注文していた20mmレンズが届いた。ピアニスト百々徹の鍵盤を叩く手と彼がノってきた時に和田アキ子のように「はー!」と叫ぶ顔を同じフレームに入れてみたい。ハロウィーンの群衆に紛れて頭の上から熱に浮かされた顔から湯気が上がるのを撮ってみたい・・・いや、そうじゃない、そんな写真は誰かが撮っている。そんなやり方じゃだめなんだ。
広角は好きじゃない、レンズが写真を撮るから。被写体と写真を見る人の間に何も無いのが理想だ。カメラは一台、レンズは一本、何でもいい、何を使っても結局自分自身が写るんだ。
どんなカメラを使っているのかと聞かれるような写真は撮りたくない。
などとうそぶきながら、カメラやレンズを買っては売り、売っては買い、その度に誰に聞かれもしないのに自分の中で必死に言い訳を考える。自分だから決して騙される訳もないのに。
銀塩はやっぱりいいよね。デジタルは闇が写らない。いや、ウソだ。なんでもいい。でもやっぱりローライフレックスはいい。息を飲むほどいいけど、そんな良さを喜んではいけない。美術品は他の誰かにまかせろ。オレはバカチョンでぶん殴れ。でも同じぶん殴るならバカチョンでもライカでもいいじゃないか、だったらライカの方がいいんじゃないかしら・・・。
どうせシャッターは一度に一回しか切れないんだからカメラがたくさんあっても仕方がない。持って出かけられる量も知れている。あれもこれもって訳にはいかないんだし、使ってないじゃん、あのカメラ・・・可哀想に。
ああ、トヨダヒトシは偉いなぁ。F3一台に35mm一本、カラースライドだけ、
迷いが無い。などとあれこれぐずぐず・・・。
へへへ、買え買えー!