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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

なかなか類例を見ることができないほどの、ある意味では名文の例

2020-08-31 20:12:07 | Weblog

Web Ronza 【1】安倍政権の7年余りとは、日本史上の汚点である 私たちの再出発は、公正と正義の理念の復活なくしてあり得ない 30 Aug 2020 白井聡 京都精華大学人文学部専任講師

 開口一番「安倍政権の7年余りとは、何であったか。それは日本史上の汚点である」これである。うん、運動家が同志に向けて発する檄文としては申し分ない書き出しだ。

 個々の専門的課題は個々の専門家に任せる―というのはよいとして、引き続き第一段落には「本稿で私は、第二次安倍政権が2012年12月に発足し現在に至るまで続いたその間にずっと感じ続けてきた、自分の足許が崩れ落ちるような感覚、深い喪失感とその理由について書きたいと思う」とあり、感想文宣言キタコレ!

こんな政権が成立してしまったこと、そしてよりによってそれが日本の憲政史上最長の政権になってしまったこと、この事実が喚起する恥辱と悲しみの感覚である」いやんいやん、もう身をよじるほどに素敵な檄文調! いつかこんな文体でネタを書きたいかも!と思えるほどの典型さ。

この政権が継続することができたのは、選挙で勝ち続けたためである。直近の世論調査が示す支持率は30%を越えており、この数字は極端に低いものではない。これを大幅に下回る支持率をマークした政権は片手では数え切れないほどあった」ここらへんは「本当をつく」の非常に見事な例文。

 何を言うのか?
 だって支持率30%超えって、ここ50年ほどでいえば、非常に安定した政権としか言いようがない。20%では低いかな。10%を切ったら政権末期、退陣までカウントダウン状態(※比喩的な意味ではなく、リアルに秒数を数えてもいいかもしれないレベル)。30%ラインを割ることさえ難しい―なんていうのは超強力と評してしかるべきだろう。

 ―なので「これを大幅に下回る支持率をマークした政権は片手では数え切れないほど」というのは、文字通りには本当だが、「安倍政権以外のほぼすべてがそんな状態になってレームダックになって壊滅してますよね? 片手どころか両手両足つかわないと駄目じゃないですか?」という。

数知れない隣人たちが安倍政権を支持しているという事実、私からすれば、単に政治的に支持できないのではなく、己の知性と倫理の基準からして絶対に許容できないものを多くの隣人が支持しているという事実は、低温火傷のようにジリジリと高まる不快感を与え続けた。隣人(少なくともその30%)に対して敬意を持って暮らすことができないということがいかに不幸であるか、このことをこの7年余りで私は嫌というほど思い知らされた

 ということで、私の所にやってきていた老害は私という隣人への敬意を持つことに耐え切れなくなってあの挙に及んだわけかなあなどと思い出したりもできる、そんな素晴らしい本音ぶっちゃけ文章がこれでもかと続く。あーうんあのじーさん、『私を苦しめる30%め!』とでも思ってたんだろうな。でもぼく安倍政権を特に支持してもいないんだが。私は「ああ、支持率30%以上ありますね。こりゃあしばらく、つぶれそうもない」などと論評していたにすぎないんだけど。

 そんなこんなで、タダで〇〇派のアジびら風味を堪能できるんだから、まあそう悪いものでもない。費用対効果は高いほうだろう、なにしろ面白い。社会的効果はまあともかく。
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