"ちょっと外から見た日本"

今、スペインに住んでいます。
大好きな日本のこと、
外からの視点で触れて見たいと思います。

“孫正義さん 記者会見”

2011-04-23 19:38:13 | 日記
4月22日、自由報道協会主催による孫さんの記者会見の様子です。
(http://www.ustream.tv/recorded/14195781)

原発に関する草の根の活動、今、本当に大切だと思います。

一方で、草の根の活動だけでは、求心力に欠く面もあるかと思います。

そんな中、知名度が高く、実行力もある孫さんが、この件に真正面から取り組んでいらっしゃることは大変心強いことだと思います。


孫さんは、3月11日は、“エネルギー政策の歴史的な転換日”と位置づけます。

“圧力容器”という言葉、311以前は、孫さんもご存知なかったそうです。

原発には、“賛成論者でもなく、反対論者でもなかった。
電気はあって当たり前、その中に原発があることも知ってはいたが、まったく意識の外であった、恥ずかしい話”

とおっしゃっています。

即ち、私も含めた多くの日本人と同じレベルの知識と関心度だったわけです。

“この1ヶ月間で、自分なりに悩んで、考え込んだ”、とおっしゃっています。


このプレゼンは、現時点の孫さんの集大成だと言えるものです。

それまでほとんど関心のなかった孫さんが、本業の合間で、本気で勉強をすると、1ヶ月でここまでプレゼン、提言出来るまでになるのか、と驚きます。

その本気度が伝わって来ます。

100億円という多額の義捐金を発表し、また今回、“自然エネルギー財団”を設立し、そこに10億円の私財を投じることを発表しました。



大変包括的なプレゼン、その中でも、ビジネスマンの孫さんらしく“コスト”に力点を入れた内容となっています。

実は、1980年代中ごろが世界の新設原発ラッシュのピークであったことを説明します。

その後、世界全体では、新設の原発件数が減って来ているのです。


孫さんは、おっしゃいます。

“そんなイメージは全くなく、これからの電力は原発だろうと言わば洗脳されて来た”と。


“原発推進者の方々に問いかけたい”と、おっしゃいます。

“原発と同じコストの代替手段があるとして、それでも原発を選びますか?”と。

そして、実際のコスト比較をして行きます。


今まで、私たちは、原発は、最もコストがかからない発電方法だと教わってきました。

いまだに、そうしたイメージがあります。

しかし、当局が発表しているコストには、使用済み燃料の貯蔵、処理コスト等の追加コスト、

そして、事故後のコスト等を入れていないのではないか、きちんと精査して欲しい、と訴えます。


フランスでは、今、事故保険のコストを勘案するとコストを3倍にしても保険に入れない。

フィンランドでは、新設原発コストの見積もりが3500億円だったものが、1兆5000億円でも完成していない、という例を説明します。


昨年の2010年には、なんと、原発と太陽光発電のコストが逆転していることをグラフで説明します。


“知らないことはしょうがない。しかし、真実とは逆のことを言い続けている人がいる、そうした構造がある。

原発が、本当は、高くても、危険でも売り続けたい人がいる。”

“知って行動せざるは罪である。”

“なぜ、大人が20ミリ(シーベルト)の時に、小学校も同じ20ミリなのか。”

と訴えます。


そして、太陽光、風力、地熱発電等の自然エネルギーについて豊富な例を使いながら説明して行きます。

被害地域に、ソーラーパネルを敷き、風力発電機を並べ、現地の雇用を促進する“東日本ソーラーベルト構想”もとてもいいと思います。



プレゼンに続くQ&A、排他的な記者クラブに入れない、フリーの記者で結成した自由報道協会が主催する会見でもあり、

“既存の権力構造を崩すことは大変、あの手この手を使って、孫さんを貶めていくようなこともあるだろう”という記者のコメントも出ています。


今後、『本業をおざなりにして、売名に走る孫正義』、というようなキャンペーンが出てくることもあるかも知れません。

孫さんに、一体売名行為が必要でしょうか?

本業に影響を与えかも知れないほどの孫さんの熱意は一体どこから来ているのでしょうか?

この記者会見を聞いて、少し考えれば、それが孫さんのやむにやまれない気持ちからだということがわかると思います。


どこから出てくるのかわからないネガティブキャンペーン、

そんな時、孫さんを支えることが出来るのは、私たち国民だけなのです。

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