蓬莱の島通信ブログ別館

「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

暴力国家を超えて:日本の病巣としての”人間関係依存症候群”

2013年03月22日 | 22世紀を迎えるために
(写真:「暴力」を越える智惠をかつての日本市民は自覚していた。)

1.日本国の抱える宿痾
 今年の1月末、日本に一時帰国したとき、いつも話題になっていたのは、日常的な日本での「暴力」のニュースだった。考えてみれば、日本では、暴力行為は日常茶飯の習慣だ。

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桑田氏 体罰反対熱弁「声を大にして言いたいのは貴い命が失われた重大さ」スポニチアネックス2013年02月03日09時18分
 大阪市立桜宮高校の体罰問題を受け、市教育委員会が2日、同市内で元巨人の桑田真澄氏(44)を招いて教職員向けの研修会を開いた。報道陣には非公開で、桑田氏は暴力指導は、戦前の軍隊教育を引きずっていると指摘。熱弁に耳を傾けた橋下徹市長は、「開眼させられた。暴力指導は兵隊養成だ。絶対根絶する」と述べた。
 講演後の会見で桑田氏は「スポーツマンシップとはどうあるべきかを話した」と説明。体罰について「ダメなものはダメで、論理なんていらない。仕返しをされない絶対服従の中で行われる。一番ひきょうだ」と力説した。
 米大リーグで選手だった06~08年に現地の学校を訪問したエピソードを披露。「怒鳴る、殴るは一切なかった。伸びやかに、ゆったりと野球をしていた。その中からメジャーリーガーが出る。体罰がなくても素晴らしい選手が育つという証だ」と撲滅を訴えた。
 さらに「体罰の痛みや恐怖心で根性が付いた実感は僕には全くない。助けられたことも一度もない」と強調。「声を大にして言いたいのは、(桜宮高で)一人の貴い命が失われたという重大さだ」と指摘した。
 市教委によると、体育科がある桜宮高と市立汎愛(はんあい)高の運動部顧問ら513人が出席。桑田氏は自身の体験談を交えて55分間話した後、教員らと約20分、質疑応答。橋下氏も議論に加わったという。
 会見が終わると、橋下氏が入室。桑田氏の顔を見つめ「素晴らしいお話、ありがとうございました」と握手。桑田氏も「また、何でも協力させてください」と笑顔で応じた。橋下氏は「またアドバイスなど、お願いできたら」と桑田氏の“再登板”を期待した。
 桜宮高だけではなく、ロンドン五輪代表を含む女子柔道の15人が、園田隆二監督(39)と男性コーチから暴力やパワハラを受けたと告発した問題も発覚。前日1日には、汎愛高の柔道部でも体罰問題が表面化した。橋下氏は、桑田氏が講演で「野球などスポーツ界に根強く残る暴力指導は、戦時中の軍隊教育を引きずっている」と指摘したことに触れ、「開眼させられた。暴力指導はまったく意味がない。兵隊養成ですよ」と述べた。最後は、「大阪全体で生徒や保護者と認識を共有したい」と語った。
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 桑田氏の話はスポーツ指導者のプロとしては当然のことで、もし暴力行為=振るわれた側の根性養成という法則性があるなら、暴力を振るわれた側、いじめられた側、暴行された側は、みな恐るべき根性の持ち主になってしまう。さらに、最大の暴力行為は殺人であり、殺人=振るわれた側の根性養成という論理までも成り立つことになる。今の日本では、こうした点に完全な思考停止が起きている。

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歴代校長らに管理責任指摘 桜宮高・外部監察チーム朝日新聞デジタル 3月22日(金)5時27分配信
 大阪市立桜宮(さくらのみや)高校バスケットボール部主将が昨年12月、顧問の暴力を受けた翌日に自殺した問題で、市の外部監察チームが、同校の歴代校長や教頭の管理監督責任を指摘する報告書をまとめたことがわかった。同チームは2月に顧問の暴力を自殺の要因とする報告書を作成したが、今回の報告書は2011年に体罰の情報が寄せられるなどしながら放置し、防げるはずの自殺を招いたとして、学校トップの体質と責任を厳しく問うている。
 弁護士による外部監察チームは市教委の要請を受け、桜宮高校の教員や生徒へのアンケートや聞き取り調査を実施。今月中旬、報告書をまとめて市教委に提出した。
 今回の報告書で特に責任を指摘しているのは、顧問の暴力を防げなかったとしてすでに交代させられた前校長と、その前任の校長、現教頭の3人。バスケ部を含む複数の部活で暴力行為や体罰行為があったにもかかわらず放置したとし、「適切な対処が行われていれば、生徒の自殺を防ぐことができた」として「校長と教頭の管理監督責任は重い」と結論づけた。
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 今回の調査で明らかになったように、この学校の現場では暴力行為が常習化していた。そして、それは、「指導」としてカムフラージュされたり、人間関係で隠蔽されたりしていた。各地で起きている「いじめ殺人」と同根の問題と言えよう。
 現在の様々な日本の社会的場面で見られる暴力の合理化は、実は恐るべき問題を秘めている。同じ時に柔道界の事件が続いたことも、日本社会の問題をよく考えさせてくれる。

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内柴被告(上)2人の女子部員を“ハシゴ”…「股間に『アクション』された」
2012.12.1 18:00 (1/4ページ)[法廷から]
 愛欲にまみれた男が貫いた「潔白」-。泥酔した教え子の女子柔道部員に乱暴したとして、準強姦罪に問われたアテネ、北京両五輪の柔道金メダリスト、内柴正人被告(34)の東京地裁公判。かつて投げ技で頂点を極めた被告が、複数の教え子らに次々と“寝技”を決めた生々しい経緯が、法廷で明らかにされた。(時吉達也)
女子部員2人と次々に
 下半身の異物感で、目を覚ました。体に覆いかぶさる影。「きゃ-、やめて。何してるんですか」。抵抗する女子部員の口をふさぎ、男は室内のテレビの音量を上げた。行為を終えると、「犯されたんじゃないよな」と口止めを強要してきた。
 9月に開かれた初公判。コーチを務めていた九州看護福祉大(熊本県)女子柔道部の遠征先だった東京都八王子市のホテルで、酒に酔った10代の女子部員に乱暴したとする起訴内容について、内柴被告は「合意の上で性行為に及んだ」と否認、無罪を主張した。一方、検察側は泥酔し、抵抗できない状態の部員に乱暴したとする冒頭のやり取りを、詳細に陳述した。
 非公開の証人尋問後に開かれた11月2日の公判では、翌朝に謝罪され5万円を渡されたとする部員の証言が読み上げられたほか、事件当日に同じホテルで内柴被告と関係を持った別の女子部員の調書も朗読された。「就寝中に乱暴された。拒否すれば指導を受けられなくなると思い、抵抗できなかった」。この部員は「話すのも辛かったため」として、被害届を取り下げている。内柴被告は被告人席で、表情を変えず淡々と聞き入っていた
反論の機会を待ちわびていたのだろう。同28日から始まった被告人質問。内柴被告は試合に臨む選手のように「お願いします!」と大きな声であいさつした。弁護側の質問に対し、内柴被告の語った「真相」は、以下のようなものだった。
被告の語る「真相」
 合宿最終日。同僚の男性コーチ3人で焼き肉店を訪れていた内柴被告は、女子部員4人を呼び出した。
 「自分は毎日、必ず誰か部員を連れて飯を食わせていました。毎月給料の半分、少なくとも30万円は使っていた。女子ということもあり、『食う』ことを教えていた。『食いトレ』といいます」
 大量の肉に加え、ビールやワインを次々に注文。内柴被告が「ウィー」と杯を挙げると、全員がそれぞれのグラスを空にした。
 「僕はいつも、柔道の話ばかりをします。…柔道と下ネタの話をします。柔道の熱い話をしながら、ふいに(部員の1人を)指さして『お前の胸はデカい!』と」
 空腹を満たした一行は、向かいのカラオケ店に移動。内柴被告はしばらくして、被害部員の「吐きそうな感じ」に気づき、女子トイレの個室に連れて行った。
「僕は吐かせるのが上手なので。(部員の)口に指を突っ込みました。飲み過ぎというより、『よう食ったな、よう食わされたな』と思った。肉の塊がどかどか出てきたので…」
 部屋に戻ると、隣に座った被害部員が左肩にもたれかかってきた。
 「正直に話しますよ。教え子と先生の関係ではあるが、大学生の女性ということもあり、気分の悪いものではありませんでした」
 その後、再びトイレに立った内柴被告。用を足した後、廊下に出ていた被害部員とキスを交わした。その後の室内では、被害部員が内柴被告の正面を向いて地べたに座り、「股間を枕にして」寝始めた。
 「さっきのキスもあって、股の間に座って『アクション』をしてきているんだなと思った」
 気分が高まった被告。
 「『それ以上』のことをしようと思った。すたこらさっさとホテルに行きたい」
 女子部員を背中におぶり、徒歩数分の滞在先のホテルに駆け込んだ。
 部員の部屋のベッドで横になった2人。「キスやカラオケでの出来事。流れに全て応じている」。「了承」を確信した内柴被告は行為に及んだという。
2人目は「告白されたから」
 部員の積極性と、就寝中の乱暴行為ではなかったことを強調した内柴被告。公判では事件当日、被害部員に続き、別の女子部員とも性行為に及んでいたことが明らかになったが、この部員との関係についても躊躇(ちゅうちょ)なく答えていった。
 弁護人「今回の合宿前に、一緒に寝たことはありましたか」
 被告「添い寝をしたことが2、3回ありました」
 弁護人「肉体関係はありましたか」
 被告「1度もありませんでした。彼女は体験がないと思っていたので」
 内柴被告は、事件当時の合宿中に心境が変化したと説明。部員から数度目の告白を受けた上、「処女ではない」と話があったためだとした。
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 ネットには、内柴被告を庇う言論も多いが、以上のような経過が捏造でない限り、スポーツ指導者としての内柴被告を庇う人間は、スポーツ指導行為=選手を性的行為の対象と見る=性的行為遂行の対象にするという論理は正しいと主張していることになる。いったい相手を性的欲望の対象にすることのどこがスポーツ指導なのか?教育=相手を性的欲望の対象とすることなのか?
 スポーツ指導者としての内柴被告は、品性下劣を通り越して、歴史上はいくらでもいる、その類の性的暴行魔としか言えないだろう。歴史上、権力を嵩に着て、暴虐の限りを尽くした人間には事欠かない。近代史の中でも有名な例は、いくらでもある。

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ラヴレンチー・ベリヤ
漁色と性的暴行
1953年6月のベリヤの逮捕後の裁判で、ベリヤによる著しい件数の強姦と性的暴行が明らかになった。
ベリヤは大変な漁色家であり、誘惑を断ったが最後、その女性とその家族に身の破滅が待っていると恐れられた。暇さえあれば彼とその部下はモスクワ市内を車で廻り、気に入った女性をNKVD本部に拉致しては暴行する悪行を繰り返した。流石に苦情が出たものの、スターリンも黙認していたために被害者は泣き寝入りせざるを得なかった。ある夜、ベリヤは通行人である未成年の女性をいつものように車に乗せ、本部に連行した後解放した。女性は帰宅しても何があったか両親に話そうとせず、結局その事件を苦に自殺してしまった。遺体を解剖した医師によれば、彼女の体にははっきりと暴行された形跡が見られたという。彼女の父親はベリヤの護衛を務めた警備隊長で、のちにベリヤが政争に敗れて処刑される際には処刑の執行人となりたいと嘆願したが、政府から「私刑は認められない」という理由で要望は聞き入れられなかった。また、米国の外交官と交際していた女性にベリヤが迫ったところひどく嫌がられ関係を拒否されたために、彼は「収容所の埃となれ!」と言い放ち「米国のスパイ」という罪状で彼女を強制収容所送りにしてしまった。
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 日本にも、木っ端役人(最下等公務員)が権力を嵩に着て被疑者や一般市民に性的暴行を繰り返す「伝統」がある。
 神奈川県警特高の拷問の実態
 神奈川県警不祥事問題

 こうした暴力には、共通の構造がある。お気づきだろうか?それは、暴力を正当化する理由が社会的に暴力を遂行する側の職務義務として肯定されているということである。スポーツ指導、警察の取り締まりは、社会的に正当な必要とされる強制力を持っている。そのため、それを受ける側は、義務としてその強制力に従わざるを得なくなる。 
 しかし、暴力かそうでないかを見分けるのは難しくない。スポーツ指導も警察の捜査、取り調べも、外科医の手術、飛行機の操縦や複雑な宇宙飛行士の訓練などと同様に、高度の訓練を受け、習練を積んで初めて可能になるような身体的言語的な行動スキルである。そうした高度のスキルが必要な場面で、スキルの低い執行者が被執行者にする身体的言語的強制行為が暴力なのである。

 どのようなスキルも、すべて技術であり、研究も可能で、習得も可能である。暴力を指導や取り調べだと正当化しているスポーツ指導者のコーチング、警察の取り締まりは、言い換えれば、「私はスキルのないただの無能な人間です」という看板を下げて歩いているのと同じことである。今回の事件が意味しているのは、日本には、こうした社会的必要や義務にはとうてい応えられない低スキルの不勉強で無能なスポーツ指導者や警察官が社会全体に溢れているということである。日本で「正気の沙汰」として横行している「暴力指導論」「暴力肯定論」は、実はスポーツ指導者や法的執行者の無能の証明、不勉強の自己弁護、現実逃避のたわごと、根本的には何か別な目的の隠蔽工作に過ぎない。

 暴力を振るう前に、スポーツ指導を勉強し、搜査や取り調べのスキルを身につけるのが、その立場にある者の社会的義務である。日本の社会的衰退は、こうした所にも端的に現れている。何のスキルも身につけていない素人が高度のスキルが要請される立場に人間関係やテストの成績で付いていて、物事がうまくいく道理がない。暴力指導論、暴力搜査論は、飛行機の操縦を知らないただの人に満席のジャンボジェットを操縦させたり、原子炉を全然知らない素人に発電所の運転を任せているのと実は同じ次元の問題なのである。

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全柔連、内柴被告を週明けにも除名処分へ
デイリースポーツ 2月1日(金)14時10分配信
 柔道のアテネ・北京両五輪で金メダリストの内柴正人被告が準強姦(ごうかん)罪で懲役5年の実刑判決を言い渡されたについて、相次ぐ不祥事に揺れる全日本柔道連盟は1日、週明けにも懲罰委員会を開き、除名にあたる永久資格停止処分を下す方針だ。
 また、報道関係に文書でコメントを発表した。
 「当連盟では、既に内柴正人氏に対し期間を定めた会員登録停止の処分を行っておりますが、今回の判決を受け、早急に懲罰委員会を設置して審議し、新たな処分を決定致します。当連盟としては再びこのようなことが起こらないよう、指導者の育成・養成に全力で取り組んで参る所存であります」
 判決後の会見で、被害者女性の代理人を務める辻孝司弁護士は柔道全日本女子代表の暴力、パワハラ問題にも言及した。
 今回の裁判とも照らし合わせ、「狭い閉ざされた世界の中で、濃い上下関係がある。世間の常識とは違う常識がまかり通っているのかなと思う」と私見を述べた。
 海外メディアは、内柴被告の事件と園田元女子日本代表監督の暴力問題を一連の不祥事として報道。国際柔道連盟も1月31日に公式サイトで暴力問題への非難声明を発表した。
 全柔連の隠ぺい体質と対応の遅さに、国内外からの批判は日ごとに強さを増している。
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 ナショナリズムや政治的立場に関わらず、間違った道理をこれ以上反復するのを止め、失敗の原因を見つめ正気(せいき)を回復するべきであろう。スポーツ指導は、ただのスキルに過ぎない。警察の捜査も同じである。体力と同時に高い知性と理性が求められる課題だ。
 コーチングについて
 スポーツマネージメント
 プロファイリング
 今までこうした、身体的言語的な境界に位置する分野は研究対象になってこなかったので、まだまだ発展の余地が大きいが、高度のスキルとして確立していく必要のある非常に重要な分野なのである。軍事も同じである。
 軍事学
 こうした、暴力に繋がりやすい分野、暴力の遂行でもある分野をスキルとマネージメントとして確立していく社会が21世紀を生き延びられるであろう。

 以上のような、完全など素人=人間関係だけで仕事をしている無能な白痴が社会の強制力を執行している今の日本人の状態では、素人では飛行機もミサイルもまったく操作できないのと同様に、今後予想される中国、朝鮮軍の対日侵攻に指揮能力や作戦能力を期待できず有効な対抗策を立てることはほぼ不可能で、勝利するのは非常に難しい。戦う前からすでに負けると決まった状態になっている。日常生活の問題は、実は支配階級の体質の問題なのである。

2.「暴力」の広さと深さ
 日本では、スポーツや搜査のような専門性の求められる分野以外にも、日常生活のいたるところに暴力がはびこっている。学校関係は、特にそれが目立つ分野の一つだ。生活指導やクラブ活動での指導=暴力というニュースはいくらでもある。
 いじめ関係Yahooニュース
 生徒間でも暴力は当たり前になっている。
 大津市いじめ殺人事件
 生徒が教員に暴力をふるい、逆に教員が女生徒に乱暴する。
 校内暴力
 現実の中学校は問題だらけ!不登校、対教師暴力、授業妨害
 【撫子日和】いじめと教師、犯罪性と公務員気質[桜H24/7/31]
 職場での各種ハラスメントも日常的な光景だ。
 「職場のパワーハラスメントに関する実態調査
 地域、家庭内の暴力もいくらでもある。
 地域社会におけるドメステック・バイオレンスの実態

 発生原因から言えば、制服の強制で校内暴力が激化する、日本的家族主義企業経営で長時間労働を強いられるなど、日本的特質という側面もあるが、実はどの社会にも同じ現象が起こっている。

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「下着の中に手」「デブ」 セクハラ、暴言…世界のスポーツ界で目立つ性的虐待
2013.2.5 11:27 (1/3ページ)[スポーツの不祥事]
ロンドン五輪の柔道女子78キロ級で金メダルを獲得した米国のカイラ・ハリソンさん=2012年8月、エクセル(共同)
 世界各国のスポーツ界では暴力だけでなく、セクハラやパワハラも社会問題化している。特に欧米では子供への性的虐待などの告発が目立ち、監督やコーチが禁錮10年の刑を受けるなど厳罰化が進んでいる。
柔道界追放
 「過去にコーチからセクハラを受けた。これまで乗り越えてきた中で一番つらい試練だった」
 昨年のロンドン五輪の柔道女子78キロ級で男女を通じて初の金メダルを米国にもたらしたカイラ・ハリソンさん(22)は優勝後、「選手生活の中で最もきつかったことは」と尋ねられ、長い沈黙の後そう答えた。
 セクハラを受けたのは13~16歳のころだった。男性コーチの行為は次第にエスカレートし海外遠征の間も続いた。誰にも言えず、柔道をやめることや自殺も考えた。
 悩んだ末に友達と母親に相談。コーチは2007年、未成年者への性的虐待で禁錮10年の有罪判決を受け、柔道界からの追放も決まった。
絶対の支配
 「(13歳のとき)夜中に下着の中に手を入れられて目が覚めた」
 フランスでも女子テニスの元トッププロが1980年代にセクハラ被害を受けたとしてコーチを刑事告発。昨年11月、強姦および強姦未遂の罪で禁錮8年の実刑判決が下った。
 告発したのは、四大大会でも活躍したイザベル・ドモンジョさん(46)。
 セクハラは13歳のときから9年間続いた。89年の全仏オープン大会期間中の夜、部屋をノックしたコーチに「もう限界。ドアを開けません」と断り、被害は終わった。
 ドモンジョさんは「コーチの支配は絶対で、コーチがいないと何もできないと思わされていた」と指導現場の力関係の実態を証言。90年にフランス・テニス連盟会長に相談したが、うやむやにされたことも明かした。
 フランスのスポーツ省は「日本のように(体罰など)指導が厳しすぎるという問題は少ない。力を入れているのはセクハラ対策。被害相談電話設置などのキャンペーンをしている」と説明する。
偽装を指示
 「水から出ろ、デブ」。スペインでは昨年のロンドン五輪後、シンクロナイズドスイミングの選手たちが代表チームの女性監督から繰り返し暴言を受けていたと文書で告発した。「選手を不当に扱ったことはない」。監督は反論したが、解任された。
 英国でも2009年、ラグビーのクラブチームが試合を有利に進めるため、選手が負傷したように装っていたことが発覚した。監督がパワハラで選手に偽装を指示していたことが明らかになり辞任。ラグビー発祥の地の英国を揺るがす不祥事となった(共同)
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 先に述べたように、暴力が日常にはびこる原因は、社会的義務を遂行する側にスキルがない場合という側面と同時に、欧米の事例のように社会的利害打算の構造的結果という側面がある。選手たちは、自らの選手生命のためにセクハラを耐え忍んでいた。コーチは、権力を利用して相手に性的暴行を好きなように加えている。こうした上下関係による暴力の権力構造という課題は、どの社会にも見られる、より根元的な問題と言える。
 奴隸制国家「日本国」の呪われた毎日1:崩壊を誰も止めることはできない
 奴隸制国家「日本国」の呪われた毎日2:「死地」に立つ市民
 
 こうした日常的暴力は、2タイプに分けて考えることができる。一つは、公的な場面での暴力で、こうした社会的上位者にとっての下位者への暴力や各種のハラスメントは、実は自身の密接な利害に絡んだ既得権益遂行行為なのである。しかも、その利害は、海外のセクハラや内柴のように非常に品性下劣な部分や、メディアの報道暴力や権力者の言語暴力のように自身の社会的政治的立場への顧慮から生まれている、動機として最も低劣な部分に関係している。

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橋下市長、今度は鳥越俊太郎氏罵倒 「反権力姿勢を示したいだけの似権派」J-CASTニュース 2月4日(月)17時49分配信
 大阪市立桜宮高体育学科の入試中止の是非を巡り、橋下徹・大阪市長がまた、言論人にかみついた。
 作家の曽野綾子氏やワイドショーの小倉智昭キャスターらに続く、新たな論敵はジャーナリストの鳥越俊太郎氏だ。橋下氏を「裸の王様」と新聞コラムで批判したのに対し、ツイッターで「反権力姿勢を示したいだけの似権派」などと徹底反撃している。
■鳥越氏「体罰と入試中止の問題はつながらない」
 橋下氏が刃を向けた鳥越氏のコラムは、毎日新聞の土曜日朝刊に連載している「ニュースの匠」だ。2013年2月2日の回は、「体罰問題で入試中止」「王様のいいなり」の見出しで、教訓的な童話を使って橋下市政をこう揶揄する。
 「大阪・桜宮高校で起きた体罰と生徒の自殺、そしてその後、橋下徹・大阪市長が入試中止を声高に叫んで実行させたこと。この一連の経過を見ていて、私はやはりこれは『裸の王様』だな、と思ったのです」
 次にアンデルセンの「裸の王様」のあらすじを簡単に紹介したあと、桜宮の入試中止のきっかけとなった体罰について「体罰を超えた暴力」「改善すべきところは改めなければなりません」とつづる。
 鳥越氏は続いて本論に移り、「体罰と入試中止の問題はどう考えてもつながりません。論理的に飛躍があります」と強調する。「学校の伝統や空気を一新させる」ために体育学科の入試中止に踏み切ったことに関し、「常識的に無理がある理屈」「入試をやめれば体罰問題が解決するなんてことはありません」とダメ出しする。
 コラムの最後の部分は、入試中止措置に真っ向から反論したのは在校生たちだけで、「裸の王様に大人はいいなりになっただけ」と結んでいる。枝葉の部分ではあるものの、鳥越氏は体罰の是非などを巡る橋下市長の発言内容にブレがあることも指摘した。
「とにかく反権力。その一点のみ。それだけでこれまで生きてきたんだろう」
 新たに出現した論敵、鳥越氏へのツイッターによる反撃は翌23日夜7時過ぎから行われた。橋下氏はまず「入試中止の決定をやったのは教育委員会。まず教委制度の基本を勉強しなさい」と言葉を尖らせ、「この鳥越氏のような似権派は一部メディアで重用される」と指弾する。
 橋下VS鳥越論争を巡ってはネット上にもさまざまな意見が寄せられているものの、余りに市長の論敵が多いためか、「橋下氏はほんとに沸点が低いな」「橋下氏は無視することを覚えたほうが良い」「言ってることはまともだけど誰も賛同しない」「なぜここまで攻撃して勝負を付けたがるのか」などの声も少なくない。
 橋下支持のコメントが鳥越支持より多いとはいえ、「どっちもどっちで同じレベル」「目くそ鼻くそ」「両方とも裸の王様」といった感想も多いようだ。
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 以上のように、メディアも権力者も社会的強制力を執行できる上位者で、そうした立場にある組織や人物が相互に「暴力的言動」をおこなうことも、現代の日本を支配する暴力の一種である。いずれも、こうした場に着く能力を備えていないことが、こうした無意味なことばの応酬になっている。
 さらに、現在の日本国を蝕む最大の暴力暗黒利権集団は「原子力産業」だろう。

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電力9社、原電支援へ 破綻回避へ1200億円超検討
朝日新聞デジタル 2月22日(金)10時7分配信
電力業界と日本原子力発電、日本原燃との関係
 沖縄電力を除く9電力会社は、原発専業の日本原子力発電が資金繰りに行きづまらないよう支援する方針を固めた。1200億~1300億円規模の債務保証や資金支援をする方向で調整している。敦賀原発(福井県)など3基の原発を動かすめどがたたないため、銀行から融資を受けられないおそれがあるからだ。しかし、電力会社は相次いで電気料金値上げを決めており、業界内の支援にお金を使うのは利用者の反発をまねくおそれがある。
 日本原電は4月に借入金1040億円の返済期限が来る。銀行から借り直そうとしているが、一部の銀行は電力業界が保証するよう強く求めている。もし借りかえができなければ、日本原電は借金を返せずに経営破綻(はたん)する。
 このため、日本原電から電気を買っている東京、関西、中部、北陸、東北5電力のうち、原発事故を起こして実質国有化された東電を除く4電力が1040億円分の「債務保証」をする。返せなくなった時に返済を肩代わりする約束だ。
.朝日新聞社
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日本原燃がぼったくり過ぎる件について/河野太郎氏ブログから
 
 今まで反原発=左翼=ナチス中国系メディア・朝日/原発=自民党=親アメリカ系メディア・読売という図式があったので、「原発=暴力」という本質が見失われてしまっているが、今年話題になったように、原子力産業は国民から以上のように、好き勝手に名目を作って無限に資金を好き勝手に引き出すことができる、日本最大の「裏社会組織」である。電力会社が払っている資金は、すべて国民の電気料金である。
 こうした第1種の暴力は暴力の連鎖を生んで、現在の日本社会の停滞をもたらしている。
 もうひとつの暴力は、「仲間主義」とでも呼べそうな、日本的集団主義である。私が台湾に来て違いが分かったのは、台湾社会の活力が、いい点でも悪い点でも「独裁主義=トップが全部仕切る」にあると思われたのに対し、日本の場合はリーダーも部下もみな横並びに異常な強迫観念を持っているということである。
 「横並び」の強迫観念は非常に大きな負担を日本社会に与えている。
 日本企業の設備投資行動の特徴について:1997年の大蔵省による日本企業投資の「横並び」分析だが、業種を無視して全部をただ機械的に並べて量的な比較をしたため結果が分からなくなっている。こうした分析方法をとったこと自体が「横並び=教科書に書いてあった=正解の手本」に合わせた失敗の典型と言える。こうした程度の分析力で、国家経済の指導をするのはおこがましい。20年間ずっと景気が低迷した理由が逆に分かる気がする。
 経済産業政策局長石黒憲彦氏:第23回 オペレーション効率か戦略か第24回 横並びの打破と的確な位置取り:小泉内閣後期に書いていたエッセーで、的確な分析と思われる。状況に応じて、戦略を使分ける必要を説いている。小泉政権の路線の正しさを逆に証明している。しかし、コーナーには100以上の論があるが、2000年代後半にいくほど内容がなくなったのは、政治との人間関係に左右されたせいではないかと思われる。重要部局の局長が人間関係で仕事をするようになったら、その国の経済はもう終わりだろう。
 支配階級が「横並び=人に合わせる=既成の答えに合わせる」という、この程度のスキル、能力で、現代資本主義体制の経済が活力を回復する道理がない。日本的集団主義の最大のマイナス面は、「横並び=人に合わせる=既成の答えに合わせる=言い訳の合理化をする」ことである。それは、多様性のある柔軟な対応を困難にする最悪の人的関係を形成する。
 内海善雄:正論の広場:「技術では勝っている」という言い訳はやめよう
 「横並び=人に合わせる=既成の答えに合わせる」は、内海氏の指摘にあるように、現代の日本社会に蔓延している様々な弁解、言い訳の山を作るだけである。その言い訳は、前大戦での世界史に残る惨めな敗北に対する無数の言い訳から続いている。「アメリカ軍は物量だ」「日本には資源がない」「アメリカ軍は機械力にものをいわせて卑怯だ」「B29のような非人間的兵器を使って」・・・
 できることをしないですませる、できる対策を考えないで過ごすのに、日本的集団主義は大きな「威力」を発揮する。しかし、動乱の時代には、それは最悪の選択だろう。

3.全ては訓練とスキル習得の集積から
 話しを戻すが、暴力の是非を論じて正義面をしたり、あるいは、支離滅裂な暴力肯定論をしたり顔で繰り返すのも、同根の病である。いずれも、すべきこと、研究すべきテーマ、為すべき義務、開拓すべき分野を放棄し、人間関係で全部を糊塗する無能の姿である。大事なのは論じることではなく、すべきことをなし、研究すべきテーマを研究し、為すべき義務を果たし、開拓すべき分野を開拓する、ただこれだけである。極めて日常的で、自分の毎日の生活でできることばかりだ。
 以下の山田順氏の指摘も、横並びから来る日本人の傲慢を指摘している。

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なぜ日本は「エセ日本人」だらけなのか?「健全な愛国心」と「不健全な愛国心」
山田 順 :ジャーナリスト
(山田 順やまだ じゅんジャーナリスト1952年、神奈川県横浜市生まれ。立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。『女性自身』編集部、『カッパブックス』編集部を経て、2002年『光文社ペーパーブックス』を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の両方のプロデュースも手掛ける。著書に『出版大崩壊』『資産フライト』『出版・新聞 絶望未来』などがある。)

 日本人はどうやって日本人になるのだろうか? そんな誰もが意識したことがないことを、グローバル化という視点でとらえていくとどうなるだろうか? 21世紀のグローバル化が私たちに突きつけている問題は、国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。日本人という確固たるアイデンティティを持って、世界を舞台に活躍できる人材になることだ。
しかし残念ながら、日本で日本人の両親から生まれ、日本の教育を受けて育つと、真の日本人にならない。一人娘をアメリカと中国の教育で育てたジャーナリストが、その経験を基に、日本人とは何かを問いかける。
 今回から始めさせていただく連載のテーマは、これである。こう書いただけで、「???」と思う方が大半だと思う。中には、そんな当たり前のことが、なぜ原稿のテーマになるのか? と言う方もいると思う。
 なぜなら、ほとんどの日本人は、「自分は自然に日本人になった。日本人になるために、なにか特別なことなんかしなかった」と思っているはずだからだ。日本で、日本人の両親から生まれ、日本の学校に通い、日本で育てば、誰だって日本人になるに決まっている。そう思い込んでいるからだ。
 しかし、それは本当だろうか?
 実は、私はあるときからそうは思わなくなった。日本で日本人の両親から生まれ、この国で教育を受け、この国で育っただけでは日本人になれない。なれるのは、日本人というアイデンティティを持たない、日本人とは呼べない「エセ日本人」だけだ。
 こう書くと、「えっ、ということは今の日本人の大半が日本人でないということになりますが?」と聞かれるが、そのとおりではないだろうか。今の日本人の大半は、私が信じる日本人ではない。
 なぜなら、まず、日本に対する健全な愛国心、郷土愛がない。次に、日本の歴史を知らなすぎる。続いて、異文化を知らない。さらに、世界標準語(英語)を話せない。
 人類の歴史上、最も世界が狭くなったこのグローバル時代に、この4つの要素を欠いていたら、どうやって自分の人生を切り開けるのだろうか?
日本人に限らず「〇〇人になる」ということは、実は大変な努力と勉強がいる。それをしないで「〇〇人になる」などということはありえない。世界の多くの国では、これが当たり前である。なぜなら、大抵の国家はいくつかの民族コミュニティの集合体であり、日本のようにほぼひとつの民族、ひとつの言語、ひとつと言っていい文化で成り立っていないからだ。
 たとえばアメリカには、もともとアメリカ人という国民は存在しなかった。新大陸を目指して欧州各地から来た移民が、やがてアメリカ人としてまとまっていったわけだから、アメリカ人となるには人工的な努力が必要だった。
その象徴が、星条旗(アメリカ国旗)への忠誠である。
アメリカ人は子供の頃から忠誠を誓う
 9.11(ナインイレブン:同時多発テロ)の後にニューヨークに行くと、街中のほとんどのビルに星条旗が掲揚され、道行く車も星条旗をはためかせて走っていた。それは、日本人の私には異様な光景だった。これほどたくさんの国旗が街を埋め尽くすのを見たことがなかったからだ。
 私が育った家では、祝日でさえ日の丸を掲げなかったし、日本の教育現場では日の丸の掲揚をめぐって長年にわたり教師がもめていた。
 アメリカの小学校に子供を行かせた方ならご存知だと思うが、子供たちは毎朝、星条旗に向かって全員起立し、片手を胸に当て、「忠誠の誓約」(The Pledge of Allegiance)を唱える。
 「私は、わがアメリカ合衆国の国旗、すべての人々に自由と正義が存する、分かつことのできない、神の下での一つの国家である共和国に忠誠を誓う」(I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands: one Nation under God, indivisible, With Liberty and Justice for all.)
 これは公立ならハイスクールまで続く。この誓いの文言を暗誦できない子供はいない。だから、アメリカ人かどうか知りたければ、この「忠誠の誓約」を暗誦できるかどうかを試してみればいい。
 ちょっと話がそれたが、ともかく、こうした人工的なプログラムにより、子供たちはアメリカ人になっていくのである。これは、多民族社会のアメリカがまとまるには必要なことかもしれないが、この光景を目にすると、戦後教育で育った私にはやはり奇異に映る。
 今の日本の教育現場には、日本人をつくっていくというプログラムがない。しかし、戦前は違った。私の父は戦争に行った世代だから、教育勅語、歴代天皇名を暗誦できた。戦前は、軍国主義と言われようと、それに適した日本人をつくるプログラムは存在していたわけだ。
 最近は、尖閣列島を巡って中国との対立が激化したせいもあり、愛国心についての議論はなくなった。自虐史観論争も過去のものとなった。
 しかし、ついこの前まで、日本人は世界でもまれな愛国心なき国民とされていた。それは、「世界価値観調査(2005)」という調査で、「もし戦争が起こったら、国のために戦うか」という設問に「はい」と答える日本人の割合がなんと15.1%と、調査対象国24カ国中最低だったことに表れている。
 ちなみにスウェーデンは80.1%、中国は75.5%、アメリカは63.2%である。また、「あなたは○○人であることにどれくらい誇りを感じますか?」に「非常に感じる」「かなり感じる」と答えた人の数も、日本は断トツに低い57.4%で23番目である。
 このデータは、古市憲寿氏の『絶望の国の幸福な若者たち』や橘玲氏の『(日本人)』にも紹介されていて、日本人の特殊性を示す指標となっている。
 愛国心とは何か?には、正確な定義はないが、ここからわかるのは、日本人が日本人であることに対する愛着が薄く、さらに、国家に対して忠誠を誓うことが好きではないということだ。
中国人は愛国心が薄い
 私は常々、愛国心には2種類あると思ってきた。健全な愛国心と不健全な愛国心だ。たとえば、国民を不幸に追いやる戦前の国体(国家体制)を愛せるだろうか? 郷土やそこに暮らす人々を愛する気持ちと、国家(政権、体制)そのものを愛する気持ちは切り離すべきだ。そうでないと、ナショナリズムに取りつかれ、ただ単に「大日本帝国万歳」という偏愛的な愛国心しか持てなくなる。
 中国人ほど、愛国心が薄い国民はない。「愛国無罪」で反日行動をするのは、頭の程度が低いか、あるいは他の目的のカモフラージュである。一般中国人のほとんどは、北京政権を嫌っている。酒を飲んで本音を聞けば、政府、共産党の悪口ばかりである。
 結局、いまは稼がせてくれるから愛国者のふりをしているだけだ。その証拠に、成功しておカネをつかむと、彼らはどんどん国を出て行く。ただ、郷土愛は私たち日本人より深いかもしれない。
 ちょっと説明が難しいが、前記した「愛国心が薄い」日本人と、「中国、韓国、ふざけるな」と騒ぐネトウヨのような人間の心理的な根っこは同じである。それは、日本しか知らず、日本語しか話せないことの結果だからだ。前者は自己愛しかなく、後者も自己愛しかないが、その自己愛の基盤が日本人ということだけだからだ。
 人は自分が何者か知るためには、必ず他者の視点がいる。それが、不健全な愛国者にはない。このような不健全な愛国主義は、自国中心主義、自民族中心主義としか言えない。
 名作『ジャングル・ブック』で有名なイギリスの作家ラドヤード・キップリングは、「イングランドしか知らない人に、イングランドの何がわかるか」と言った。キップリングはインド生まれ。だからこそ、母国イギリスを理解したうえで心から愛したのである。
 グローバル化でいくら国境がなくなろうと、人間は生まれ育った環境と社会に強い愛着を持つ。しかし、その愛着は外の世界を知って初めて強く意識され、その結果、健全な愛国心が育まれる。
 つまり、ただ単に日本に生まれ、日本の学校に通い、日本で育っただけでは、日本人にはならないのだ。
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 市民になる、日本人になる、男性になる、女性になる・・・実は、すべてスキル、知識、経験で訓練されて初めて身に付くような最高のART(行動様式)なのである。かつての日本社会にはこうしたART(技芸、振る舞い、決断・・・)がたくさんあった。
 九鬼周三:「いき」の構造

 「いき」は「横並び」の反対語である。「横並び」全盛時代とは言え、「いき」な人も日本にはしっかり存在している。

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NHK堀潤アナが退職へ 原発映画上映会で“亀裂”か2013/03/20 12:03更新
 NHKのニュース番組「ニュースウオッチ9」のリポーターなどを務めた堀潤アナウンサー(35)が退職することが19日、分かった。退職は4月1日付。NHKによると、堀アナは「一身上の都合」とした上で「インターネットを使った次世代の情報発信方法を確立したい」と説明したという。
 堀アナは昨年6月から米国の大学に留学。東京電力福島第1原発事故などを題材にしたドキュメンタリー映画を製作し、話題になっていた。現地で映画の市民向け上映会を企画したが、NHKは認めなかったという。
 NHKは「留学の成果を大学外部で上映することは留学の目的から逸脱しており、認められない。映画の内容は問題にしていない」としている。
 堀アナは4月から「きょうの料理」などを担当する予定だった。
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 「横並び」は学習と許容を拒否する暴力原理である。しかし、「いき」は学ぶことができる日本市民のまさに日本的な生活様式である。


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5 コメント

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「石原慎太郎死去のニュースをそろそろ発表するのですか?教えて、前原誠司君よw」 (通りがけ)
2013-03-22 22:28:16

http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-3801.html#comment1329

前原誠司が維新の会へ合流する予定だそうだ。
前原が動くと人が死ぬ。国会議員が死ぬ。いままでずっとそうだった。

池田大作死去のニュースを流せないで苦慮していた前原が遂に我慢しきれず動いたようですな。

しかしよりにもよって維新の会へ合流とは、愚の骨頂下の下策。

橋下を早く首相にしろとCIAから鞭が入ったようだ。

焦った前原は維新の会へ移籍して石原慎太郎をポアしいったん自分が石原慎太郎の共同代表の座を襲名して橋下を比例名簿筆頭に載せてから、その後維新の会を離党して無所属になろうという作戦を立てたのだろう。
こうすれば橋下が比例区衆議院議員になれるからね。

そして石原慎太郎死去のニュースで世間に大ショックを与えて蜂の巣をつついた騒ぎを起こしておいてその陰でひっそり池田大作死去のニュースを流そうという作戦だね。池田大作は日本国籍が無いから死後叙勲を受けられないかというと全然そんなことは無い。吉田茂源田実が工作して鬼畜米軍将軍ルメイに勲一等の生前叙勲が為された先例があるから。これで池田大作をこっそり死後叙勲しておいてから正式に公明党へ戻ろうというのが前原誠司の愚かな頭でひねり出した愚策である。

バカにつける薬はないとは本当のことだ。つくづく日本のご先祖さま達は偉かった。

ゆえに我等躾け正しい日本人常民はたんたんとこうするのみ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本の不幸が「アメリカと創価CIAと統一KCIA」の飯のタネ  

だから

国民主権で日米地位協定破棄し
破防法で前原創価公明党テロ組織を消却して
地球最高の匠国日本民間尖端技術の「得手に帆あげて」福一石棺桶化しよう!


日本人常民「独立と平和の真善美革命」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://www.asyura2.com/12/hihyo13/msg/717.html#c99
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「菅を投獄せよ」 (通りがけ)
2013-04-16 22:59:26
311放射能拡散テロ実行犯※菅直人を投獄せよ。そうすればスッカラカンは

http://www.youtube.com/watch?v=4yaI54sZmT8
「菅直人の正体」 げげげのチョクト

この動画の通り菅はアホでびびりだから極刑の情状酌量を狙って、311で首相官邸に乗り込んできた地位協定米軍将校やら野田やら小泉やら前原やらと手を組んで犯したいろんな憲法違反棄民テロ犯罪の共犯関係を全部ぶちまけるさ。

おっと、そうなると前原が口封じポア命令を出して菅が獄中で殺されてそのニュースのどさくさに紛れて自分の親池田大作を死後叙勲させるかもねw

※詳しくは阿修羅「福島で凄まじい事態が発生!「福島では妊婦の15人の内12人が奇形児を出産しています!」(原発問題) 」
http://www.asyura2.com/13/genpatu31/msg/158.html#c194
以下 rWn9PLlcps のコメントに注目
特に>>205、247、248、293、294、298、323、330、331に菅が放射能拡散憲法破壊テロリスト無差別大量殺人者そのものである動かぬ証拠が書いてある。
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「内乱罪選挙は選管ムサシにやらせて山口県民も全国民も対馬へ安倍ノ対馬トンネル汚職犯罪外患誘致罪を見物しにゆこうw」 (通りがけ)
2013-04-20 07:30:16
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-4426.html
参院山口補選なんぞ江島と平岡どっちを選んでも売国奴守銭奴内乱罪犯罪者であることに変わりなし。
こーんなバカ犯罪選挙投票に行くだけ時間と労力の無駄だから国民全員投票止めて、売国政府選管お望み通りの史上最低の低投票率にしてやるから、腐れ政治家と糞役人だけが選管ムサシで無投票の組織票で勝手に捏造して選べばよい。まーそうなると告示から開票まで全部憲法違反犯罪すなわち内乱罪だがねw

せっかくの国民の休日だから山口県民に限らず全国民みんな今後は投票になど行かずに、対馬へ神社巡りに遊びに行って、万余年の大昔竜宮城からやってきて山幸彦の妃になった豊玉姫のお墓を拝んで帰ろうぜ。百聞は一見に及かず対馬がはるか神代の昔から日本の国だと云うことが骨身にしみてわかるよw論より証拠安倍ノ対馬トンネルがとんでもない憲法違反の国際汚職大犯罪国境侵犯外患誘致罪だっちゅうこともなーw

「対馬が危ない」
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-4076.html#comment1371

「対馬が統一教会の「日韓海底トンネル」早期建設を国に要望」
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-4157.html#comment1473

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「安倍家の躾は日本人の躾じゃないね。文盲安倍晋三総理失格の巻w」 (通りがけ)
2013-05-01 06:08:23
阿修羅からhttp://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/891.html#c22

これ安倍の肉筆。
http://www.inside-games.jp/article/img/2013/04/27/66019/369730.html

ヒドイね、こいつホントに日本の義務教育修了したのか?つか、日本人ならこんな字書かないね絶対に。こどものうちにまず家で親にしばかれるからなw


安倍が投票したら無効票だなw日本語で読めねえからw


文盲は憲法70条により総理大臣職務遂行不能の欠格事項である。
日本国憲法の規定に従って直ちに総理解職罷免即日内閣総辞職、安倍内閣決定政策は過去に遡ってすべて破棄される。
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「署名もできぬドバカ偽日本人学歴詐称欠格総理」 (通りがけ)
2013-05-02 22:41:00
>>http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-4581.html

こいつの署名「安」の字も「晋」の字も間違えとる。日本語にこんな運筆はありえない。

ただのバカじゃない、底抜けのドバカとしかいいようがない。内政も外交もまったく出来んな。そもそも公文書に署名が正しく出来ん、じゃ話にならん。

憲法70条は底抜けのドバカが一瞬たりとも日本国総理大臣を務めることを刑罰を以って厳禁しておる。
ただちに自分の名前も正しく書けない学歴詐称底抜けドバカを総理大臣解職罷免し即日内閣総辞職するよう憲法70条は刑罰を以って厳しく国会へ命じている。

憲法によって選出された国会議員が憲法の命令に逆らえばただちに当該国会議員の国家統治体制への反逆行為であり、ゆえにその議員個人に内乱罪が適用される。
刑法規定により最高刑は死刑、憲法規定により刑期中すべての公民権が剥奪され受刑以前に所有した全財産没収され粛々と国庫へ収められる。

故西岡参院議長が喝破した「全員共謀共同正犯」内乱罪および棄民テロ犯罪者国会議員よ、わかったかw

明日5月3日は憲法記念日である。
日本国憲法全文は義務教育中等教育課程の教科書にすべて載っている。

中卒以上の学歴を持つ日本人は明日5月3日自分の中学教科書を出して日本国憲法全文を熟読するとよいね。

但し国会議員は全員熟読全文暗記せよ。それが立法府特別公務員公僕国会議員たる者が日本国に対して負う最も重要な神聖にして冒すべからざる職責である。
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