つれつれたれたれ

日常のことなどのんびり書いていきます。

4月14日のお弁当

2008-04-14 | 料理
   

4月14日のお弁当

ポテトサラダ(ジャガイモ・人参・グリーンピース・チーズ)、サラダ菜
プチトマト
小松菜の胡麻和え
林檎・苺
スイートコーンごはん(ワカメ・鮭)

忙しい蜜月旅行

2008-04-14 | 読書



本日は『忙しい蜜月旅行』を。
ドロシー・L・セイヤーズの《ピーター卿シリーズ》最後の長編です。
表紙がミステリーと思えないほど可愛いのがお気に入り


『毒を食らわば』事件でハリエットに一目ぼれしたピーター卿。
再三のプロポーズが実を結び、とうとう結婚にこぎつけた!
口煩い兄嫁や記者の目を掻い潜り向かった新婚旅行先は新妻の故郷近く。
幼い彼女が憧れていた家を買ったのだ!
だが屋敷には鍵がかかり、出迎えるはずの前主人は行方不明。
やがて前主人が遺体で見つかると、楽しいはずの蜜月旅行は犯人探しの様相を呈し・・・。


ピーター卿とハリエットをめぐる人々が書いた手紙から始まる本作は、とっても華やかな雰囲気に包まれています。
6年越しのプロポーズが実ったピーター卿は浮かれ気味。
喋りだしたら止まらない舌は益々滑らかに。暇さえあれば詩を引用し、ハリエットへの愛を歌い上げる。
愛しい新妻は余程のことがなければ止めません
超有能な執事・バンター氏は、何年も手塩にかけて立派な紳士にお育てした《閣下》の蜜月旅行を完璧なものにしたいと願っていたにもかかわらず!
やむを得ない仕儀から初夜を迎える花婿を《流し場のポンプの下で子犬さながら》ごしごしこする羽目に。
おまけに見つかった死体の探偵助手に選ばれたのは《慣れ親しんだ相棒》の自分ではなく、《閣下》の新妻!
傷ついた心を隠しつつ家庭内の凄まじいゴタゴタを片付けていたバンターは、あることをきっかけにとうとうキレテしまいます。
このバンターさん、謹厳実直従者の鏡(閣下に対しては)のような人。
あいつ(ピーター)から従撲と車と夜会服を取ったら何が残る?
といわれるほど優秀な人だけに、壊れ方に大笑い。
ですが、この話で一番引き込まれるのは、終章。
事件解決後、神経症が再発する下りです。

この部分。嫌いだという人も多いのですが、私は好き。
2人が結婚生活を続けていく上で、避けて通れない問題がピーターの神経衰弱。
辛抱しなさい。
 なにがあっても、
  わたしは彼のもとへ行ってはいけない。

とピーターを待つハリエットがいい。
ハリエットがどんな覚悟で求婚を受け入れたのかよく解る一節です。
《名門貴族》に嫁ぐ不安を表していた序章と呼応するような終章の《ピーターの家内》の覚悟。
本当に似合いの奥さんを貰ったな、ピーター
元々舞台用に書かれたこの一遍。
映像化はされていないのかな?
あれば、ぜひ見たいものです



ところで・・・ピーター卿を読むたびに思い出すのが、京極夏彦先生の《京極堂シリーズ》。
ピーター卿が《榎木津+京極堂+関口》÷3に思えてなりません。
榎木津の躁と奇矯さと軽薄さ。京極堂の溢れる知識。関口の鬱を混ぜたら《閣下》になる!というのは、少々ショックです。