USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の大統領選挙前の批准におおきな障害があらわれている。
条約批准には米両院の賛成が必要だが、下院で過半数をにぎる民主党は批准の条件として、メキシコが労働者の権利をまもっているかチェックするためアメリカがメキシコ工場などを直接検査できる仕組みを要求。
この要求に対し、メキシコは主権の侵害であるとして強く反発している。
一方で、メキシコは、USMCAで確認された「労働者の権利拡大」などが実際におこなわれているか疑問が出された場合、その真偽を判断する仕組みとして米国、メキシコ、第3国で構成する紛争処理委員会を設置することには同意するとしている。
2019/12/11追記
ウォールストリートジャーナルによれば、下院で過半数をにぎる民主党は来週USMCAを下院で可決することに合意した。メキシコ工場への直接検査は結局、USMCAに入れられなかったが、上記の紛争処理委員会の仕組みは導入されることになった。同委員会はメキシコ工場などへの査察もおこなうことができるとされてる。これによりUSMCAの発効が事実上、確定した。
メキシコ、労働法を改正: USMCA批准のハードル取り除かれる 2019/4/21