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完成披露試写会「九月の恋と出会うまで」@イイノホール 2019/1/30

2019-02-02 09:39:39 | 映画感想
2019/1/30、イイノホール。
会場の95%は女性。
上映終了後、主演の二人と監督、それに主題歌を作り歌ったandropの内澤が登壇した。

映画の内容以外は別記事にて。



高橋一生、川口春奈、川栄李奈、中村優子、浜野謙太、ミッキー・カーチス、古館佑太郎



小説の書き出しがセリフになって物語が始まる。

(神奈川県内の)とある公園。
女の子が噴水に入れてしまったボールを取ってあげた女性、北村詩織(川口春奈)は
しゃれたアパートの2階B号室に越してきた。
このアパートはオーナーの権藤(ミッキー・カーチス)の意向で芸術に関する人しか入れない。
北村は学生時代からの趣味のカメラが芸術性ありとして認められていた。

他には楽団員の倉(浜野謙太)、劇団員の祖父江(中村優子)、それに地味なサラリーマンの
平野進(高橋一生)。平野は向かいの棟の住民だが一応は隣になる。



それは、9月14日のことだった
午後9時ちょうど。北村が部屋を片しているとどこからか男の声が聞こえる。
北村が耳を凝らすと、どうやら壁際のエアコン用のダクトから聞こえるようだ。

「北村さん、北村詩織さん」
「どなたですか」
「ひらのです。2Aの。」
「シラノさん?」
「いえ。ひらのです、平野。」
「平野さん。」
「はい、そちらは何年何月何日ですか。」
「2017年の9月14日です。」
「よかった。間に合った。」

平野は1年後の未来から話しかけている、と言う。
そして、理由は言わず、現在の自分にばれないように尾行してほしいと頼んできた。

「尾行してくれたら、町で一番おいしいレストランでご馳走します。」

にわかに信じがたい話に平野は明日の天気や事故や事件、その後のニュースなど、
未来を次々と予言、それは全て確かに的中した。
こうなっては北村も信じざるを得ない。

北村は平野の言葉を信じ平野を尾行することにした。
日々の尾行では平野に特に怪しい様子はない。
北村は平野の怪しい行動を目にした後、思い切って理由を聞かせてくれないと尾行は止める、
と未来の平野に言ってみた。
平野は明日、9月27日になったら理由を全部話すから、もう1日だけ尾行してくれと頼んできた。
北村はしぶしぶ承知し、風邪気味なのに自分の休日である翌日も平野の後をつけた。

尾行は5時までで良いと言われていた北村がマンションに帰ると空き巣に部屋中が荒らされていた。
幸い現金が何万円か盗まれただけで済んだが、警察に届け刑事が捜査に来た。

夜9時。満を持して未来の平野に理由を問いただそうとする北村だったが、
エアコンのダクトからは何も聞こえない。
不審に思った北村が2Aを見ると、平野の部屋の外にはエアコンがついている。
それで未来とのつながりが切れたと思った北村はつい、「どうしてエアコンつけたんですか」と
怒鳴ってしまった。

「え、何ですか? 」と返す平野。北村は気づいた、声が違う。
突然怒鳴られた平野は、エアコンの音がうるさいとの苦情だと勘違いし、北村の部屋を訪れた。
「エアコンはそれほどうるさくないと思いますが」と弁明する平野。
北村は熱のせいでふらふらと倒れてしまった。
平野は北村を介護して寝かせ、買い物に行き、冷えピタで看護、おじや、果物などを用意した。
気が付いた北村がびっくりすると、平野は不用心すぎる、エアコンの苦情はいずれ聞きます、
と言って帰っていった。

翌日、北村は平野を訪ね、未来の平野の声の話をした。
平野は話を信じ、タイムリープではないかと言った。

果たして未来の平野の目的は何だったのか。
どうして声が聞こえなくなってしまったのか。

北村と平野の運命はどうなってしまうのか。

**

原作は「書店員が選んだもう一度読みたい文庫」恋愛部門第1位の同名小説。
当然と言えば当然だが、設定などは変えてある。
最初に平野が焦っていた理由、そっけなかった理由などもうまく回収されていた。

しかし、「声が違う」と言う点は説明がされていない。
小説ではうまく説明されていたらしい。



細かい点では穴がいっぱいあるけど、SF要素を入れたラブストーリーとしてはよくできている。
ただ海岸のシーンはもう少し風の穏やかな日にできなかったのか。
波の感じはよかったが、髪はよくなかった。



チェロの演奏はすごくよかった。
浜野謙太は管楽器が専門のはずで、劇中でもチェロは弾いていないと思われるが違和感はなかった。
さすが、ミュージシャン。

古館佑太郎は古舘伊知郎の息子。


人から言われて気づいたが、声がタイムリープする物語としては
デニス・クエイド主演の「オーロラの彼方へ」がある。
息子が30年前に殉職したはずの消防士の父と無線で交信する物語。結末は忘れた。
過去に戻って歴史を修正するとどんどんひどくなるのが、アストン・カッチャー主演の
「バタフライ・エフェクト」

SFの原理を全く無視し、思いを募らせて過去へワープするのはクリストファー・リープと
ジェーン・シーモアの「ある日どこかで」。
映画はものすごくいいけど、結末はとことんやるせない。



タイム・パラドックスを解消する結末には、映画の中での説明のほか、
過去は結局変えられないというものがある。
「親殺しのパラドックス」は子供が過去に戻って自分の生まれる前の親を殺すのだが、
親殺しに失敗すればパラドックスは生じない。
どうやっても結局親は殺せないとなればいいわけだ。

「ドラえもん」のシリーズではこの展開が良く使われる。
例えば、誰かに大切なものを盗まれたので、犯人を捜しに過去へ行き、
盗まれないように隠したら、結局自分が盗んでた、みたいな。

本作では、北村は殺されていないので「北村が殺されるタイムラインは存在しない」となれば
いいわけで、実際そうなっているから矛盾は生じていない。

タイムトラベルものは原理よりもタイムパラドックスをどうまとめるかが肝要で
その意味でも良くまとまっていると言える。


すみません、偉そうに書いちゃって。

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