昨晩、菅さんの記者会見がありました。
http://www.asahi.com/politics/update/0510/TKY201105100553.html
原発に関する会見のポイントは、以下の通りです。
1 福島第一原発事故を受け、2030年までに原発が総電力に占める割合を50%以上にすることを目指した従来のエネルギー政策を見直す。
2 太陽光や風力などの再生可能エネルギーも「基幹エネルギー」に位置付け、省エネ社会の構築を推進していく。
3 原発事故は政府にも責任がある。収束まで首相の歳費を返上する。
4 原発事故調査委員会は、(1)独立性、(2)公開性、(3)包括性、が原則。
やれば出来るではないか、と思うのですが、
でも、よく考えて見ると、
1は、福島の事故があった時点で、原発で50%以上にするという目標は、絵に描いた餅になっていた訳で、今回それを追認したということ。
2は、もともと“再生可能エネルギー”が、今まで“基幹エネルギー”に位置づけられていなかったこと自体がヘンだった。(以前は、“その他”という項目に入っていたと思います)。
3は、私自身はあまり重要だと考えていません。
4は、当然のことであって、今までそれが出来ていないことがおかしかった。
と考えています。
もちろん、今回、その原則を明らかにしたということで、その意味はおおいにあったと思います。
これから、更に踏み込んで行けるといいな、と思います。
今回、浜岡原発の停止を要請し決定されたということは、いいことだと思います。
しかし、これは、原発推進派の方々にとっては、
“一番危険と言われる浜岡原発を一時停止するので、これだけ我慢すれば、安全第一というお墨付きでこれからも原発を推進していける。浜岡原発の停止期間自体も2年だし。
かえって2年止めることで、電力供給の大切さが分かり、原発にもより理解が深まるだろう”
というようにも受け取れますし、
原発反対派の方々にとっては、
“浜岡原発を全原発廃止のスタート台にして行きたい。
浜岡原発は一時停止ということになっているが、廃止の方向に持っていくのだろう。
電力不足は、節電や、他の発電手段に移行することでクリア出来る”
とも受け取れます。
菅さんの今回の発表は、そのどちらにも受け止めることが出来る内容だと思います。
今回、唐突に浜岡原発のことが出て来た最大の背景は、実は“米国から圧力を受けたから”、という話もあります。
即ち、米軍横須賀基地があるのに、そこに放射能が流れるような事態、可能性は回避して欲しいと。
浜岡原発停止の件は、日本国内では唐突であっても、米国には必ず了解を取っているのだろうなと思っていましたが、米国発ということは、さもありなん、だと思います。
米国からしてみれば、菅さんにTPPを持ちかけたのと同じような感覚だったのかも知れません。
そして、菅さんもTPPの時と同じように、急いで、発表したのではないかと思えます。
しかし、経緯はどうあれ、浜岡原発の停止及び今日の発表は、今後の進捗状況によっては大きな突破口となりうるものです。
私は、やはり発電と配電は完全に分けるべきだと思います。
電力会社1社が独占するのはなく、他の電力会社、そしてメーカーや場合によっては家庭も、余っている電気を電線を使って送ることが出来る状態に早くすべきだと思います。
こんな状況でありながら、いまだに政府よりも東京電力の方が力関係が上、というのは異常なことでしょう。
こんな状況にありながら、東京電力は、メーカーの余った電力を買うことに抵抗しているのです。
競争原理が働いて来れば、計画停電をするぞ!と言って脅かすことも出来なくなるでしょう。
その為にも、私たち国民一人一人が、どのように考えて、どのように行動していくのかということが、大切になって来るのだと思います。