三浦展『下流社会』(2005年、光文社新書)を読む。階層格差が広がる中、「上流社会」や「中流社会」ではなく、「下流社会」と目される階層の人々、特に焼く年層にスポットを当て分析したユニークな本。その日、その日を気楽に生きる。好きな事だけしてイキタイ。お菓子やファーストフードをよく食べる。一日中、テレビゲームやインターネットをして過ごす。そして、未婚(男性で33歳以上、女性で30歳以上)。これが、「下流社会」に属する男女のイメージである。彼らの商業はフリーターや派遣社員。パラサイトの場合も多い。この本の描く世界は、森永卓郎の『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)の世界と重なる。いや、最近になって森永卓郎は、その”年収300万円”すら、下降気味と指摘し始めている。ますます、貧富の差が激しくなったということだ。学生運動華やかなりし1970年代ごろまでなら”革命だ”と叫ぶ若者も多かったかもしれないが、いまやそんな元気はなさそうだ。なお、森永卓郎は、ビンボーを主題にした著書を連発、いまや年収3000万円以上(28ページ)というのには、恐れ入った。