フロリダからラスベガスへ、毎年恒例の家電見本市の取材に転戦。
プレス向けの歓迎レセプション。振る舞われるパーティーフードをむさぼる太った男女に紛れて、一瞬、高い所から落ちる夢の急に足下を掬われたような喪失感に襲われる。なんで俺はここに居るんだろう。
矢継ぎ早に登場しては消えて行くモノ、モノ、モノ。辞書のように厚い説明書。悪戦苦闘している間に日々が過ぎて行く。
人間一人のキャパシティは限られていて、ひとつ新しい事を取り入れるとその分何かを失わなければならないんじゃないかと考えた事があった。
歴史の中の素晴らしい仕事たちをもはや我々が超えられそうにない様な気がするのは、一つの事に集中することが徐々により難しくなって行っているからではないのか。
ベートーベンに携帯電話の使い方を覚える必要は無かった。
いち抜けてみたいものだ。
明日の朝はジョギングをして、それから仕事をしよう。
仕事に入れば余計な事を考えているヒマは無くなるだろう。