"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“日本人の本性について”

2011-05-10 03:18:18 | 日記

雑誌SPA!の記者の方の記事を添付させて頂きます。

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/spa-20110330-01/1.htm

http://spa.fusosha.co.jp/feature/number00014321.php

この記者は、家族との旅行で、福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」に宿泊していました。

そして、そこで震災に遭ってしまったのです。

その時のことについて書かれた記事です。

 

“ 3月11日。運命の日。記者は福島県いわき市にある「スパリゾートハワイアンズ」で被災した。

久々にとった有休休暇。家族サービスと称し、妻と2歳10か月の息子を連れ、無料送迎バスでホテルに到着し、わずか1時間半後の震災だった。

知らない土地、さらには水着のままの避難という、非日常的な状況下での悲劇ではあったが、ここで被災したことは不幸中の幸いだったのだと、今にして思う。それも、特上の。

 まず、ここはガス、水道、電気という、いわゆるライフラインがすべて生きていた。

そのため、さまざまなメディアで報道されている被災地のように、寒さに震えたり、暗闇に怯えたりすることが一切なかった。

しかも、食料の備蓄があり、東京に帰ることになる日曜日の朝までの計5食、すべて十分な量を提供してくれた。

しかも、ビュッフェ形式で。これは、2歳児を抱える家族としては、とてもありがたいことだった。

 

 震災当日はバスが動けないことが判明したため、被災者たちは大会議室、あるいはロビーや廊下で雑魚寝となった。

眠れぬ夜が明けて、土曜日。記者は、とある従業員にふと、聞いてみた。

「このホテルのほかは、どんな状況ですか?」

 すると、彼は表情を強張らせて、静かに答えた。

「はっきり申しまして、このホテル以外は全滅です」

 聞けば、周囲一帯、すべてライフラインが止まっているとのこと。

そうか、記者たちはラッキーだったんだな、と思った数秒後、気付いた。

……じゃあ、彼らの家族は一体どうなんだ? 親戚は? 友人や恋人は? 

 

恥ずかしながら、記者はこの時まで、本当にこの瞬間まで、彼らも“被災者”であることを忘れていたのだ。

それも、我々よりもはるかに厳しい環境下にあるのだ。

恐らく、これだけ震源地に近くて、家族全員無事というのは考えにくい。

連絡が取れない、友人、知人が山ほどいるはずだ。

そして、何よりも自分自身が1秒でも早く、帰りたい場所があるだろう。

しかし、彼らはそんなことを態度にはまったく出さず、自らの職務をまっとうした。

その行為は、我々の体ではなく、心を救ってくれた。

トドメは日曜日だ。朝6時に、起床のアナウンスが流れ、朝食が始まった。

ひと段落したところで、支配人が拡声器を片手に、静かに話し始める。


「本日、皆さんを東京駅までお送りできることがわかりました」


 満場の拍手が沸き起こる。その中で、さらに支配人は続ける。

 

「昨日、弊社の従業員を実際に、東京駅に向かわせたところ、"走行可能"という判断を下しました」

その瞬間、巨大な拍手が会場を包んだ。

 

常識では考えられないほどの大きな余震が続くなか、まったく安全が担保されない道を、被災した「お客様」のために走る。

それは、命がけの行為だ。拍手で手が痛い。

ジンジンと響き、熱くなる手のひらを見つめ、記者はこのとき、拍手には大小のみならず、軽重があることを知った。

そして思う。絶望の淵にある人を、真に救うのは「情報」でも「言葉」でも、ましてや「法律」や「ルール」などではない。

「行為」だ。何をすべきかを論じているだけでは、誰一人救えないのだ。

我が身の非力さを、これほど嘆いたことはない。

 

 いつか、スパリゾートハワイアンズが営業を再開したら、また家族を連れて、遊びに行かせてもらうつもりでいる。

 それも、できれば毎年。そして、その都度、息子にこう言うつもりだ。

「このホテルで働いている人は、みんなお前の命の恩人なんだぞ」と。

そう笑って言える将来がきっと来ると、記者は強く信じている。

 彼らの、1日でも早い営業再開を心より、祈りたい。(SPA! 2011年3月30日(水)配信)”

 

海外に住んでいると、普段の何気ない買物の時含めて、日本人の「仕事に対するプロフェッショナリズム」は本当に素晴らしい、と感じることが多いです。

そして、それはなぜなのかと考えると、仕事に対するコミットメントであり、相手の心から入ったコミットメントなのだと思います。

 

ここに出てくるスタッフの方々の姿、これこそが日本の最大の財産なのだと思います。

 

日本人が、自分が日本人であることに引け目を感じること、

それは、そのほうが都合のいい人々によって、植え付けられたものに過ぎません。

 

決して本当の自分の姿ではないのです。

 

気概をもってことに臨む心意気、毅然とした、凛々しい姿、

その真の姿を、現し始めている方々が、今、たくさん出て来ています。

 

そして、その姿は、これから世界中に広がって行くのです。 

 


“浜岡原発のこと”

2011-05-10 03:00:03 | 日記

中部電力さん、浜岡原発の停止を決定しましたね。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110509/t10015779141000.html

 

一方で、菅首相は、

「(浜岡原発については)大きな地震が来る可能性が特別に高いので、特別なケースという位置づけだ」

ということで浜岡原発以外については停止を求めない、としています。

 

またそれと歩調をあわせるように、仙谷官房副長官が「原発を堅持する」と言っています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110508/t10015752071000.html

 

「特に日本海側、瀬戸内にある原発は心配ない」と言い切ってしまうところが、いかにも仙谷さんらしいと思います。(笑)

 

本当は、

「今回の事故を踏まえて、これからの日本にとって、どのようなエネルギー政策がもっとも望ましいのか、という根本的なところから検討していく。」

というような発言が欲しいところです。

 

今回の浜岡原発停止要請は、5月7日の日記にも書いたように、四面楚歌の菅政権の“点数かせぎ”という面が強かったと思いますので、やむをえないのかも知れません。

 

オバマさんが、“ビンラディン殺害”(?)で見せたような“快挙”(?)が欲しかったのだと思います。

 

だからこそ、これからは、私たち国民一人一人の考え方、そして行動が一層大事になってくるのだと思っています。

 

同時に、短期的にもまだまだ安心することは出来ないと思っています。

 

最近、福島原発については、関係機関の発表、マスコミ、そして世間での受け止め方にも安堵感が漂っているような感じがします。

実際は、とてもそんな状況ではないと思います。

むしろリスクが高まっていると思います。

 

福島原発では3号機の圧力容器の温度が急上昇しています。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110508/dst11050819580014-n1.htm

 

また、浜岡原発についても、これからすぐに停止しても、長期間の冷却が必要ですし、東海地震が起きる時のリスクは変わらず残っている訳です。

それ以外の地域含めて、何か起きたことを想定して、備えや頭の体操はしておいた方がいいと思っています。