、赤身肉やレバーに多く含まれるます。

鉄分は、たんぱく質と結合してヘム鉄となり、
ヘモグロビンの構成要素となって、血液中で酸素を運びます。

動物性の鉄分は、すでにこのヘム鉄の形になったものですから、
植物性の鉄に比べて非常に吸収がよいのです。

逆に、ほうれん草やプルーンなどの植物性の鉄は吸収が悪く、
また、食物繊維やタンニンと一緒に摂ると、更に吸収が阻害されます。

植物性の鉄と、玄米やコーヒー、お茶などを摂ることにより、
鉄はほとんど吸収されなくなるようです。

また、よく知られるように、
カルシウム不足もイライラにつながります。

***

ごはんよりおかずを中心に摂るように心がけるだけでかなり違いますし、
食べる順番を、食物繊維→たんぱく質→糖質・炭水化物にするだけで、
血糖値の上昇は緩やかになるそうです。

また、ビタミンC・E・αリポ酸など抗酸化栄養素の摂取を心がける。
小魚など、まるごと食べられる食品は微量栄養素が豊富ですから、
避けないこと。など。

より具体的には、本を読まれることをおすすめします。

***

話は変わりますが、ほとんどの働き盛りの男性は、
亜鉛が足りていないそうです。

◎昼食を、うどんやそばの単品ですませがち
◎ファーストフードをよく食べる
◎深夜に帰宅して食事をとる
◎週に何度もお酒をとる
◎つまみに脂っこいものを頼む
◎飲んだあとのラーメンが欠かせない

などに、多く当てはまる方は注意が必要だそうです。

欠乏症状として、
◎乾燥した鮫肌
◎じゅくじゅくした湿疹
◎爪が割れやすい、変形、白班
◎抜け毛
◎味覚が鈍くなり、濃い味を好む
◎傷、怪我の治りが遅くなる

などがあるようです。

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