翡翠 (かわせみ)

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小わざときどき裏わざ(1) ~ 絵本修理

2018-06-30 22:47:43 | 本の修理

 

        背表紙の上部の壊れの修理

 

        絵本の背の上部がささくれています

        書架から本を抜き取る時に指をかけて引っ張るので

        子どもの本では特に多いですね

     

 

        こんな具合です

        これを外側から何か張り付けて修理するのはかなり難しいですね  

     

 

        中身(本体)はどこも損傷なくきれいなんです

     

 

       ことに背の部分が欠けてしまったりしている場合は

       思い切って手術をします

       表紙と本体をつないでいる見返しを本体から切り離します

       本体(左側)をおさえて見返し(右側)を引っ張って強制的に剥がしていきます

       (加減をしながらも けっこう力を入れてやりますー上端からやったり下端からやったり)

       見返しが離れた下から たいてい寒冷紗(網目状の布)がでてくるので

       カッターかハサミで左右に切り離します(寒冷紗の下の紙を傷つけないように)

 

     

 

       見返しと本体が分かれました

       裏表紙側の見返しも同じ作業をすると 表紙と本体が切り離されます

 

     

 

        背表紙の裏側が表れました

        だいぶ欠けているのでこの部分を継ぎ足す作業が必要です

 

     

 

       このようにささくれているだけなら

       この部分に糊を入れて固めれば済みますが

       今回は欠けているのでボール紙を継ぎ足します

 

     

 

 

        壊れた部分を切り取ってしまいました

        表側から見ると表紙に穴があいた状態になっています

 

        

 

         なので このように白い紙を表側から貼ってやります

      

 

         白い紙を表側から貼りました

      

 

 

          ボール紙で背表紙の台になる部分を継ぎ足します

  

      

 

 

          左右(実際には上下)にはみ出ている白い紙に糊(少しだけ薄くした木工用ボンド)をつけて

          表紙を包むように貼ります

      

 

 

         こんな具合になります

      

 

 

         この間に

         本体の背の部分に寒冷紗を接着しておきます(背から2.5cmほどはみでるように)

         作業の進行がスムーズにいくように 

         本体が表紙から切り離されたときにやっておくといいですね

 

      

 

 

           表紙の台(ボール紙のところ)と見返しの裏側に糊を塗って本体と表紙を合体させます

          下の図のように組み立てます

      

 

          

 

         本体を表紙でくるんだら固定して一晩おきます

      

 

 

         背が白い本ができました

      

 

      

 

          ワードで地と文字を入れ背表紙を印刷しました

      

 

         完成です

      

 

  

 

  

 

  

 

  

 

  

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