岩切天平の甍

親愛なる友へ

拝啓、毎日新聞様

2006年07月21日 | Weblog

7/21/06 週刊金曜日投書
拝啓、毎日新聞様。
六月二三日付『毎日新聞』の「記者の目」、「イラク陸自派遣は何だったのか/間違っていなかった人道支援限定/日米同盟は優良資産だ」を拝読し、思うところがありましたので、筆を執りました。
ご一読いただければ幸いです。
日本の自衛隊イラク派遣は、大義などというものの初めから無かったアメリカの侵略戦争への同意であり、支援の一つでした(金銭的にも日本はこの侵略に大きな貢献をしています)。

  国益ということをその理由に上げる方もありますが、人命に代えてまで守るべき国益とはいかなるものであったのか、今も納得できないままです。

  本質的には、我々はすでに憲法九条を唾棄し、再び侵略戦争に加わったと言えます。

  イラクへの人道支援というのは、憲法をねじ曲げるための言い訳であり、ことさらに自衛隊員の苦労を強調するのは、センチメンタリズムによって問題の焦点をすり替えようとしているだけのように思われます。

  たとえ現地での活動に成果があったにしても、その(侵略を推進するという)全体的な意味を考えると、疑問を持たざるを得ません。自衛隊員たちもまた、政権を支持して来た我々日本国民の被害者であり、私たちは政権を支持し続けることによって、侵略を推進し、自衛隊員の手を直接汚さないですむような巧妙な方法で、イラクの人民を殺させてきました。
  
  民主主義を謳うのであれば、その責任は主権を持つ国民自身にあるという、ともすれば忘れがちで、あまりに重要な自覚を促すのがメディアの役割の一つだと考えるのですが、残念ながらそういった指摘を目にすることは少ないようです。

ご再考をお願いいたします。
敬具

最新の画像もっと見る