もう1回やってみよう・・・

身近なことを勉強中です。

浜名湖のマクロベントス・・その3

2020-07-27 21:56:18 | 

色とりどりのダンゴムシワールドで止まっているイソコツブムシについてのその後の状況報告です。

環境省が公表している河川の水質階級4段階の内、「きたない水(水質階級3)の指標生物」と出てきます。

解説は、川の生きものを調べようの中に、「陸にいるダンゴムシに似て、体を丸めることができる。砂まじりの川底や石の間にすんでいる。水中をすばやく泳ぎまわることができる。主に海水のまじった汽水域にみられる。」だけ。

 

イソコツブムシをBISMaLで検索すると・・・

軟甲綱→真軟甲亜綱→ホンエビ上目→フクロエビ上目→等脚目→コツブムシ科→イソコツブムシ属→イソコツブムシで、イソコツブムシ属には20もの種類が出てきます。

 

同じフクロエビ上目の端脚目(ヨコエビ等)は、「ありとあらゆる」と言ってもいいくらいに多様な環境に適合しています。

 

等脚目(フナムシ→ワラジムシ→ダンゴムシ等)は、陸上に進出した甲殻類の代表的なグループと言われることからも、イソコツブムシ属に20種もあるならその中でも結構な多様性があるような気がします。

 

冷静に考えて「きたない」の指標生物はきたない水にしか棲めない訳ではないのと、今回採取したのが指標の淡水ではない汽水だったことからも、「イソコツブムシがいっぱい=きたない」ではないのでしょうが、きたない水の指標動物に指定するにはちょっと乱暴なのでは?(情報量が少なすぎる)と感じます。

たった10分程の間に水辺で拾てきた石に明らかに外見の違うイソコツブムシみたいなモノが沢山見つかったので、それなりに納得できる説明が欲しいなぁ・・・と思うのであります。

(今回観察した牡蠣殻付きの石です)

 

観察したイソコツブムシみたいなやつら・・

二枚貝貼り付きや・・

ユビナガホンヤドカリの頭部を這いまわるやつ・・

丸まろうとするところ・・

 

ちなみに今回の浜名湖は、大雨直後のせいか、水が濁り、枯草や小枝のようなゴミも多く、舐めても塩辛くなかったのですが、観察を重ねている港湾内のポツンと干潟と比較すると硫化水素系の臭いや黒いヘドロは無く、風光明媚な点からも水環境では全ての点で浜名湖の方が優れていると感じました。

(そもそも食用の漁獲高が公表されている水域ですし・・)

浜名湖の今回観察した場所から沖合を撮った写真・・

 

名古屋港内で、ポツンと干潟によく似た場所・・

 

環境省の水環境総合情報サイトによると、浜名湖内のCOD(公共用水域)は全て1.1mg/L ~ 3.0mg/Lと5段階の上から2ランク目で伊勢湾や潮岬と同じ。(名古屋港内は1ランク下の3.1mg/L ~ 5.0mg/L)

浜名湖内の海水浴場3地点の水質でも2地点はAA、残りの一つもBと、そんなに悪くなく。指標の淡水とは違う汽水だと言っても、汚い水にすむイソコツブムシがいっぱいというのを、イソコツブムシにはこんな生態があるから等の情報で補正してほしいのであります。

 

環境省は、数種類しか指定していない環境指標生物に、何故、謎だらけのイソコツブムシを入れたのでしょうか?

(間違いの指摘がされないように研究者が少ない生物を狙った?とか、上の一声で決まった・・?)

環境省の出先機関には、公開講演等でお世話になっているので、直接、聞きに行ってみようと思います。

 

このイソコツブムシですが、20種も種名があるのなら、相当な記載論文があるよなぁ・・・と、粘り強く調べてみたのですが(笑)、タナイスの角井先生のようなこれだという情報を発信されている方にはたどり着けませんでした。

そんな中、ちょっと期待したいなと感じたのが京都大学フィールド科学教育研究センターの下村 通誉先生でした。

(私では何の役にも立ちませんが・・・笑)

 

以上、本日もご覧いただきありがとうございました。

コメント (2)
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