大野威研究室ブログ

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英総選挙、保守党のリードが半減: 野党の選挙協力で保守党の過半数割れも

2019年12月08日 | 政治

 2019年12月12日(木)に英総選挙がおこなわれる。

 2週間前にはEU離脱をうったえる保守党の圧勝が予想されていたが、ここにきて保守党のリードが半減しているとする調査結果がでてきた。

 BMG調査は11月19-20日から11月11-27日にかけて保守党と労働党の支持率の差が13%から6%に半減したとする結果を公表。

 Savanta/ComResも、12月2日から7日にかけて両党の差が10%から6%に縮小したとする調査結果を公表している。

 もっとも、英国に住む人々の投票行動は予想が難しく、最近の選挙で世論調査はことごとく予想をはずしているので、この結果をどこまで信用できるかはわからない。

 実際、Opinium調査は、この1週間、両党の支持率の差が15%でほとんどかわらないとするまったくことなった調査結果を公表している。

 ところで、こうした情勢の変化をうけ野党の間で、当選できそうな野党候補に投票を集中(tactical voting)しようとする動きがはじまった。

 ガーディアン紙は、野党の選挙協力がうまくいった場合、次のような選挙結果が予想されるとしている(過半数は326)。

 保守党 309

 労働党 255

 スコットランド国民党 49

 自由民主党 14

 つまり保守党は過半数をえられないという予想である。

 実際にそうなった場合、イギリスはEUとふたたび離脱案を協議しなおし、その案のうけいれ可否を国民投票で問うという流れになりそう。

 ちなみに前回選挙後、保守党に閣外協力してきた北アイルランドの民主統一党(現8議席)は、ジョンソン首相のEU離脱案に強く反対しており、選挙後の協力は困難とみられている。

 今回の選挙も、結果がでるまでまったく予想できない展開になってきた。

 12月12日(木)の選挙結果に注目したい。

 

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