かわずの呟き

ヒキガエルになるかアマガエルなるか、それは定かでないが、日々思いついたことを、書きつけてみようと思う

豊かな社会を考える

2014-11-22 | 気ままなる日々の記録

最近ここで以前のように『アマゾン』で本を買うことができるようになり、、ジャンジャン購入して、乱読しています。値段は、本屋さんで買うより安い感じか、少なくとも同じくらいで確実に配送されてきますから便利です。新書版なんか、明らかに全自動で梱包されたと思われる包装で郵送されて来て郵送費は加算されません。本屋さんが受け取る手数料で郵送費が賄えるということでしょうか。

アマゾンと云えば[キンドル』のことも書かねばなりません。[キンドル』の発売元はアマゾンです。[キンドル』は幅が新書版より5ミリほど広く長さが同じく新書版より少し短いデスプレイを持つスマホのような機能を持つ端末機です。この端末機に本の全ページのコピーが電波に乗って送られてきます。読者は指を画面を滑らせてページを繰り読んでいきます。画面に親指と人差し指を付けて広げれば文字が大きくなり反対にすぼめれば、小さくなります。私は今キンドルで漱石の「心」を読んでいます。片手で持つとチョット重くなるのが難点ですが、『ペーパーレス・ブック』(紙のない本)とでも云うのでしょうか、人気のある漫画本がこれでよく売れているようです。発売元はもちろんアマゾンです。本の値段はざっと普通の本の三分の一弱でしょうか。息子が退院祝いに呉れたキンドルもやっと使いこなせるようになりました。

こんな便利な本の買い方が普及しては、本屋さんが大変です。そういえば、本屋さんが喫茶店を併設して、本の立ち読みをその喫茶店内ОKと云うお店が大繁盛とかいうニュース見ました。

 

ところで読んだ本ですが①講談社α新書、川口マーン恵美著『住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち』②集英社新書、堤未果著『沈みゆく大国アメリカ』です

①は下品でどぎついタイトルですから好みではありませんが、EUのことがよく分かりませんので読んでみようと思ったわけです。そういえば、①の帯紙には『EUは崩壊する』の文字が躍っています。アメリカ経済圏や日本経済圏に対抗するために人・もの・お金が自由に動く経済圏を創ろうとして、歴史も文化も生活習慣も異なる幾つもの国の国境を取り払って造ったのがEUです。今になって経済原理だけではいい製品は出来ないということが明らかになったということでしょうか。つまり、その仕事に関わる人々の誠実さとか几帳面さあるいは紳士としての思慮深さが社会を支えているということです。安心・安全技術力の高さを誇っていたドイツも今ではドロボーが多く粗悪品が溢れ油断も隙も許されない社会になっているようです。

例えば盗難防止のため頑丈な鉄柵で家を囲んでいたある民家がドロボーに入られお金と宝石類を沢山盗まれたそうです。警察が調べた結果、鉄柵の合鍵が使われていたことが判明。その合鍵は,5~6年前鉄柵の工事をした会社の下請け会社のどこかで鍵の型番が窃盗団に売られ、色々な書類が破棄されるのを待って窃盗団が合鍵を作り、使用した、たということのようです。ある仕事に対して下請けが下請けに出し元請け会社も全貌を掴みきれない状況の中で仕事がなされ、結果に責任なんか取れるはずもなく、警察権も他国には及ばず「捜査協力」止まり。その上地中海を越えてアフリカ方面からEUへ不法入国した労働者が街に溢れ、何でもしてすぐに逃げる。これでは治安なんか良くなるはずもない。

②『沈みゆく大国アメリカ』ですが、丁度読み終わったころ、黒人少年を射殺した警官が起訴されないことに抗議して各地で暴動が起きているというニュースが飛び込んできました。

この本は『オバマ大統領が目指した国民皆保険《オバマ・ケアと呼ばれているようです》ここでいう保険は医療保険です。日本のように健康保険証一枚で全国どこの医療機関に罹っても保険が適用されるというシステムは世界に誇る制度のようです。アメリカの医療保険は(A)、各個人が医療保険会社と契約する。(B)、会社が正社員に関して業界団体が推薦する医療保険に加入させ保険料の半分を負担する。のどれかのようです。だから低所得層で医療保険なしと云う国民が大勢います。子どもが遊んでいて骨折したというだけで高額な医療費を請求され自宅を失うというケースも多々あるようです。

 更に驚くことは、大人は 労働者を始めすべて大手銀行に口座を持っていなければなりません。給料が振り込まれ税金がその口座から引き落とされるからです。当初は税金を徴収するのに公務員を使うのではなく”民間委託”考え方で大手銀行にまかせたようです。問題は口座に残金がない場合です。このとき銀行は高金利でお金を貸し付けます。

 銀行は口座主の所有する不動産に抵当権を設定します。つまり、口座主はうっかりしているとアッという間に銀行から高金利のお金をかりたことになっているのです。医療費も口”座から引き落とされます。オバマは当初企業に全従業員の医療保険加入を義務づけようとします。

しかし共和党の猛反発や経営者協会からの反発で改正を余儀なくされパート従業員に関しては保険料を政府負担にするという改正をします。そうしたら、企業は正社員の人数を減らしパート社員を大量に増やしました。つまり、低所得者の医療費倒産を防ごうという発想はゼロです。その背景には奴隷制が見え隠れしています。そうでなくても、メキシコ方面から不法入国してきて数年おとなしくしていて新たに国籍を手に入れた闖入者の面倒をどうして富裕層が見なければならないのかと云う反発が根強く残っています。国民としての一体感が無いのです。歴史や地理的条件によるこの富裕層の貧民層に対する蔑視感はどうしようもありません。

 我が国でも高齢者が莫大な医療費を使うということが問題になっています。若い人たちの医療費負担を重くしているという問題です。我が国が誇っていた国民としての一体感や相互扶助にひびが入り始めた兆候です。適正な政治決断が求められています。ここで老人世代の意見として私見を述べれば、寿命に逆らうような延命治療はお断りするということです。完治の見込みのないがん患者に部分的な手術を繰り返し患者は苦しみ莫大な医療費を使い、寝たっきりで全身にできた床ずれの治療に悲鳴をあげながら1年長生きをして医療の勝利、保険制度の勝利、、と云えるのか。豊かさについて考えましたが。民族の歴史や国民の誠実さや政治の適格な選択等幾つもの要素がからまってじつげんされるもので昨今の我が国の政党のマニフェストのような軽薄なものではないようです。

            


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