民間信仰第三部 朝鮮の巫覡(ふげき) 朝鮮総督府編 国書刊行会 (復刻版) 昭和47年第一刷 平成7年第二刷 より引用 緒言 朝鮮民間信仰界に断然優勢の地位を占め、朝鮮民庶の生活に大きな働きかけをなして居るものに巫禱(引用者注:ふとう)の信仰がある。この巫禱信仰は悠久なる往昔(おうじゃく)より朝鮮文化の根幹を . . . 本文を読む
【魂魄の宰相 第二巻~第一話 「懸命に儒学は孔孟を追う」】
前書き 此の巻は、宋代の宗教論争や詩の解釈などそれらに興味ない人には退屈で、眠たくなるような文章が多く続くが、既得権を守る者の心理や手練手管を読み取り、また権力者の保身の手法も現代に置き換えて読み取れば、政治が本質的に持つ矛盾を捉えることが出来、氾濫する情報から開放されて、自分なりの定見 . . . 本文を読む
王安石は一気に答える。
「儒、道、仏の立場は其々であろうが、『人は如何に生きるか』亦『如何に生きるのが幸せか』ということを教えるものが倫理や道徳であると思う。政治は此の本筋を実践するものでなければならない。何故なら多くの民が不満を持ち一人一人が勝手に生きようとする社会では国は成り立たず、軈て彼方此方に反乱が起き、時の政権は倒れる。社会に不満が多くあれば犯罪が多発し、厭世観が広まり、世は乱れ、疲 . . . 本文を読む
【魂魄の宰相 第一巻~第一話 狢未だ虎を獲ず】 其の1
【魂魄の宰相 第一巻~第一話 狢未だ虎を獲ず】 其の2
【魂魄の宰相 第一巻~第一話 狢未だ虎を獲ず】 其の3
【魂魄の宰相 第一巻~第一話 狢未だ虎を獲ず】 其の4
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六、未だ達せず 王安石の若い頃の生活を総合して見ると、彼は濃厚な仏教の雰囲気を持つ南方で成長したのだが、幼い頃に父に連れられて禅宗の聖地の盧陵、韶州などの地を遊歴して、成長した後には仏教の中心地の金陵で五年の時を過ごしたので、仏教に依って多大な影響を受けたのは間違い無いが、生まれ育った家庭と社会環境に影響され、彼は心中で仏教を全面的に受け容れることに抵抗があり、幼少から仏教を進んで学んだ訳でも無く . . . 本文を読む
五、成長して学に勤しむ 景祐三年(1036)、王益は喪に服することを終えて、上京して報告をする。王安石は父に従って行くことに不満で大いに不機嫌であったが、離れ難い烏石の水辺から仕方無く遠い旅に出る。十六歳の王安石は京城に到着しても、中級以下の官吏の子弟の類は京城では居場所が無く、此れといった感慨も無いが、併し一生の友と成る曾鞏(1019~1083)と知り合いになれたのは、彼の此の度の旅に迚も大きな . . . 本文を読む
三、父王益奮闘する 王安石の父王益は初め建安の主簿に任官した。その後臨江軍を引き連れて、新淦県を領地し、廬陵県知事、更に移動して四川の新繁県知事と次々に転任したが、その都度民衆の政治への不満に出合った。王安石は此の時期ずっと父に従い彼方此方とついて歩いていたので、一箇所に定住することは無かった。廬陵(今日の江西吉安市)は青原行思(弘済大師)の故郷で、彼の布教は死に至るまで此の地で行われたので、此処 . . . 本文を読む