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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

神様,秘書が欲しいです

2011-06-02 18:00:00 | Weblog
@0086smart ワンギャル ナイチンゲールはクリミア戦争の際に「神様は私の専属秘書ではない」と自分に言い聞かせていたという。よほど腹に据えかねるコトの連続だったんだろうなあ。 5月28日

朝日新聞 防衛大卒、任官拒否なら学費210万円徴収へ 防衛省 2011年6月1日21時0分

防衛省は、防衛大学校(神奈川県横須賀市)卒業生の任官拒否者に学費を支払わせる制度を2014年度入学の学生から実施する方針を決めた。国立大学の授業料相当額(4年間で約210万円)を念頭に検討している。同省が1日、防衛大学校改革の報告書をまとめた

 むしろ210万程度で大学たる教育が保障されるというなら多くの大学が防衛大になるべき,というレベルのお安いお得な値段。素敵なサービス価格で教育を提供する防衛大さんアゲ,とゆー流れになるはずのところだろう。

面接や体育、討論などで総合的に判断するAO入試を導入。また、理工系の人材を確保するため、高等専門学校卒業生を3学年に編入させる仕組みを早ければ13年度から始めたいという

 人材供給の多様化といった目的もあるか。

 まー育英奨学金(※年齢がバレる表現)程度の額だし,妥当なところなんじゃないですかね。旧軍士官学校が一部そうだったような,相対的貧困家庭子弟に対する教育機会提供の価値も失わない程度ですよね,これ。

読売新聞 助けたい一心、医師指示なき救命士行為を懲戒 2011年6月2日10時02分

茨城県石岡市消防本部は、勤務時間外に医師の指示を受けずに救命処置をしたとして石岡消防署に所属する救急救命士の男性消防司令(54)を5月31日付で停職6か月の懲戒処分、監督責任を問い鈴木徳松消防長、同署長ら5人を訓告処分とした。男性は同日、依願退職した

 読売はやや同情的に書いてある。

朝日新聞 持ち出した医薬品使い業務外で事故救命 2011年06月02日(茨城版)

 簡にして要を得たというべきか。

消防司令は「法律(救急救命士法)に触れることはわかっていたが、助けたい一心でやってしまった。(石岡市消防本部の医薬品は)東日本大震災の後、もしもの時のために持っていた」

 …法令違反を前提に職場の備品を常習的に持ち出してたら,そりゃあ処分対象だろう。
 勿論,監督責任も大いに問われる。

『非常事態だからいいんじゃね?』的意見が続出するだろうが,あれだ,暴発麻薬中毒者がいつ銃を乱射して罪もない民間人が犠牲になるかわからないから,いつでもそうした危険人物を『実力で阻止または排除』するため,警官ないし自衛官は常時,弾込めた拳銃ないし小銃を所持してよいわけか? アウトだろ。

『いやお前の出す例はヒトゴロシを伴う例だ。これは人命救助のため,誰も傷つけない,人道的な行為だ』とする意見もあるだろう。まあ誰にとってどのように崇高に見えるのかという問題はあるが,その崇高な目的のためなら法令違反も何もかもOKかといえば―

 ―微妙な線だろう。
 非常事態の定義を伺っていませんが,ということにもなろう。

 大震災を受けて,とあるが,今年2月にこの事件があったら,寧ろありえない状況を想定して自己正当化を図るダメ公務員扱いの可能性があったろう。
 大震災真っ最中に,とるものもとりあえず,場合によっては私服のまま職場に駆けつけ,医師の指示も医師もいないまま救命活動やりまくったら―まあ恐らく,誰もなにもみなかったことにして済ますだろう。アレはそれだけの非常事態だと,ほぼ全世界でそのように判定されるだろう。

 けど,その大震災後の茨城ですが。確率的には1000年に一度の大震災があったあとの茨城ですが。確率的には今後1000年のうちに起こり得る非常事態のために常時法令違反をしていてよいものか,ということになりますね。

 勿論,近いうちに震度6の余震が予測されるわけで,その非常事態の備えは必要なんですが,その備えがこうした形式で行われてよいかとは,問うてみるべき点かと思います。

 何にせよ,彼は緊急に救命に関わった英雄ではあって,その点,称賛を得るだろう。同時にその職務規定に不忠であった点で非難されるだろう。それらが行われたと,ただそれだけのことに過ぎない。現時点ではそうなる。

 さて,ここから新たな論点へと―新たな規則制定へと論を進めることは大いに可能である。普遍的に妥当しうる規則をね―。

 ところで読売の記事表題(及び記事内容)が「助けたい一心で」とこの規定違反の公務員に同情的である一方,朝日は「持ち出した医薬品用い業務外で」と明確に否定的であることには多少の興味がないではない。寧ろ朝日はここで”汝公務員,権力の意志に従え”というのである。”個々の国民・市民を救うためだと? いや公務員は,そのような存在であるからこそ,規定に従わねばならない”,これが朝日の主張ということになる。

 してみると―公の命令に公人は服せというなら,例の国歌関連の話でも「公の命令に服せ」というのが一貫性ある態度といえようか。ではなく,朝日は国歌国旗起立・敬礼命令に反対の立場のはずである(チェックもしない)。

 単純に「矛盾した態度である,朝日は単に無軌道な書きなぐりのものなのである」と非難するのは楽だが―そうではなく,この背後には,一定の価値判断基準が(まあそれなりに)あるはずである。そのへんを詳しく追究していってこそ,『新聞を読んだ』ことになるんだろーなーと言ってみる。

 なんかねー,毎日・茨城版が「…救命士を停職半年 救急器具持ち出し,けが人に点滴打つ」,MSN産経が「医師なしで医療行為 救命士を処分」,茨城新聞が「業務外の救命措置で消防指令停職6カ月」と,誰が・何をし・処分されたかを散文的に表題に挙げるのにくらべ,朝日と読売の感情さらけ出しっぷりがちょっと気配が違う。中のひとの(かなり個人的な? しかしそれを通した点では編集部的な?)気配がだだもれしてるわけだ。こーゆー地道な比較対象調査をするのは『新聞を読む』際に基本,前提とされることなんだが,分かってんだろうか世間様は。

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