ITニュース、ほか何でもあり。by KGR

ITニュースの解説や感想。その他、気になる話題にもガンガン突っ込む。映画の感想はネタばれあり。

スポーツのルール

2010-02-27 10:27:35 | スポーツ
いろいろ残念な結果になりそうなバンクーバーオリンピックですが、
(フィギュアスケートも残念だったですね)
誰が良い悪いということではなく「ルール」について少し考えさせられました。

男子フィギュアでもそうだったですが、ジャンプか全体の構成かが議論になりました。

つまり男子フィギュアの場合は4回転ジャンプを跳ぶのか跳ばないのか、
女子の場合は、トリプルアクセルか、全体の流れを完ぺきにこなすのかみたいな。

大技に挑戦して失敗したリスクを取るよりも、無難にこなして得点を稼ぐ、
一見セコイ考えもに思えますが、「ルール」がどうかにも関連します。

フィギュアの場合は採点ルール。
ジャンプは跳ぶときのエッジの使い方や回転がどこまでならちゃんと回ったとみるか、
などなどルールで規定されているようです。

そして、見栄えの加点ももちろんあるのですが、このジャンプなら何点、これなら何点、
と規定もされているようです。

つまり、それぞれの要素に対して、ちゃんとできれば何点、ものすごくうまくできれば何点、
失敗したら、乱れたら、見栄えが悪ければ何点、とあらかじめある程度計算できるようです。

もちろん、演技の出来栄えで大きく点が左右されますから、
プログラムを組んだ時点で勝敗が決まるわけではありませんが、
そういうルールであれば、ルールに沿って構成し挑戦するのはそれぞれの考えです。

ずっと、これだから採点競技は、、、みたいに思っていたのですが、
「ルール」という観点に立ってみればちょっと違うようにも見えてきました。

つまり、採点競技でなくても「ルール」は競技スタイルに大きい影響を与えるということ。

例えば、柔道。

日本選手は「一本」にこだわる人が多く、一本勝ちこそ柔道のような発言がよく聞かれます。
それはそれで考えとしてはよくわかりますし、一本勝ちの美しさ潔さも理解します。

でも、ルール上、「有効」や「効果」が認められていてそれが勝敗に直結するのであれば
(現在は「効果」は廃止)有効で勝つのは柔道じゃない、なんて言ってみても始まりません。
ルールを変えて、例えばタックルのような投げ技は認めないとか、
必要以上に固い襟の道着は認めない、とかは推進するべきと思います。

しかし、それはあくまで「ルール」の改定、改正、変更であって、
自分は有効なんか認めないと言ってもしょうがない。

ルールがおかしいと言うだけではなく、ルールを決める部門にも積極的に参加して
ルールを変えるための行動はとるべきだと思っていることは付け加えておきます。

野球でも、男なら直球で勝負しろ、というのは美学かもしれませんが、
変化球が許されているのに投げるなと言ってもそれは弱点を晒しているだけ。

実際、最初にカーブを投げた投手は卑怯者だとしてつまはじきにされたとも聞きます。

内角を投げさせないために(内角攻めに弱いので)インコースの球はよけない選手がいました。
そのため死球が多く選手生命にも影響したのではないかと思いますが、
ルール上はわざと投げた死球(打者に当たらないまでもそれに近い球)はもちろん禁止ですが、
打者が避けなかったり、体をボールに近づけてわざと当たるのも禁止です。
これは実際の試合で時々もめます。

今年からゴルフのアイアンの溝のルールが変わりました。

アマチュアの非公式なラウンドなら関係ないとも言えますが、
正式の大会では使えなくなったクラブがあるわけで、気に入っているからとか、
よくスピンがかかるからと言って自分はこれを使うというわけにはいきません。

道具を使う競技については細かい規定があるようです。
今回も「そり系」の競技で最低重量だか最高重量だかで失格になったチームがあったようですが、
いろいろなスポーツで使う道具類の細かい規定があります。

道具を自分にしっくりくるように改造するのは当然のように思えますが、
その範囲や程度に制限がある場合もあるし、道具類の検査も行われます。
個人持ちの道具を使わせない競技すらあります。


いずれにしても、同じルールの下で競技するのがスポーツの基本です。

ルールで許されているからと言って何をやってもいいことにはなりませんが、
ルールの範囲でいろいろと考え、工夫することは否定されるものではありません。

ただ、我々はそんなルールの細かいことまでいちいち知っているわけではないし、
選手たちがルールと技術のギリギリのところで丁々発止を重ねていることはよく知らずに
おかしいだのおかしくないだの言っているわけで、
それはそれでスポーツの楽しみ方として構わないとは思うのですが、
ちょっと考えてしまいました。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今朝の東京スカイツリー、201... | トップ | 吉田えり、アメリカ独立リーグへ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
これに関して… (KLY)
2010-02-27 11:08:48
フィギュアに関して実に面白いサイトがあるので是非読んでいただきたいです。

http://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/

もちろんキム・ヨナ選手の素晴らしい演技、真央ちゃんの歴史に残る2回の3A、どちらが良いとか悪いとかでは無いです。ただ今のフィギュアスケートのルールはまさにKGRさんが言うように柔道を観ているかのような気がしていました。
「一本勝ち=4回転や3Aのような基礎点の高い大技」という意味で。

無論勝ちに徹するならば、同じようにすれば良いし、実際4回転を捨てた安藤選手は世界選手権で勝ちました。ただスポーツにおいて客観的な判定基準とは何なのか。
それが誰の目にも明らかな部分と、あいまいな部分の程度の差というのはありますよね。
私もそんなことを考えてしまいました。
返信する
KLYさんへ (KGR)
2010-02-27 14:54:37
コメントありがとうございます。

ご紹介いただいたサイトは別の記事を既読でした。
大変興味深く、またルールというものに改めて思いを馳せた次第です。

採点競技は審判の恣意的(に見える)部分があると思えます。
それはこちらが贔屓目に見ている部分もあるでしょうし、
素人ゆえに見た目の派手さにごまかされている面もあるかもしれません。

ルールが人によって有利不利ということはあると思います。
それがその競技の現状や将来に対して不公正不公平であると思うなら、是正へ向けて動くべきでしょう。

スキーの複合やジャンプでは盛んにマスコミが言っていた(いる)と思いますが、
日本人に不利なルール改正で勝てなくなった、
日本人が強いので勝てないようにルールが変わった、
というのがあります。

愚痴るだけでは何の解決にもならないので、
自国有利に曲げろとは言いませんが、
その競技どうあるべきかをルールに反映すべきで、
そのために努力すべきです。
返信する

コメントを投稿

スポーツ」カテゴリの最新記事