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DVD「シモーヌ」

2007-11-03 01:38:57 | 映画感想
2003/10/1、つまり、このブログの開設(2004/10)以前に見た。
従って、このブログにその当時の感想は載せてない。

ずっと記憶には残っていて、DVDも買おうとは思っていたのだが、
なかなか廉価版も出ないし、実際には買ってなかった。

ところが最近、廉価版ではなくアマゾンで安売りされていたので、
つい買ってしまった。

そして、4年ぶりに鑑賞。
4年の歳月を経てもなお、なかなか面白かった。
いやむしろ、4年のCG技術の進化が
この映画の真実味を増して見せているのかもしれない。

アル・パチーノの一人芝居のうまいこと。

シモーヌとの動作の連動は、まるで本当にCGと動機を取っているよう。

多少、ウィルスなどの動きでインチキなところはあるが、
それらを差し引いても、今なお十分面白い。



シモーヌはSIMONEだが、S1M0NEでもある。

リアルをバーチャルで表現する、最近の映画はCG抜きで作れない、
これを逆手にとって、バーチャルをリアルで表現している。
逆の意味で、どこまでがリアルでどこからがバーチャルなのか。

監督アンドリュー・ニコル、主演アル・パチーノ、
共演ウノナ・ライダー、キャサリン・キーナー。
そして、シモーヌにレイチェル・ロバーツ。

レイチェル・ロバーツは全く知らなかったが、カナダ出身のスーパーモデル。
CG抜きでも魅力的で、このあとニコル監督と結婚した。

***

デビッド・タランスキー(アル・パチーノ)は映画監督。
わがままな俳優に手を焼いている。

ニコラ(ウノナ・ライダー)にも、無理難題で最新作の主演を降りられてしまう。
代役で映画を完成させるというタランスキーに製作会社はOKを出さない。

制作会社の重役で元妻のエレイン(キャサリン・キーナー)に
ついに首を切られる。

そこへハンク・アリーノ(エリアス・コティース)という
プログラマが近づいてくる。
完璧なCG女優を作り上げたというのだが、タランスキーは本気にしない。

自費ででも映画を完成させるつもりのタランスキーだが、
次々とオファーを断られる。
困り果てたタランスキーのもとへ、ハンクの遺言でハードディスクが届く。

そこには、理想の女性、シモーヌ(レイチェル・ロバーツ)の姿があった。
監督の意のままに動くシモーヌ。
すでに撮ったシーンと合成して映画は完成。

前評判は芳しくなく、ガラガラの試写会だが、映画は大好評。
一躍、人気が出て、シモーヌは大スターになる。

もう1作だけ、と思う監督。
共演者とは別に撮影する、として作った2作目も大ヒット。

人々は熱狂し、シモーヌに会いたがる。
タランスキーはシモーヌを対人恐怖症、PC中毒と偽り、直接人前には出さない。

中継でのTV出演、人形やダミーで人々の目をくらまし、
シモーヌの存在を見せかける。

スタジアムでのバーチャルライブ。
人々はシモーヌの存在を疑わず、監督の行動を疑う。
やがてシモーヌ人気は監督の手を離れ、制御できないところまでくる。

タランスキーは、シモーヌ人気を落とそうと、汚れ役や問題発言をさせるが、
逆に人気が過熱していく。

ついにタランスキーはウィルスを感染させ、シモーヌのデータを海に捨てる。
そしてシモーヌは死んだことにするが、逆に殺人と死体遺棄の嫌疑をかけられる。

すべての証拠が監督のクロを示していた。
もはや、有罪、死刑は免れないのか。

そんなとき、
すべては娘レイニー(エバン・レイチェル・ウッズ)の知るところとなり、
シモーヌが当日の新聞を読んでいる姿が公開される。

シモーヌの生存が証明されたことになり、監督は放免される。
シモーヌは女優引退、失踪は妊娠出産のためだとして、物語は丸く収まる。

***

公開時のエンドロールでシモーヌのところは、"as herself"となっていた。
つまり、本当にCGですよ、というわけ。
本当にCGだと信じたひとも多かったらしい。

日本では女性をターゲットに仕掛けたらしいが、
公開が早まって十分な宣伝もできないままになってしまったらしい。
もう少し宣伝がうまければもっと入っただろう。

登場人物ではやはり、アル・パチーノが光る。
ちなみに、役名のタランスキーは、タランティーノとタルコフスキーの合成。

娘もレイニー役のエバン・レイチェル・ウッド、このとき15歳、うまい。

シモーヌは魅力的。
実際にレイチェルに手を加えてシモーヌを作り出しているとのことだ。

シモーヌとタランスキーがシンクロして台詞や身振りをするシーンは、
とてもよくできているし、ここでもアル・パチーノの演技が光る。

コメディとして、アナログな人にも十分楽しめる。

この映画の関係者は当分そんなことは無いと言っているが、
実物と見間違うほどのデジタル(=CG)俳優は技術的には十分可能だろう。

要は映画関係者がそれを作ろうと思うかどうか、
そして、それを観客が欲するかどうか、
つまりはビジネスとして成立するかどうかだろう。

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