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 「ドルアーガの塔 外伝」の冒険記が途中なのですが、いろいろと面倒くさくなったので、打ち切ることにします。いやもう、本文で碌に描写されていないことが多いので、戦闘シーンとか書くの面倒くさいんですよ。終盤はデッドエンドに至る選択が非常に多いので指栞を使いまくりましたけど、一応最後までたどり着くことはできました。

 戦闘は、バトルポイントと呼ばれる記号にランダムに割り振った数字と、体力、剣術、魔術といった能力値を組み合わせるというシステムになっています。これは理不尽さを感じさせると供に、最適解を求めるのが非常に面倒くさいので、個人的にはあまり好きなシステムではありません。
 しかし本作では少し工夫がしてあって、戦闘するか逃げるかの選択を迫るパラグラフ中に、戦闘にはどの記号を用いるかが明示してありますので、勝てない戦闘で負けることは(普通は)無く、ちゃんと逃げることができます。ゲームを進めていけばアイテムの入手によって剣術や魔術といったパラメータは増加しますので、バトルポイントによる乱数の影響は少なくなっていきます。これはなかなかいい構造だと思います。

 気になったのはデッドエンドの多さです。序盤こそ体力が増減する地点が多くて、戦闘で負ける(もっとも、戦闘で負けるようなら逃げればよいので、実際に負けることはありませんが)以外にはデッドエンドも少ないのですが、終盤はとにかく選択ミス→死亡のケースが非常に多いです。酷い場合には、遭遇したが最後、どう行動しても絶対に殺されるという敵まで存在しています。
 デッドエンドが多いこと自体は必ずしも悪いことではありませんが、階を移動するごとにリセットされる体力のパラメータの意義をなくす結果になってしまったのは、もったいなかったかもしれません。

 それから、地図と本文の描写との間の対応関係がわかりにくいのも難点です。言わずもがなの分岐(たとえば、1マス分ですぐ行き止まりになっている通路とか)などが無視されているのはいいのですが、「通路をずんずん進んでいくと」のようなはしょり方をされると、とたんに現在位置がわからなくなってしまいます。
 一番酷かったのはスタート地点なのですが、これについては具体例を見てもらいましょう。
 1階の地図はこうなっています。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/cb/fe8bb0f8d058877fdf219bbf42537eaa.jpg
 入り口は北側にあり、南と東に通路が伸びています。
 それで、入ってすぐのパラグラフ12の描写はこうです。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/63/ff28e1b82333cad8ed2f6c7cfc731878.jpg
 ね、わけわからないでしょう? 東、北、南に、イラストのような形で伸びている通路なんてありません。ここ、どこやねん、てなもんです。
 地図が参考になるケースもあるのですが、多くの場合は役に立ちませんでした。まあ、別に攻略に必須というわけでもないので、いいといえばいいのでしょうけど、もう少しなんとかして欲しかったところです。

 これ以降、ストーリーに関するネタバレが入ってきます。ご注意ください

 しかしこの外伝、ゲームとしてはともかく、設定的には非常に魅力的でした。
 まず冒険の舞台である、城塞戦車ドルアガノン。戦車の上に塔が乗っているというこのイメージはすごいです。しかし惜しいのは、ゲーム本体では塔を上っていくだけのダンジョン物だという点ですね。せっかく自由な展開が可能な外伝という立場で、しかもドルアガノンと言う魅力的な舞台を用意しているのに、ゲーム自体は原作に忠実だというのはもったいないです。
 それは後日談としてほのめかされている冒険の舞台でも同様です。背中に塔を背負ったタワー怪獣ドルアガドンや、首の部分が塔になっている石像巨人ドルナイトなど、ドルアガノン以上に魅力的なクリーチャーが用意されているのですが、しかしながら結局冒険自体は6階建ての塔になってしまっているのがなんともトホホなところではあります。真面目にドルアガドンやドルナイトで続編を出すつもりがあったのかどうかわかりませんが(多分ない)、塔をひたすら上っていく「ドルアーガの塔」の枠内から抜け出せていないんですよね。
 これなら鈴木直人のドルアーガ3部作の方がよっぽどオリジナリティを発揮できていると思います。

 そんなこんなでまとめますと、ゲーム的にはまあ中の下くらいという印象でしょうか。序盤は低難易度。終盤はデッドリーですが、比較的指栞をやりやすい構造(パラグラフがあまり発散しない)なので、その意味ではプレイしやすかったと言えるかもしれません。
 さすがに鈴木直人の作品とは比較になりませんが、リプレイに気合を入れたこともあって(息切れしたけど)それなりには楽しめました。ドルアガノンという、キラリと輝く部分も見せてくれました。傑作というほどではないにしろ、なかなか味のある作品だったと思います。

 ところで、創土社の「悪魔に魅せられし者」の発売延期記念と銘打ってプレイを始めたのですが、ぼやぼやしているうちに、もう刊行されてしまいますね。創土社のサイトによれば、発売は来年始めくらいになるそうです。


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コメント
 
 
 
お疲れ様でした~ (SEN)
2006-12-29 19:48:43
何か、せかしてしまったようで……すみません。

デッドエンド確定の場所は結構ありましたね。
一番ひどかったのは、三方どこへいっても死亡する恐怖の十字路(五階だったかな?)でしょうか。
アイテム選択式のドルアーガ戦は結構好きでした……ルート憶えちゃうと簡単に解けてしまいますが。

突拍子もないアイディアは好きなんですけどね、これ。
おっしゃる通り、城塞戦車ならではのギミックが欲しかったところです。
窓際に大砲が取り付けてあるとか、移動の関係で塔が振動するとか、外を見ると王国が蹂躙されてるとか、ちょっとした工夫で雰囲気がガラリと変わった筈なのに……パラグラフ容量の問題でしょうか。

「悪魔に魅せられし者」の時に、またお邪魔致します~。
 
 
 
Unknown (タワ・タワー)
2006-12-30 01:44:13
いえいえ、冒険記の挫折は私の集中力が足りなかっただけですので、お気になさらないでください。

ちょっと悔しいので、そのうち「ドルアーガの塔 外伝」の完全攻略をやろうかとは思っています。フロアマップとパラグラフの対応関係をちゃんと調べるとか。できるかどうかわかりませんけどね。

「悪魔に魅せられし者」は購入次第プレイしようとは思っていますけど、記事にするにしても進行状況報告だけで、冒険記の形式にはしないとおもいます。新刊だからということもありますが、それをやると今度こそ終わらなくなってしまいそうで……。
 
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