ばぬあ通信 ―バヌアツ共和国 青年海外協力隊活動記―

青年海外協力隊としてバヌアツ共和国タンナ島で小学校教諭として2007年から2年間活動しました。未知の世界をあなたへ☆

no.11 10.26 アニワ島ホームステイ特集Vol.4

2007-10-26 22:59:34 | Weblog
=バヌアツの食事とマン アニワ=
アニワでの夕ご飯は、ラップラップかシンボローという料理がほとんどで、両方ともマニョックという芋をつかっていました。そしてどんな料理にも必ずココナッツが使われていて、お米を炊くときにもココナッツジュースを入れて炊いていました。ラップラップとシンボローの詳しい作り方はわかりませんが、両方とも芋をすりおろしたものにココナッツを加えて作ります。作ったものをバナナの葉で包んで、焼いた石を使って蒸し焼きにします。両方とも食感はモチモチしています。おいしいかと聞かれたら・・・正直、私はシンボローは得意ではありません(-_-;)シンボローはアイランドキャベツという野菜で巻いて棒状になっているのですが、アイランドキャベツは調理するとぬめりが出ます。うまく言えないのですが、シンボローの味とにおいと食感はなぜか私の食欲を奪います(+_+)しかもラップラップもシンボローも芋でできているのですぐおなかがいっぱいになってしまいます。シンボローは今はあまり好きではありませんが、すぐに慣れるでしょう(^^)郷土料理についてはきっとタンナでたくさん食べることになると思うので、またその時に詳しくお伝えしますね。アニワでは歓迎の気持ちを表してくれていたのか、食べきれないほどの食事が毎回出ます。結構がんばって食べていたのですが、きつい!!うれしいけどやっぱりきつかった!他の仲間も同じだったようです。これもバヌアツのカスタムなのでしょうか。

とにかくマン アニワは気遣いが上手。私がホームステイ先の家について最初にレオから言われたことは、「村のみんながたぶん君の事をじろじろ見ると思うけど許してね。この村にホワイトマン(バヌアツ人は西洋人のこともアジア人のこともホワイトマンと呼びます)が来ることはめずらしいことだし、子ども達はホワイトマンを見るのは初めてなんだ。ごめんね。」ということでした。いきなりこの気遣い。驚きました。私は「好きなだけ見ていいよ(^^)v」と答えました(^^)v案の定小さな子ども達は私が怖いようで物陰から見ています。私が最初に覚えたアニワ語は”mai(マイ)”「おいで」という意味です。小さな子ども達は私が”mai,mai”と言ってもしばらく見たらさーっと逃げてしまいます。村の人が小さい子を私に抱っこさせようとつれて来ようものなら大変!子どもはのけぞって泣きじゃくります!!そりゃ怖いよな・・・きっと。3日間くらいはおっかなびっくりだったけど、その後は小さい子もなついてくれました。よくよく見るとマン アニワは大人も子どももみんな男前だし、美人が多いような気が!どちらにしても、子どもがなついてくれてよかったよかった(^^ゞ

子ども達はよく手伝いをします。もちろんこの手伝いもカスタムに応じて男女で違うことをします。レオの家には12歳になるポウリンという女の子がいるのですが、私は彼女とは一緒に生活しませんでした。実はこれもカスタムなのです。アニワでは結婚して女の子が生まれたら、いくつからかはわかりませんが女の子は大きくなったらお母さんの実家で生活するのです。だからばぬあ通信no.9の写真にはポウリンが写っていません。でもポウリンは空港に私を迎えにきてくれていたので顔は分かるし、時々家の中にもいるし・・・とその話を聞くまでのしばらくの間、いったいあの子はどこの子なんだろう??と思っていました(^^ゞある日家族勢ぞろいで夕ご飯を食べました。ポウリンはお母さんの実家に戻らなくてはいけません。同じ村の中で近いとはいえ、食べ終わったあと薄暗い中「じゃあね。」とお母さんの実家へ戻っていく姿はいささか寂しそうな感じがしました。便利な機械などない世界。娘を嫁に出した家では家事などをする働き手がいなくなってしまいます。このカスタムも島でみんなが協力して幸せに暮らすための工夫なのかなと思いました。

私が驚いき感動したエピソードを一つ。
アニワに着いた最初の晩、部屋に戻るときに水をくれました。バヌアツではほとんどの場所で雨水を飲料水や生活用水として使います。そのときに一緒に食事をしていた親戚の子どもが私のために小さなペットボトルに水を入れてきてくれました。しかし、彼が私に渡すときにエレス(レオの奥さん)が彼に何かを言ってペットボトルを持っていってしまいました。私は水は貴重だからもしかして何かまずかったのかな、と思ったらなんとエレスはそのペットボトルの周りについた水滴をわざわざ拭いてきてくれたのです。子どもが進んで手伝いをすることにも感心していたのに、それに合わせてエレスの細やかな心遣い。果たして私はそこまで考えて行動できるだろうか。
私は驚きと感動でしばらく立ち尽くしてしまいました。

no.12へ続く♪

写真はココナッツを削っているところと、そのココナッツを絞って料理にいれているところ、そして近所の子ども達、慣れて抱っこされている末っ子のナラムです(^^)