SABUROU NIKKI

大阪のとあるパイロット訓練所での訓練日記です

伊丹空港

2007年03月20日 08時29分54秒 | Weblog
3月18日
暫く丸一日の休みがなかったので今日は一日訓練は何もしませんでした
 久しぶりに伊丹空港に行ってきました
 目の前の訓練に追われていたので久しぶりに、伊丹で飛行機を眺めて初心に帰ろうと思ったからです
 
 伊丹に着くと僕の名前を呼ばれました
 ナイスエアのころの訓練仲間でA-NETで飛んでいるAさんです
 高知までOJTのフライトを終えてきたところだったそうです
 
 お互いの近況を話しました
 
 仲間が順調にエアラインパイロットになっていく姿を見ると勇気付けられます

そのあと、展望デッキで飛行機を眺めていました
 
 ナイスエアでの訓練に入る前、毎週のように名古屋空港で飛行機を眺めていたのを思い出しました
 
  本当に伊丹に行ってよかった

 

7時ショーアップ

2007年03月16日 11時15分40秒 | Weblog
3月15日
 今日は高松へナビゲーション(クロスカントリー)に行ってきました
 
 朝日航空計器課程名物「7時ショーアップ」初体験でした
 午前7時に飛行前の準備を整えて7時からブリーフィング掛かるというものです
 準備は前日から続き、朝日航空には前日の午後6時半までしかいられないので、結構体にこたえます
 スクールには泊り込みは出来ず、空港の中に入れるのは午前6時から
 当然朝5時起き
 修行僧の気分です

 ブリーフィングでは結構細かいところまで指摘されます
 特に重量計算をした書類の数字は細かい指摘があります
 
 (アメリカにいるときは試験以外計算したことがありませんでした)
 ただ、僕らが目指すエアラインの飛行機はそうした細かい計算で飛ばすため、今のうちからその考え方を身に付けろ、ということなのでしょう

 一時間ほどブリーフィングをした後、駐機場で飛行機に乗り込みます
 
 
 乗り込んでエンジンをスタートしてからも細かい指摘は続きます
 
 今日は予定した高度は雲の中で外はずっと真っ白けでした
 こういうフライトは、ヒルズボローアビエーションでSKさんとボーイングフィールドに行ったとき以来です
 
 IFRは日本もアメリカもやっていることは基本的に同じです
 細かいところは違いますが

 今乗っているバロンという飛行機は事業用で乗っていたセスナ172に比べると複雑になり、その分手順なども増えてそちらに神経を結構使います
 乗り始めたばかりの機体なのでコントロールもまだ完全にはわかっていません
 
 僕らは三人一組で行きと帰りと目的地でのアプローチの三つを持ち回りで行います
 
 今回僕は真中のアプローチでした
 レーダーベクターでILSアプローチを三回やりました
 高松に着いた直後は何とかVMC(有視界気象状態)で出来る状態でしたが僕に交代した直後から巡航高度がIMCになり、アメリカのPOP UP IFRのようにしてVFR(有視界飛行方式)とIFRを入れ替えながら飛びました
 
 飛び上がる直前、タイミングを逃して旅客機が先にクリアランスをとり飛び上がりました
 後方乱気流の関係であと3分は飛び上がれません
 機体に備え付けのタイマーで三分を測ります
 一分2000円、待ち時間だけで一万円ほどが飛んでいきます
 タクシーのように料金メーターがついていたら、訓練どころではないでしょう
 

 まだまだATCと機体のコントロールが出来ていません
 旋回するときに高度が下がってしまいます
 今日は特に旋回のときいつもより高度が落ちました
 なぜかはわかりません
 
 教官が午後4時から会議があるとのことで昼飯も取る時間が無く給油をして直ぐに八尾に帰りました

 八尾に帰ると僕も訓練仲間も疲れ果てていました

 明日はシミュレータの準備です
 本当は一日休みたいですけどね
  
 

フライト2回目

2007年03月06日 22時27分24秒 | Weblog
2月27日
 今日は2回目のフライトトレーニングです
 飛行機の基本操作を身に付けるためのローカルフライトです
 
 課題は前回のフライトで出来なかったことを出来るようにすることと、上空で片方のエンジンを完全に止めて空中で再始動することです
 
 今日は朝のうち滑走路がいつもと反対側の09(東向き)でした

 ここはランナップをするとき気を使います
 ランナップエリアから歩道や道路まで近く、プロペラ後流で石などを人や車にぶつけることがありえるからです

 ランナップを済ませると滑走路に入り離陸します
 座学で離陸時機首を左に持っていかれるので気をつける用に習っていたのですが、やはり左にぶれました
 直ぐにセンターラインに戻して加速します
 ローテーションスピードに達すると機首を引き起こします
 素直にスーッと浮いてくれました
 
 今回は一週間イメージトレーニングをする時間があったからでしょうか、一回目のフライトより大分ましに出来ました
 
 あとで聞いた話ですが、地上で見ていた訓練仲間が「上手かった」と言ってくれました
 
 とりあえずは良かった良かった

 パターンワークが終わると奈良盆地の上空に行ってエアワーク(マニューバ)の練習です
 
 まずはまっすぐ飛ばすこと
 「何だ、そんなことか」と思うかもしれませんが、これが意外に難しくかつ一番大事な科目です
 なぜかというと、ナビゲーション(クロスカントリー)では決められたルートのうえをぴったり飛ばなくてはならないからです
 また、ILSという精密誘導による着陸でも、針路と高度をずらさないようにしないと、所定のコースに乗れません
 
 それで暫く、奈良盆地でずーっとまっすぐ飛ぶ練習をしました
 
 前回は「計器飛行をするんやから」と計器ばかりみて姿勢が安定しなかったので、今回は外を見るように心がけたところ、結構上手く行ってくれました

 次に、片方のエンジンのパワーを絞って飛ぶ練習をしました
 生きているエンジンの側にラダ―を踏むのですが、結構足に力が要ります
 教官から「限界まで踏んでみろ」と言われたので踏み込んで見たのですが、意外にたくさん踏めました
 足が短いので半分くらい踏み込んだところで届かなくなりましたが
 
 その次は、じっさいに片方のエンジンを上空で停める練習です
 教官が燃料の流量を調節するミクスチャーというレバーを左だけ「0」にします
 当然エンジンは右だけ回っているので機首が左にずれようとするのを右のラダ―を踏んでこらえます
 そして「どっちのエンジンが停まったか」を判断してから(これが大変重要! 過去に生きているエンジンを止めて旅客機が墜落した例があります)止まったエンジンのスロットル、プロペラ、ミクスチャーのレバーを「カットオフ」位置にします
 
 一息つくと、チェックリストで確認
 ここまでは何とかできました
 
 次は止めたエンジンを上空で再スタートです
 座学では「チェックリストを見て実施」と習ったのでリストをみながら一つずつやっていると教官から注意されました
 やはり暗記しなくてはならんようです

 以前旅客機の機長さんから、「緊急事態だからこそ落ち着いてチェックリストを読みながら一つずつ処理するべきだ」と教わったのですけどね
 
 今の訓練は教官に言われたようにするべきなのでしょう
 エンジンを再始動すると次の人に空中で交代しました

 地上に帰ってから「飛行機のコントロールはまぁ、これくらい出来ればいい、次はナビゲーション(クロスカントリー)」と言ってもらえたのでよかったです