2019/2/22、109シネマズ木場、7番スクリーン。
良い席のH列を選択。
*
野村萬斎、片岡愛之助、及川光博、香川照之、鹿賀丈史、橋爪功、世良公則、藤森慎吾、
朝倉あき、勝村政信、北大路欣也。
他に土屋太鳳、小泉孝太郎、春風亭昇太、立川談春、吉田羊、木下ほうか、溝端淳平らも出演。
*
中堅電機メーカー、東京建電では、営業部長の北川(香川照之)が、月次営業会議で、
未達の営業2課長の原島(及川光博)を叱責、目標達成の1課長の坂戸(片岡愛之助)を褒める。
会議中、1課のお荷物係長、八角(やすみ、野村萬斎)が居眠りをしているのがばれる。
課に戻ると坂戸は八角に罵声を浴びせ、八角の有給申請を破り捨ててしまう。
八角は怒りをあらわにし、社内のパワハラ委員会に訴えると声を張り上げる。
後日、坂戸はパワハラで異例の人事部付きに異動させられ、後任の1課長はなんと原島に。
1課には事務手続きや伝票処理に詳しい庶務担の浜本(朝倉あき)がいた。
翌月、営業1課は業績未達で原島は北川に叱責されて吐き、椅子からひっくり返る。
みんなは大笑するが、北川と八角だけは笑っていなかった。
*
営業部と経理部は社内で激しくいがみ合っており、加茂田課長(勝村政信)は
新田係長(藤森慎吾)に営業部の鼻を明かせるネタを探すよう指示する。
新田は下請けの「ネジ六」への接待費が高いことをなじりに営業に乗り込むが、八角に反撃される。
新田は八角が「ネジ六」へ転注したことを知り、疑惑を持つ。
飯山経理部長(春風亭昇太)も部長会議で営業部を非難し八角をつぶそうと考えた。
しかし、部長会議で北川は激しく反論し宮野社長(橋爪功)が経理を一喝した。
浜本の情報で原島が転注したことになっていると知った原島は八角について調べはじめる。
カスタマー室の佐野室長(岡田浩暉)は北川を追い落とし営業部への復帰をもくろんでいたが、
程なく小倉営業所に飛ばされてしまう。
*
ますます八角が怪しいとにらむ原島。
社内で関係者の関連を調べていると、八角が近づき、それ以上首を突っ込むなと脅してくる。
果たして八角の狙いは何なのか。
東京建電に隠された秘密とは何か。
原島は浜本にも協力させ、秘密を探り始める。
**
八角が偽装に気づいたのはいいとして、佐野、新田は図らずも重要な部分に近づきかけた。
とすれば、八角の他に直接間接に気づいた人物がいてもおかしくはない。
特に商品管理、品質保証、検査などの部門では気づいた者がいるはず。
奈倉などは真っ先に気づいて当然ではないのか。
たとえ全数でなくても試験は部品、製品を問わずやるはずだ。
特に仕入れ部品に強度不足があったら致命的だ。
ただ現実には「安全率」があり、必要な強度の2倍程度の強度で物が作られている場合が多い。
正しい使い方なら体重130kgまでの人物が座ることを許容する椅子の場合、
普通でない使い方も考え、260kg(2倍)とか325kg(2.5倍)の
過負荷に耐えうるように作るのがふつうである。
したがって設計強度の半分だとしても普通に使う限りそう簡単に壊れるはずはない。
しかし、航空機の場合は安全率が低く、過負荷を許容する範囲が狭い。
こちらは設計強度の半分では非常にまずい。
*
パソコンを取り上げられたから証拠のデータがすべてなくなるのはどうなのか。
もちろん紙の書類や証拠のボルトなどすべての資料が取り上げられてしまったとはいえ、
なぜ調査報告書や検査データの「控え」をとっておかないのか。
仮にすべてのデータの社外持ち出し禁止措置が取られていたとしても何らかの形で
コピーを取っておくことはできたはずだ。
また、原島はなぜ浜本を重要な場面に同行させるのか。
浜本の仲間の女子社員の口の軽さから見て、原島の行動も筒抜けになっている危険性が大きい。
浜本が女性だから信用できないというわけではなく、原島はもっと口の堅い人物を選ぶべき。
最も適任と思われるのは商品管理室の奈倉だが映画ではちょい役だった。
*
「一人の善人が巨悪に立ち向かう」物語ではない。
「悪事はいつか暴かれる」ことにはなるが、原作者には企業の隠蔽体質はなくならない、
大企業ほど悪事に目を背けがち、との思い込み、あるいは思い入れがあるのかもしれない。
組織の上に行くほど悪事に目をつぶらなくてはやってられないと思っているのかも。
人気テレビドラマを量産している池井戸潤にとって映画化は「空飛ぶタイヤ」に続く2作目となる。
*
「七つ」とは何か、の議論があるようだ。
ひとつにはフォーブスジャパンに「誰が会社を殺すのか? 駄目な経営者と危険な社風 7つの兆候」と
いう記事があり、それを比ゆ的に表しているという説がある。
しかし、この記事は、「誰が〇〇を殺すのか」シリーズのひとつで「2018/1/19」付けとなっており、
原作小説の初刊行時期(2012/11/5)とはもとより、連載開始時期(2011/5)とも整合しない。
原作連載時は7話の短編集となっており、単行本化時に1話加えて8話構成となったことから、
7つのエピソードを示しているという説もある。
また、7つとは7人の主要キャスト、すなわち、「八角」、「北川」、「原島」、「坂戸」、
「三沢」(ねじ六)、「江木」(トーメイテック)、それに「徳山」のことだとする説もある。
しかし、それではエピソードの一つでもある「新田」、重要人物である「宮野」「梨田」はどうした。
作者である池井戸潤が7つとは7人であり、これこれと言っているのならともかく、
キャストを意味するとの説明はどうも納得がいかない。
「七つ」が、具体的に7つの何かを示しているとしても、全体の流れの中ではそれほど
決定的な意味を持っているとは思えなかった。
良い席のH列を選択。
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野村萬斎、片岡愛之助、及川光博、香川照之、鹿賀丈史、橋爪功、世良公則、藤森慎吾、
朝倉あき、勝村政信、北大路欣也。
他に土屋太鳳、小泉孝太郎、春風亭昇太、立川談春、吉田羊、木下ほうか、溝端淳平らも出演。
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中堅電機メーカー、東京建電では、営業部長の北川(香川照之)が、月次営業会議で、
未達の営業2課長の原島(及川光博)を叱責、目標達成の1課長の坂戸(片岡愛之助)を褒める。
会議中、1課のお荷物係長、八角(やすみ、野村萬斎)が居眠りをしているのがばれる。
課に戻ると坂戸は八角に罵声を浴びせ、八角の有給申請を破り捨ててしまう。
八角は怒りをあらわにし、社内のパワハラ委員会に訴えると声を張り上げる。
後日、坂戸はパワハラで異例の人事部付きに異動させられ、後任の1課長はなんと原島に。
1課には事務手続きや伝票処理に詳しい庶務担の浜本(朝倉あき)がいた。
翌月、営業1課は業績未達で原島は北川に叱責されて吐き、椅子からひっくり返る。
みんなは大笑するが、北川と八角だけは笑っていなかった。
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営業部と経理部は社内で激しくいがみ合っており、加茂田課長(勝村政信)は
新田係長(藤森慎吾)に営業部の鼻を明かせるネタを探すよう指示する。
新田は下請けの「ネジ六」への接待費が高いことをなじりに営業に乗り込むが、八角に反撃される。
新田は八角が「ネジ六」へ転注したことを知り、疑惑を持つ。
飯山経理部長(春風亭昇太)も部長会議で営業部を非難し八角をつぶそうと考えた。
しかし、部長会議で北川は激しく反論し宮野社長(橋爪功)が経理を一喝した。
浜本の情報で原島が転注したことになっていると知った原島は八角について調べはじめる。
カスタマー室の佐野室長(岡田浩暉)は北川を追い落とし営業部への復帰をもくろんでいたが、
程なく小倉営業所に飛ばされてしまう。
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ますます八角が怪しいとにらむ原島。
社内で関係者の関連を調べていると、八角が近づき、それ以上首を突っ込むなと脅してくる。
果たして八角の狙いは何なのか。
東京建電に隠された秘密とは何か。
原島は浜本にも協力させ、秘密を探り始める。
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八角が偽装に気づいたのはいいとして、佐野、新田は図らずも重要な部分に近づきかけた。
とすれば、八角の他に直接間接に気づいた人物がいてもおかしくはない。
特に商品管理、品質保証、検査などの部門では気づいた者がいるはず。
奈倉などは真っ先に気づいて当然ではないのか。
たとえ全数でなくても試験は部品、製品を問わずやるはずだ。
特に仕入れ部品に強度不足があったら致命的だ。
ただ現実には「安全率」があり、必要な強度の2倍程度の強度で物が作られている場合が多い。
正しい使い方なら体重130kgまでの人物が座ることを許容する椅子の場合、
普通でない使い方も考え、260kg(2倍)とか325kg(2.5倍)の
過負荷に耐えうるように作るのがふつうである。
したがって設計強度の半分だとしても普通に使う限りそう簡単に壊れるはずはない。
しかし、航空機の場合は安全率が低く、過負荷を許容する範囲が狭い。
こちらは設計強度の半分では非常にまずい。
*
パソコンを取り上げられたから証拠のデータがすべてなくなるのはどうなのか。
もちろん紙の書類や証拠のボルトなどすべての資料が取り上げられてしまったとはいえ、
なぜ調査報告書や検査データの「控え」をとっておかないのか。
仮にすべてのデータの社外持ち出し禁止措置が取られていたとしても何らかの形で
コピーを取っておくことはできたはずだ。
また、原島はなぜ浜本を重要な場面に同行させるのか。
浜本の仲間の女子社員の口の軽さから見て、原島の行動も筒抜けになっている危険性が大きい。
浜本が女性だから信用できないというわけではなく、原島はもっと口の堅い人物を選ぶべき。
最も適任と思われるのは商品管理室の奈倉だが映画ではちょい役だった。
*
「一人の善人が巨悪に立ち向かう」物語ではない。
「悪事はいつか暴かれる」ことにはなるが、原作者には企業の隠蔽体質はなくならない、
大企業ほど悪事に目を背けがち、との思い込み、あるいは思い入れがあるのかもしれない。
組織の上に行くほど悪事に目をつぶらなくてはやってられないと思っているのかも。
人気テレビドラマを量産している池井戸潤にとって映画化は「空飛ぶタイヤ」に続く2作目となる。
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「七つ」とは何か、の議論があるようだ。
ひとつにはフォーブスジャパンに「誰が会社を殺すのか? 駄目な経営者と危険な社風 7つの兆候」と
いう記事があり、それを比ゆ的に表しているという説がある。
しかし、この記事は、「誰が〇〇を殺すのか」シリーズのひとつで「2018/1/19」付けとなっており、
原作小説の初刊行時期(2012/11/5)とはもとより、連載開始時期(2011/5)とも整合しない。
原作連載時は7話の短編集となっており、単行本化時に1話加えて8話構成となったことから、
7つのエピソードを示しているという説もある。
また、7つとは7人の主要キャスト、すなわち、「八角」、「北川」、「原島」、「坂戸」、
「三沢」(ねじ六)、「江木」(トーメイテック)、それに「徳山」のことだとする説もある。
しかし、それではエピソードの一つでもある「新田」、重要人物である「宮野」「梨田」はどうした。
作者である池井戸潤が7つとは7人であり、これこれと言っているのならともかく、
キャストを意味するとの説明はどうも納得がいかない。
「七つ」が、具体的に7つの何かを示しているとしても、全体の流れの中ではそれほど
決定的な意味を持っているとは思えなかった。
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