Oceangreenの思索

主に、古神道、チベット仏教、心理学等に基づく日本精神文化の分析…だったはずなんだけど!

アメリカ音楽とフランス人

2015-05-25 | 音楽
久しぶりに読んだ本は“地図から消えた国、アカディの記憶(大矢タカヤス/書肆心水)”というタイトルのもの。
フランス系カナダ~アメリカ移民の歴史についてなんですけど。

現在もカナダにはフランス語を公用語とするケベック州がありますが。
王制時代、フランスは多くの移民をカナダに入植させた。
ケベックだけでなく、ノヴァスコシアなど南東部の沿岸地方。
この地はアカディと呼ばれ、人々はある程度の成果を挙げ農地を開拓し素朴に暮らしていた。
それが、本国の弱い王制~革命の中で保護を失い、イギリスに支配され、強制的に農地も家も没収されてアメリカ合衆国に送られた…

こうした出来事の象徴として描かれたのが“エヴァンジェリンヌ”というロングフェローの詩。
本の一章目に置かれているんですが。
結婚前夜にイギリスの強制移民に遭い、離ればなれとなってさ迷った恋人同士の話。
これを読んで思ったのは、“赤毛のアン”とは、あんな目に遭わず幸せになったエヴァンジェリンヌを、スコットランド系に置き換えたものなんだな、ということ。
この話がロングフェローより有名になってしまって、モンゴメリはある意味ショックだったかもしれない…
だって、アンや周囲のイギリス系はフランス系が築いた農地を乗っ取った人々になっちゃうんだから!

アカディを追い出された人々は、あちこちにバラバラに移住させられましたが、やがてアメリカ合衆国の南部に集まりだした。
ニューオーリンズのあるルイジアナもその一つ。
これは別の本になりますが、ルイジアナのフランス人はイギリス人のように黒人音楽を否定することはなかった。
黒人音楽はこの風土で育ったらしいです。

…とか考え合わせると、イギリス人ってすごくフランス人の手柄を自分の手柄のようにしてるのね。
って、日本人がそう思い込んでるだけ?

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