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「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

二極化する世界(3):アフリカを支配する中国(2)

2006年11月10日 | 中国の野望─その外交と軍事─
1.中国の”世論調査”の実態
 今回のアフリカフォーラムの異常さをお知らせしている。
 二極化する世界(3):アフリカを支配する中国(1)
 中国によるアフリカ支配と統制の様子は、日本では具体的には余り知られていない。スーダン問題を取り上げた記事ぐらいであろうか。
 極東ブログさん:スーダン・ダルフール虐殺問題と日本、そして日本のブロガー
 短く斬れさん:ダルフールの虐殺と中国の罪・・犯罪と資源外交
 しかし、新華社の以下の記事を見ると、中国人が世評をかなり気にしている様子が窺える。欧米各国に向けて、中国には侵略的意図はない、それは、アフリカ人が認めているというアリバイを主張するために、こうした”調査”を中国政府の情報機関・新華社がわざわざ、中国共産党の情報機関『国際先駆報道』と一緒に行ったのである。しかし、この記事からは、”世論”とは何か全く分かっていないことが、図らずも明らかになる。
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中國在非洲形象調查:中國與「新殖民主義」無關
 為此,《國際先驅導報》駐非洲16個分社聯手新華社世界問題研究中心,從今年5月中旬開始,歷時5個月,對非洲一些國家的121位有代表性的人士進行問卷調查,針對非洲16個國家32家主流媒體進行調查,並對一些在非洲的華人華僑、中國駐非洲人士及國內非洲問題專家進行訪談,較為全面地瞭解了中國在非洲國家形象的現狀、問題及原因。
此次調查涉及的16個國家為:肯尼亞、南非、尼日利亞、贊比亞、烏干達、坦桑尼亞、埃塞爾比亞、剛果(金)、塞內加爾、喀麥隆、加蓬、科特迪瓦、安哥拉、埃及、蘇丹、阿爾及利亞。
(中略)
 《國際先驅導報》針對121名非洲民眾的調查問卷顯示,在回收的42份有效問卷中,有29人(70%)把經濟排在第一位,9人(20%)把政治排在第一位,2人(5%)把外交排在第一位,各有1人把能源和軍事放在第一位。
 那麼,中國在非洲整體形象如何?對這一問題的回答,68位非洲民眾中,有76%認為中國在非洲的整體形象是正面的,10%的人認為是中性的,剩下14%的人認為是負面的。
 《国際先駆導報》はアフリカの16の支社が新華社の国際問題研究センターと提携して、今年5月中旬から、5ヶ月続いて、アフリカのいくつかの国家の121人の代表的人物に対してアンケートを行い、アフリカの16の国家の32の主流メディアに対する調査、そしてアフリカの華人華僑、中国にいるアフリカ人、国内のアフリカ問題専門家に駐在して取材を行って、アフリカの国家での中国イメージについてより全面的に現状、問題と原因を追求した。
今回調査した国家:ケニア、南アフリカ、ナイジェリア、ザンビア、ウガンダ、タンザニア、エチオピア、コンゴ・キンシャサ、セネガル、カメルーン、ガボン、コートジボアール、アンゴラ、エジプト、スーダン、アルジェリア。
(中略)
 《国際先駆導報》の121人のアフリカ民衆に対する調査アンケート結果では、42組の有効アンケート中、29人(70%)が経済を第1位に選び、9人(20%)は政治を第1位に、2人(5%)が外交を第1位に、エネルギーと軍事を第1位にしたひとは1人だった。
 それでは、中国はアフリカ全体のイメージでどのよに見られているか?この問題に対する回答は、68人のアフリカの民衆の中で、76%が中国をアフリカの全体のイメージでプラスに捉え、10%の人は中立、残り14%がマイナス面だと見ている。
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 「アフリカの16の支社が新華社の国際問題研究センターと提携」から、中国は國家情報機関・新華社をアフリカ各地の16ヶ所に配置して、情報收集や情報工作を行っていることが分かる。日本でも中国の情報介入は熾烈(注:NHK無用論(1)─”弱み”に支配される公共放送という悲惨─)であり、日本と同じく、あるいはそれ以上に、言論で、アフリカ民衆に世論操作を行っているのである。また、この調査概要の書き方を見て、いったい、何をどう調査したのか分かる人は、内情を知っている人だけであろう。共産党でのデータとはそんなものである。プラス評価の結果を以下のように、記事は紹介している。

2.捏造される中国のプラスイメージ
 調査数の少なさや有効回答率の低さという基本的問題を中国人に説いてもしかたがない。ここでは、数字のトリックを読み解いて、中国でいかに世論が捏造されているかを知るてがかりとしたい。
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正面形象一:政治制度符合國情
在國際先驅導報此次調查中,詢問了非洲民眾如何評價中國的政治制度。68份回收問卷中,有28人未對此題作答。在40份有效問卷中,有10人(25%)認為中國是民主國家,且中國的政治制度符合中國國情,同時,中國領導人日益開放、自信的形象,也為中國在非洲的政治形象加分不少。
プラス評価1:政治制度が国情に合っている
国際先駆導報は今回の調査中で、アフリカの民衆がどのように中国の政治制度を評価するかを尋ねた。回答のあった68組のアンケート中、28人はこれに対して答えていない。40組の有効アンケート中で、10人(25%)は中国が民主的な国家だと思い、しかも中国の政治制度は中国の国情に合って、同時に、中国の指導者は、自信のあるイメージを日々示すことで、中国のアフリカでの政治的イメージに少なからぬプラスになっている。
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 ここに出ている68という有効回答は、いったいどんな調査対象だろうか?121人の政府関係者などへの調査なのか、それとも、民衆68人なのか。後者だとすると、40%を越える約28人が答えなかったのは、それだけ、回答に脅威を感じたため(注:たとえば政府の秘密警察に連行されるなど。例:コンゴの独裁政権モブツ・セセ・セコ物語、ナイジェリア旅行記の中高年の「元気が出るページ」◇森本哲郎氏一行に加わっての、西アフリカ・ニジェール川探検紀行◇
などにアフリカ国内の秘密警察の一面が出ている)と考えられる。従って、”中国が民主的だ”という朝日新聞、NHK、大江健三郎氏などのような回答をする人は、10人を68で割った数、つまり、14.7%しかなかったのである。
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正面形象二:中國與「威脅」無關
與西方國家甚囂塵上的「中國威脅論」截然相反的是,雖然68名非洲民眾中59%的人表示中國已經是一個強國或者正在逐漸成為一個強大的國家,但他們對中國的強大與崛起持普遍歡迎態度。喀麥隆有三位受訪者指出,西方國家的媒體長期以來一直對中國進行長篇、大量的負面報道,並未在非洲國家引起太多的共鳴。
一些西方國家新拋出的所謂中國在非洲搞「新殖民主義」的說法,也並沒有獲得非洲民眾的認同。58名受訪者中72%的人對這一說法持否定態度,坦桑尼亞《自由報》社長喬西亞·穆芬國先生說:「那只是西方國家的炒作,散佈這種觀點的人有著自己的企圖」。埃及外交部亞洲司官員穆罕默·拉提夫說:「阿拉伯世界不認為中國的崛起是對世界的威脅,反而把中國的崛起看成是實現世界和平與穩定,實現國際力量平衡的一支重要力量。」
プラス評価2:脅威とは無関係
 西側諸国でやかましく論ぜられる「中国脅威論」とはっきり相反したのは、68人のアフリカ民衆中で59%の人は中国がすでに1つの強国あるいは1つの強大な国家になりつつあると見ているが、彼らは中国の強大化と飛躍を歓迎する態度を示している。 カメルーンの3人のインタビューを受けた人は、西側諸国のメディアは長い間ずっと中国に対する長く、大量のマイナス面の報道を行ってきたが、アフリカ国家ではあまり共感を引き起こさないと指摘している。
いくつか西側諸国では新しく、いわゆる中国はアフリカで「新植民地主義」を行っているという言い方をしているが、アフリカ民衆は認めていない。58人のインタビューを受けた人の中で、72%の人はこの言い方に対して否定の態度を持ち、タンザニア《フリエト》社長「...」は言う:「あれはただ西側諸国のはでな宣伝で、このような観点をまく人は自分の企みを持っている」。エジプト外交部のアジア担当「...」は言う:「アラブ世界では中国の飛躍が国際的脅威とは思わず、かえって中国の飛躍は国際平和と安定を実現し、国際的パワーの平衡に重要な力となっている。」
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「68人のアフリカ民衆中で59%の人は中国がすでに1つの強国あるいは1つの強大な国家になりつつあると見ているが、彼らは中国の強大化と飛躍を歓迎する態度を示している」は、意味不明である。おそらく質問は前半のみの「中国がすでに1つの強国あるいは1つの強大な国家になりつつあ」りますかだけで、後半の「彼らは中国の強大化と飛躍を歓迎する態度を示している」は記者が後から入れた解釈だろう。この調査から、脅威でないという都合のよい調査結果が得られなかったので、読み替えて、こんな訳の分からない説明になってしまったと考えられる。「58人のインタビューを受けた人の中で、72%の人」という項目も、いったい58がどこから出るのかわからないが、後ろに秘密警察が居る中で、「28%」の人が、YESと言わなかった誇り高いアフリカの人々の勇気を賞讃するべきであろう。
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正面形象三:經濟發展模式是樣板
在非洲民眾描述「中國的總體形象」時,37人(62%)認為中國改革開放以來,經濟發展迅速、穩健,將成為世界經濟大國。
プラスイメージ3:経済発展の様式は手本になる
アフリカ民衆が「中国の全体のイメージ」を述べる時、37人(62%)が中国の改革開放以来、経済発展が迅速、穏健で、世界の経済大国になったと見ている。
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 37人(62%)は、やはり出所不明である。0.62*X=37の結果は、X=59.67で、調査対象のどの数字にも合わない。推測すれば、62%という数字を最初につくっておいて、適当な数字を人数にあげたかもしれない。 
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正面形象四:主持正義
68位受訪者中,認為中國在國際上為非洲國家主持正義的人達到了75%,25%的人表示不知道。這幾乎是一個一邊倒的資料。同一份資料也表明:68人中認為中國對受訪者所在國或非洲國家非常友好、友好、不太友好的人各佔50%、46%、4%。也就是說,認為中國對受訪者所在國或非洲國家友好的人,佔到了96%。
正面の如実な4:正義を主宰する
68人の訪問者の中で、中国が国際的にアフリカ国家のために正義を保っているという人は75%に達している。25%の人は知らないとしている。これはほとんど1つの一方だけに偏ったデータだ。同じ資料が表している。68人中で中国が訪問者の国あるいはアフリカ国家のとても友好的、友好的、あまり友好的ではないに対する答えは、それぞれ50%、46%、4%を占めている。つまり、訪問者の国あるいはアフリカ国家に対して中国が友好的だという人は96%を占めている。
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 秘密警察による拉致の恐怖に耐えた25%のアフリカ人の勇気を称えるべきであろう。「これはほとんど1つの一方だけに偏ったデータだ。」という意味不明の一句から、必死になって、記者が、”中国のプラスイメージ”を証明しようとしている姿を記事から読み取るのはいとも容易である。しかも、次の質問「とても友好的、友好的、あまり友好的ではないに対する答えは、それぞれ50%、46%、4%を占めている」から、ここには最初から「大変友好的、友好的、余り友好的ではない」の三つの選択肢しかなかったことがわかる。46%のひとはそれほど友好的ではないと考えられ、「余り友好的ではない(=友好的でない)」すらもいる。これを選んだ人がいた勇気を称賛したい。もう、この世には居らっしゃらないかもしれないが。
 想像をたくましくすれば、一本のドラマが書けるぐらい、中国の言論統制の恐ろしさが、行間からにじみ出ている。しかし、アフリカの人々を先進国の味方に付ける方法も図らずも浮かんでくる(例:秘密警察のない国にODAを与える、選挙監視団を受け入れる国に援助と留学生交換を行う・・・)。

3.マイナスイメージの真実
 先の記事の続きは、中国のマイナスイメージとなっている。欧米向けに公平な調査ですよというポーズをとるために、付けざるを得なかったのだろう。
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負面形象一:經濟發展過熱
除了上述正面形象之外,在問卷調查中還概括出以下幾種中國在非洲的負面形象:在60名受訪的非洲民眾中,有7名(10%)受訪者直言不諱地指出了中國經濟飛速發展背後的一系列問題,如經濟發展存在過熱的成分、經濟發展的成果在分配中存在不公平的問題以及經濟發展過程中存在環境被損害等隱患。
マイナスイメージ1:経済発展が過熱
上述のプラスイメージのほか、アンケート中で、以下の何種類かの中国に対するアフリカのマイナスイメージをまとめる。60人の訪問されたアフリカの民衆の中で、7名(10%)が率直に中国経済が急激に発展する背後の一連の問題を指摘した。例えば経済発展には過熱の部分がある、経済発展の成果には分配中に不公平問題があり経済発展過程中には環境問題の危険など隠れた問題があるという。

負面形象二:中國商品質量堪憂
近年來,中國商品大量湧入非洲市場。但一些非洲民眾卻表示,中國商品雖然價格便宜,而質量卻並不近如人意。
埃及商會會員阿卜杜拉·哈桑指出,中國有很多好的商品,具有價格上的競爭力。但是,現在在埃及市場上所銷售的中國商品大部分質量比較差,這會影響到中國在非洲市場的開拓。而如果這種情況長期存在而不去糾正的話,中國的形象可能會受到影響。
マイナスイメージ2:中国商品の品質への心配
ここ数年来、中国の商品は大量にアフリカの市場に入っている。しかしいく人かのアフリカの民衆は、中国の商品は価格は安いが、品質は満足できないと言っている。
エジプト商工会議所会員「・・・」は、中国にはとてもよい商品が多くあって、価格上の競争力を持っていると指摘している。しかし、今エジプト市場上で販売した中国の商品の大部分は質と量がわりに劣っている。これは中国のアフリカの市場での開拓準備に影響する。もしこのような情況は長期にわたり是正できないならば、中国のイメージは影響を受けるかもしれない。

負面形象三:部分公司素質不高
塞內加爾人阿芒·塞努先生表示:「過去在非洲工作的中國人很優秀,但現在在非洲經商的某些中國人比較自私,且不太注重國家的聲譽。」南非-中國文化交流公司總裁說,據他所知,南非民眾對中國人的一大印象就是「非法移民多,社區內犯罪分子也不少」。
中國駐贊比亞使館臨時代辦趙湛斌也表示:「近年來,隨著中國投資者的大量湧入,人員素質良莠不齊,尤其是不少個體經營者,為了賺錢急功近利、不擇手段,在當地造成了不好的影響。一些非洲民眾會把少數中國人的表現看作是整個中國人的表現,以偏概全。中國人要自律,要提高自身素質。」
マイナスイメージ3:会社の一部の質は高くない
セネガル人「・・・」は言った「過去、アフリカで働く中国人はとても優秀だったが、しかし今アフリカで商業を営むいくらかの中国人は比較的に利己的で、しかも国家の名声をあまり重視しない。」南アフリカ-中国文化交流会社総裁は、聞くところでは、南アフリカの民衆の中国人の大きな印象は「不法移住者が多い、コミュニティ内の犯罪者は少なくない」と言うことである。
中国ザンビア公使館の臨時代理大使は言っている。「ここ数年来、中国の投資家が大量にどっと入って、人員の素質は玉石混交、特に多くの個人の経営者は、金を儲けるために目前の功利を求めるのに急で、手段を選ばない。現地によくない影響をもたらした。いくらかのアフリカの民衆は少数の中国人の態度を全体の中国人の態度に見なすことがありえて、1部を全部とみなす。中国人は自律して、自身の素質を高めるべきだ。」

負面形象四:部分中國人不願主動融入當地社會
一些非洲民眾表示,雖然中國人勤勞且善於經營,但由於語言、習俗等原因,一些中國民眾不願意與當地民眾進行交往,顯得有些封閉。安哥拉通訊社國際部記者兼編輯金克拉·阿利塞指出:「現在在安哥拉的中國人很多,很勤勞,但是很少中國人講葡萄牙語,他們不願意同當地人接觸,主動融入當地社會。」
マイナスイメージ4:中国人の一部は自発的に現地の社会に溶け込みたくない
いくらかのアフリカの民衆は、中国人は勤勉でしかも経営に優れるが、しかし言語、習わしなどのため、いくらか中国の民衆は現地の民衆と付き合いを行うことを願わないで、閉鎖的であると言っている。アンゴラ通信社国際部の記者「・・・」は指摘している。「今アンゴラにいる中国人はとても多くい。とても勤勉で、わずかな中国人はポルトガル語を話すが、彼らは地元の人と接触し、自発的に現地の社会に溶け込むことを望まない。」
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 アリバイとして一部が出されたと見られるマイナスイメージだが、はっきり発言したアフリカの人々の勇気に拍手したい。ここからは、中国経済の過熱や粗悪品などの問題点を見抜く、アフリカの人達の観察の鋭さと、現地に溶け込まない中国企業・中国人社会への鋭い人種感覚が窺える。
 中国がアフリカを半植民地化している体質が、特に3や4の指摘からは、窺える。かつて少数のエリートだけがアフリカに送り込まれて政治交差をしていた時代なら、中国の暗部は現地の人々の目にはふれなかった。しかし、殺到する勢いで多くの中国人がアフリカでの利益獲得に躍起になっている現在では、一般人が女性や子供を平然と殺す福岡一家四人虐殺死体遺棄事件のような現代の中国人には普通に見られる極めて冷酷でエゴイスティックな例が今後、アフリカでも頻発すると予想される。日本を始め先進国が、アフリカを安定させるには、こうしたところに切り込む必要があるだろう。
 困難だが、方法はある。たとえば、アジア・アフリカの子供たちへの奨学や自立支援の直接援助である。ODAという大型プロジェクトではない、個別的質的な生活の室に関わる援助が、中国のアフリカ支配を破る最もよい方法であろう。
 こんな形で海外の人々を見せ物にする中国人は、21世紀人類の最大の敵である。
 新華社のアフリカフォーラム特集

(追記)
 読者の方からのご指摘に私は回答する能力がありません。一応、外務省の海外安全情報で該当地域を挙げておきます。現地滞在のお詳しい方、ご教示願えれば幸いです。エチオピアの打ち間違いを訂正しました。
 南アフリカに対する渡航情報(危険情報)
 セネガルに対する渡航情報(危険情報)
 ナイジェリアに対する渡航情報(危険情報)
 なお、ナイジェリア旅行記の中高年の「元気が出るページ」◇森本哲郎氏一行に加わっての、西アフリカ・ニジェール川探検紀行◇に以下の記述があります。
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長時間を費やした入国手続きもやっと完了して、5分も走ると光景がたちまち違ってきた。ナイジェリアはアフリカの中でも人口の多い国だそうだが、顔立ちも体型もこれまでと大分違い、道には人が溢れるようにいて砂糖きび売りの姿なども見かけられた。モーリスから、
「秘密警察が多くいるので、やたらに人物や景色を写さないよう、カメラにはくれぐれも気をつけてください」
との注意を受ける。やがて市街地を外れ、人気のない真っ暗なサバンナ地帯を何時間も走っていると、不安感からか無性に人恋しさのような気持ちが募ってくるのだった。遥かに見える焼き畑の野火の火にも、あそこには人間の営みがあるのだと懐かしく思われてきた。闇の中の火の色は美しく不思議な崇高さがあり、明るい都市生活では考えたこともない、神秘的な畏敬の念すら覚えたのである。
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 アルジェリアに対する渡航情報(危険情報)
 ザンビアに対する渡航情報(危険情報)
 


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3 コメント

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あなたはアフリカを馬鹿にしている! (むじな)
2006-11-10 02:20:10
アフリカのすべてが中国並みの恐怖政治国家だと勘違いしているあなたのアフリカ蔑視も問題だよw。(しかも国名のエセルとビヤはエチオピアね)

調査対象のうち、南アフリカ、セネガルは完全に言論の自由が保障されており秘密警察の恐怖などないし、ナイジェリア、ザンビア、アルジェリアあたりもそこそこ自由に意見が言える国家だよ。

てか、アフリカのほうが、アジアよりも自由な国が多いって知ってた?アジアで自由なのは日本、韓国、台湾、モンゴル、インドネシア、タイ、フィリピンくらいで、不自由な国のほうが多い。アフリカは自由な国のほうが実は多い。

問題は中国の世論調査の標本数が少なく、母数がそのつどまちまちで、牽強付会の解釈ばかりでまったく信用できないことだろう。

それに対して「秘密警察に連行されるかもしれないのに発言した勇気」というのは、あまりにもアフリカを馬鹿にした主張。

訂正すべし。
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セネガルや南ア人が自由に物を言うのは当たり前だろ (むじな)
2006-11-10 02:23:21
>はっきり発言したアフリカの人々の勇気に拍手したい。

ここで中国にマイナスの意見をしたのは、南アフリカ、セネガル、ザンビアなど、いずれも自由が保障されているか、そこそこ自由があるところばかりだよ!

エジプトは言論の自由がないが、そこはアラブ人で、中国に阿る必要もないことは、政府もわかっているわけで。
返信する
ご教示ありがとうございます (蓬莱の島通信ブログ別館)
2006-11-10 15:46:10
ご教示ありがとうございました。
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