NHKがウクライナのロシア領の攻撃を指して「越境攻撃」と言う度に、失笑しつつも何とかならんものかな、と思う日々です。
どうもNHKでは、ロシアがウクライナ領を攻撃すると「侵攻」だが、ウクライナ(つまりアメリカ)がロシア領を攻撃するのは「越境攻撃」と呼ぶのだそうです。また、NHKによると、75年間迫害されてきたパレスティナのハマスによる武力抵抗は「テロ」で、イスラエルがパレスティナの子供の上に爆弾の雨を降らせて無差別に虐殺するのは「自己防衛」らしいですし、ガザで選挙で民主的に選ばれた政権であるハマスは「イスラム武装組織」で、謀略を巡らせて他国の政権転覆を図り、無差別に市民を殺戮するアメリカやイスラエルはテロ組織ではなく民主主義国家らしいです。今朝はアメリカ大統領選で民主党党大会の話を日本のテレビでやっていましたが、鬱になりますな。民主党であろうが共和党であろうが、あるいはケネディであろうが、ジェノサイド支援、金持ち優遇、一般国民冷遇政策は変わらない、どの党に入れても、結局は同じ団体のプロレス興行。もっと鬱になるのは、自民党と立民の代表選。自民党も終わっていると思うが、立民はもっと終わっていますな。
さて、週末、最近のノーム チョムスキーのインタビュー映像と記事を見つけたので、リンクします。
言語学をサイエンスに変えたと言われるチョムスキーは、スカラーとして以上に、エビデンスに基づいて世界の情勢を深く洞察し、反戦運動活動を行い、95歳の今日に至るまで、人々を啓蒙し続けてきました。流石に肉体の衰えは如何ともし難いものがありますが、その言葉は、いまだに示唆に満ちています。
ここでチョムスキーは、地球を滅ぼす二つの喫緊の問題、核戦争の可能性と気候変動、について語っていますが、結局、地道な運動を通じて人類全体のawarenessを向上させるしか解決策はなさそうです。最大の問題は、これらの問題を起こしている当事者(アメリカ)のリーダーが、その深刻さを理解していないことでしょう。
「、、、 現在、世界の覇権が話題になっている。第二次世界大戦後以後はアメリカが圧倒的な世界的パワーを行使してきた。しかし今、ウクライナ紛争は世界を大きく分裂させた。EU以外のほとんどの世界は外交的解決を要求しているが、アメリカはロシアを弱体化させるために戦争を続けるつもりのようだ。
その結果、ウクライナ戦争は世界を分断した。それは一極対多極という枠組みにも表れている。例えば、戦争はEUを独立した地位から米国による強固な支配へと追いやった。ロシアにはEUに欠けている天然資源が豊富にあり、これまでEUとロシアの貿易は、「天国の結婚」と呼ばれてきたが、そのような自然な貿易関係は今や破綻している。(注:EUの鉱工業生産は過去12ヶ月で3.9%減少している。)
その結果、ウクライナ戦争は世界を分断した。それは一極対多極という枠組みにも表れている。例えば、戦争はEUを独立した地位から米国による強固な支配へと追いやった。ロシアにはEUに欠けている天然資源が豊富にあり、これまでEUとロシアの貿易は、「天国の結婚」と呼ばれてきたが、そのような自然な貿易関係は今や破綻している。(注:EUの鉱工業生産は過去12ヶ月で3.9%減少している。)
そしてウクライナ紛争は、EUの中国市場へのアクセスを遮断している。例えば、中国はドイツの工業製品にとって巨大な市場だった。一方、アメリカは世界秩序の一極的枠組みを主張しており、EUだけでなく世界をNATO体制のようなものに組み込もうとしている。アメリカの圧力の下、NATOはインド太平洋地域にまでその範囲を広げている。つまり、NATOは今や、アメリカの中国との対立にまで関与する義務を負っているのだ。
一方、世界の他の地域は、いくつかの独立した勢力圏を持つ多極化した世界を発展させようとしている。BRICS諸国であるブラジル、ロシア、インド、中国、インドネシア、南アフリカは、それぞれ独立した力の源泉を求めている。彼らは世界経済の40%を占め、アメリカの制裁やドルから独立している。
一方、世界の他の地域は、いくつかの独立した勢力圏を持つ多極化した世界を発展させようとしている。BRICS諸国であるブラジル、ロシア、インド、中国、インドネシア、南アフリカは、それぞれ独立した力の源泉を求めている。彼らは世界経済の40%を占め、アメリカの制裁やドルから独立している。
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アメリカは、中国の経済発展を阻止しようとしている。バイデン政権は、西の同盟国に対し、中国が技術開発を行うことを許可しないよう要求することで、「事実上、中国との一種の戦争を宣言」した。例えば、アメリカは他国に対し、アメリカの部品が含まれるいかなる技術も中国に利用させないよう要求している。これにはあらゆるものが含まれる。例えばオランダには、現代のハイテク経済にとって重要な半導体部品を生産する世界トップクラスのリソグラフィ産業がある。今、オランダは、中国と商売をするために(アメリカの意に反して)独立路線に移行するかどうかの決断にさらされている。サムスン、韓国、日本も同じだ。世界は当面、この枠組みに沿って分裂していく。」
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アメリカは、中国の経済発展を阻止しようとしている。バイデン政権は、西の同盟国に対し、中国が技術開発を行うことを許可しないよう要求することで、「事実上、中国との一種の戦争を宣言」した。例えば、アメリカは他国に対し、アメリカの部品が含まれるいかなる技術も中国に利用させないよう要求している。これにはあらゆるものが含まれる。例えばオランダには、現代のハイテク経済にとって重要な半導体部品を生産する世界トップクラスのリソグラフィ産業がある。今、オランダは、中国と商売をするために(アメリカの意に反して)独立路線に移行するかどうかの決断にさらされている。サムスン、韓国、日本も同じだ。世界は当面、この枠組みに沿って分裂していく。」
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問い:核戦争の脅威に関する質問 ロシアは米国とのSTART核軍備条約を停止しましたが、これは核戦争の抑制にとってどの程度重要ですか?
「非常に重要だ。最後に残された軍備管理条約である新START条約を、トランプ政権はほとんど破棄しかけた。この条約は2月に失効する予定だったが、バイデンが条約延長に間に合わせるために引き継いだ。
米国は、核戦争の脅威をいくらか緩和する体制づくりに努力してきた。私たちは核戦争についてあまりにも気軽に話しすぎている。核戦争はありえない。核戦争が起これば、私たちはおしまいだ。終末時計が真夜中まで90秒に設定されているのはそのためだ。
ところが、ジョージ・W・ブッシュに始まり、アメリカは軍備管理を解体し始めた。ブッシュはABM条約を解体した。この条約は軍備管理システムの重要な一部であり、ロシアはこれに強く反発した。トランプ政権はINF条約(1987年のレーガン=ゴルバチョフ条約)を破棄した。結果、ミサイルは現在、ロシアの国境に再び設置されている。トランプは、本気度をアピールするために、条約破棄と同時にミサイル発射を手配し、アイゼンハワーに端を発するオープンスカイ条約を破棄した。この条約は、誤解の恐れを減らすために、双方が相手の行動について情報を共有することを定めたものだ。残るは新START条約のみであったが、結局、ロシアはこれを停止した。STARTは双方の戦略兵器の数を制限している。つまり、現在、事実上、核兵器を増加させないための合意は無くなってしまったのだ。
トライデント原子力潜水艦1隻は、世界中の数百の都市を破壊することができる。これは、非常にリスキーな状況である。ロシアが停止した新START条約は、膨大な数の戦略兵器を制限するものだったからだ。INF条約、レーガン・ゴルバチョフ条約、ABM条約、オープンスターズ条約など、アメリカが解体した条約を復活させないといけない」
米国は、核戦争の脅威をいくらか緩和する体制づくりに努力してきた。私たちは核戦争についてあまりにも気軽に話しすぎている。核戦争はありえない。核戦争が起これば、私たちはおしまいだ。終末時計が真夜中まで90秒に設定されているのはそのためだ。
ところが、ジョージ・W・ブッシュに始まり、アメリカは軍備管理を解体し始めた。ブッシュはABM条約を解体した。この条約は軍備管理システムの重要な一部であり、ロシアはこれに強く反発した。トランプ政権はINF条約(1987年のレーガン=ゴルバチョフ条約)を破棄した。結果、ミサイルは現在、ロシアの国境に再び設置されている。トランプは、本気度をアピールするために、条約破棄と同時にミサイル発射を手配し、アイゼンハワーに端を発するオープンスカイ条約を破棄した。この条約は、誤解の恐れを減らすために、双方が相手の行動について情報を共有することを定めたものだ。残るは新START条約のみであったが、結局、ロシアはこれを停止した。STARTは双方の戦略兵器の数を制限している。つまり、現在、事実上、核兵器を増加させないための合意は無くなってしまったのだ。
トライデント原子力潜水艦1隻は、世界中の数百の都市を破壊することができる。これは、非常にリスキーな状況である。ロシアが停止した新START条約は、膨大な数の戦略兵器を制限するものだったからだ。INF条約、レーガン・ゴルバチョフ条約、ABM条約、オープンスターズ条約など、アメリカが解体した条約を復活させないといけない」
問い:社会は公平、繁栄、持続可能性のために変革への意志を示すでしょうか?
「それは、わからない。問題を把握し、断崖絶壁まで行進して転落するつもりはないと言えるかどうかは、国民次第だ。環境危機を見てみよう。、、、すべての人が一度に死ぬわけではないが、気候変動によって、私たちは不可逆的な転換点に達し、着実に衰退していくだろう。その深刻さを知るには、世界の特定の地域を見ればいい。
中東地域は、世界の他の地域の2倍の速さで、世界で最も急速に気温が上昇している地域のひとつである。現在の軌道で今世紀末までに予測すると、地中海の海面は約10フィート上昇する。人々が住んでいる場所の地図を見ると、筆舌に尽くしがたいものがある。東南アジアやインドの農民たちは、人口の10%未満しかエアコンを持っていない中で、気温120度(摂氏約48度)を生き延びようとしている。これによって、生活が不可能になる地域からの人々の大移動が起こるだろう。、、、核兵器の問題も環境の問題と同じだ。この2つの問題に対処しなければ、そう遠くない将来、すべてが終わる。それを止めるためには、国民が『意志を持つ』必要がある」
問い: どうすればその意志を持つことができるのでしょうか?
「隣人と話し、地域団体に参加し、活動家グループに加わり、議会に圧力をかけ、必要であれば街頭に出る。、、、人々ができることの例として、今何が起きているのか見てみよう。バイデン政権はインフレ削減法(IRA)を可決した。これはほとんど気候変動に関する法律だ。、、、しかし、IRAはバーニー・サンダースの事務所から出てきたものだ。その背景には、サンライズ運動の若者たちが積極的に組織化し、AOCもそれに加わって、法案ができたのである。しかし、共和党の反対で当初の法案はすっかり骨抜きにされた。彼ら(議員)は私利私欲のために世界を破壊しようとしているのだ。、、、、
(まとめ:ウクライナ戦争きっかけに、世界は多極支配に移る可能性がある。、、、このようなロシア対西側という一触即発のシナリオに直面する中、われわれは地球規模の気候危機に面している。核戦争の防止と気候変動への対処は喫緊の問題である)
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