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日常と好きなものと母の自宅介護の極私的記録

友愛

2017-10-20 03:33:19 | 次郎物語
母に読み聞かせてきた
「次郎物語」
が、とうとう完結した。

完結といっても
第五部を書いた後
作者の下村さんは他界されているので
未完と言われている。

あとがきには6部や7部の構想まであったそうで
次郎のその後がとても気になる。

半自伝的少年期の一部、二部、
青年期の葛藤を描く三、四部。

戦前という時代と初めての恋に
大きな挫折を経験し、
深い内省と師の導き、一生の友との出会いによって
彼がこの先の人生をどう歩んでいくのか

その微かな光明を必死でつかもうと
あがき続ける決意をして
五部は終了する。

まだ途中という気もするし、
ここから先はあなたの物語だ、、、
という作者の優しいメッセージのような気もする。


物語のラスト
次郎の日記に書かれた言葉のひとつひとつが
心に染みる。

我執と反抗から謙抑と調和へ
逃れられない運命の楔から
友愛こそが
ささやかな日常を彩り豊かにしてくれる事を
確かに実感する次郎。
新しい夢が生まれかけていると綴る。



子供だった私に
寝る前に読み聞かせてくれた母。
月日が流れ、
今度は私が母の手を握りながら
声に出して読む。


次は何を読もうか。
これもささやかな私の夢にちがいない。

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