大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

勤務評価は逆効果?

2015年04月29日 | 日記

 先日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に勤務評価は逆効果?という記事が出ていて興味深かった。

 WSJは「ギャップやアドビシステムズ、マイクロソフトといった企業では、社員同士の連携を妨げたり社員の不安を煽ったりしているとの判断から、成績評価は廃止された」と述べたうえで、インテルなどでおこなわれている成績評価をめぐる議論を詳しく紹介している。日本でも行き過ぎた成果主義の弊害が明らかになり、その見直しが進んだが、議論の内容はそれと似ている。ただデータで根拠をしっかりしめしながら議論されているのがアメリカらしいところで、これについては日本企業も見習う点がありそうだ。


船戸与一

2015年04月22日 | 日記

 船戸与一さんがお亡くなりになった。

 20年ほど前、院生だった時、船戸さんの小説にはまったことがある。当時、船戸さんの小説は読み始めると途中でやめられなくなるので「危険」といわれていたが、そのとおりだった。

 魅力はどこにあるのか?日経新聞で生前最後のインタビュー記事が載っていた。その中で、船戸さんが「辺境への関心はくせのようなもの」と語っているが、辺境、少数民族へのまなざしに船戸小説の大きな魅力があったことは確かだろう。こんな時代だからこそ、船戸さんには永く小説を書き続けて欲しいと思っていただけにとても残念です。

 ご冥福をお祈りいたします。

 


ドイツ、今年は3.5%の賃上げ

2015年04月13日 | 日記

 ドイツでは日本と同じように毎年春に賃上げ交渉がおこなわれる(隔年の場合もある)。

 ドイツでは各州ごとに企業団体と産別組合が基本となる賃金(賃上げ)を決定しており、日本に比べると大企業と中小企業の賃金格差はひじょうに小さい。

 ところで今日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、春闘の相場を決めるバーデンビュルテンベルク州で金属産業(製造業の大半を含む)の賃上げが3.4%で決着した。そしてWSJは、今年1月から8.5ユーロ(1100円:1ユーロ=130円で計算)の最低賃金が導入されたことも含め、今年のドイツの賃上げ率は平均3.5%になるとの見方を紹介している。

 さて異次元緩和の成否のかかる日本の今年の賃上げはどうなるのであろうか?春闘の結果が、中小企業、地方経済にどこまで波及するか気になるところである。

 


京都国際現代美術祭

2015年04月11日 | 日記

 3月10日から5月10日までの3か月、京都市美術館を中心に「京都国際現代美術祭」がおこなわれている。

 世界中の現代アーティストの作品をいっぺんに見られる機会とあって、見に行ってきた。

 京都市美術館ってこんなに広かった?と思うぐらいスペースが広く取られ、各地の様々な分野の現代美術が展示されている。

 これまで海外を含め数多くの現代美術館を見てきたが、今回はこれまであまり見る機会がなかったアジアや新興国の現代美術も多くみることができ刺激的だった。

 

 


イギリス、2015年の最低賃金引き上げ額

2015年04月06日 | 日記

 イギリスは毎年10月に最低賃金の引き上げを行っているが、さきごろ2015年10月の引き上げ額が決まった。

 21歳以上は6.5ポンドから6.7ポンド(約1200円:1ポンド=180円で計算)など。詳しくはこちら

 円安の進んだ今の為替レートを使うと先進主要国の最低賃金は、オーストラリアが約1500円(1オーストラリアドル=90円で計算)、フランスが1250円(1ユーロ=130円で計算)、ドイツが約1100円、カナダが約1000円(1カナダドル=95円で計算)、アメリカが870円(全国:1ドル=120円で計算)から1130円(ワシントン州)。日本の最低賃金(678円~888円)との差が開いている。格差が2倍をこえると経済的に同じレベルの国とみなすのは難しくなるように思うが、徐々にその水準に近付いているのが気がかりだ。