最近向田邦子のエッセイを見つけ、アマゾンで手に入れた。
私は若いころから作者のフアンで、ほとんどのドラマを見てきた。
昨年亡くなった加藤治子さんの白い割烹着姿の母親役、田中裕子さんの長女役は雰囲気が昭和の時代にぴったりで、つつましく生活している家族の様子がほのぼのと描かれていた。
同じドラマを数回みたこともある。
ドラマ作家としてよく知っているわけだったが、エッセイはあまり知らなかった。55年第83回直木賞を受賞し、それから作家活動に入ったそうだが56年8月航空機事故で52歳の若さで急逝。本当に惜しい気がする。まだまだたくさんの作品を残してほしかった。
今回購入した「無名仮名人名簿」は文体がなじみやすく、取り上げられているテーマも懐かしく感じる。それでも作者は女学校時代を経験しているので、ときどき文中に「天の網」「唯我独尊」とか聴き慣れない言葉が出てきてビックリする。
一方で時々読む林真理子の作品は、今風と云うかモダンと云うかテーマまでもが全然違う。文体や言葉までが変化しているのである。
思うに昭和の時代はゆっくり過ぎたのに平成の時代は目まぐるしく変わるという印象を受けるのである。(E)
25日の朝焼け
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