百醜千拙草

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ゴグの戦乱

2024-08-06 | Weblog
この一週間もいろいろありました。
ベネズエラの大統領選。1999年からのチャベス政権は社会主義政策を取り、明確な反米姿勢で政権運営を行いましたが、それは続くMadulo政権に引き継がれました。アメリカはこの間、例によって、反米のベネズエラ政府の転覆を目論み何度かクーデターを支援したり、制裁を加えたりと干渉を加えてきました。その理由は石油です。ベネズエラは豊かな石油、鉱物資源がありますが、チャベスがベネズエラの資源はベネズエラの民衆のために使われるべきであって、アメリカ資本に搾取されるべきではないという姿勢を鮮明にしたため、アメリカは何度もベネズエラ政府転覆を試みたのです。近年、影響が大きかったのはトランプ政権下で、チャベスの後継であるマデュロを大統領と認めず、ベネズエラに対して石油取引の停止(禁輸)をおこなったため、ベネズエラ経済は大きく打撃を受け、ベネズエラの人々は困窮しました。そして、接戦だった今回のベネズエラ大統領選でも、反米路線のマデュロの再選に関して、西側メディアは例によって選挙不正だ、独裁だと批判的記事。挙句に、アメリカ国務長官のブリンケンは「対立候補の Urrutiaが正式な大統領選の勝者であるとアメリカは考えている」と公式声明を出しました。

さすがはアメリカ、他国の内政に干渉し、裏工作を行うだけでなく、表立って口を出してくるその傲慢と厚顔には呆れ返ります。ベネズエラの選挙は電子投票と紙投票の二重で行われて、その結果の整合性を確認するのだそうで、欧米や日本よりも厳密な方法で選挙は行われているそうです。マデュロは「ベネズエラの選挙結果に口を出してくる欧米諸国は、その前に自国の選挙不正についてもっと精査したほうがいい」と皮肉。その後、マデュロはBRICSへの参加意図を改めて表明、そして、イスラエルのパレスティナ虐殺を強く非難し、パレスティナとの連帯を表明しました。

もう一つの大きなニュースは、テヘランでハマスのリーダーIsmail Haniyehがイスラエルによって暗殺された事件。どうも射程数キロの短距離ミサイルを打ち込まれたようです。彼は、すでに自分の一族、子供もや孫もイスラエルに殺されています。ヒズボラ、フーチやイランは当然のこと、プーチンもイスラエルのハマスリーダーの暗殺を国際政治犯罪だと強く批判。イランは「イスラエルへの復讐はわれわれの義務である」と報復を宣言。イランではイラン-イラク戦争の時の軍歌が流されているようで、イランは全面的にイスラエル戦争へ向かっているようです。すでに、ロシアから武器を積んだ飛行機がテヘランへと飛んでいるのが確認されており、イランのイスラエルへの本格的攻撃は秒読み段階となりました。一方で、サイコパス ネタニヤフはレバノンのベイルートの住宅地を爆撃。ヒズボラも全面戦争の決意を表明し、今後は軍事施設に限定せずにイスラエルへより強力な攻撃を加えていくものと思われます。

見境なく周辺諸国を攻撃しまくるイスラエル、狂気の沙汰ですが、その意図は、ひょっとしたら、中東一帯を一旦完全に荒廃させて、その荒地にかつてからの野望であった「大イスラエル」(シナイ半島を含めむエジプトの一部、シリア、イラクとサウジアラビアの半分、ヨルダンとレバノンまで領地を拡大したユダヤ人国家 ) を創るという構想を本気で追求しようとしているのかも知れません。彼らは平和を望んでおらず、戦争の拡大と中東の荒廃を目指しているのかも知れません。そのために、イランとロシアを引き込んで、意図的に核戦争を起こし、一帯の人々を一掃した後、その土地を完全掌握するのが目的なのではないかとさえ、思います。つまり、ガザに対して行なったことを周辺に拡大し、人の住めない土地にした上で、新たに欧米資本を呼び込んで、領地を拡大するという邪悪な計画なわけですが、もし本気でこれを出口戦略として考えているならば、「愚か」という以外の言葉がありません。そして、もしイスラエルをアメリカが支援し続ける理由の一部も、新国家創設時に見込まれる莫大なビジネスのチャンスを見込んでいるのであれば、アメリカの傲慢な愚かさも病膏肓、死ななきゃ治らんと言わねばならぬでしょう。

今や雪崩をうつようにGlobal Southは、世界一強大な軍事力を持つロシアと世界一の経済力を持つ中国が主導するBRICS参加へと動いている状況です。BRICSは共同体内の通貨システムを含め、着々とインフラ整備を進めてきており、BRICS内での取引にドルを排除するようですから、アメリカが世界のヘゲモニーの頂点から転がり落ちるのも時間の問題だと思います。

さて、イスラエルに投資するアメリカの思惑は、ウクライナと基本的には共通していると思います。アメリカは、2014年のウクライナでのクーデターを支援し親ロシアであったヤヌコビッチ政権を転覆させ、EU入りを餌にゼレンスキーにロシアを挑発させ、ウクライナ人兵士を使い、ウクライナの社会を破壊しながら、勝てる見込みのない戦争をさせてきました。そして今、ウクライナは兵力も尽きかけ、国家財政も債務不履行寸前となって、破綻しつつあります。戦争の間、ウクライナに巨額に投入されたアメリカの公的資金は、結局、アメリカ軍需産業へ還流してきたわけで、これは一種のマネー ロンダリング スキームあり、ちょうど自民党が海外に金をバラ撒いては事業を日本企業に受注させるやり方と同じで、公的資金を私企業に移し替えるメカニズムです。そして、戦争の後は、ウクライナの復興をネタにもう一儲けするつもりではないでしょうか。事実、2023年の時点で、ゼレンスキーは復興資金を集める計画を世界最大の資産管理会社のBlackRockと進めようとしていました。その担保として使えるのはウクライナの天然資源でしょう。ウクライナの最大の資源はその肥沃な農業地であり、それを欧米私企業は狙っているのではないでしょうか。つまり、ウクライナを戦場にして、アメリカ軍産に資金を流し、返す刀でウクライナの土地を奪いつつ、うまくいけばロシアにダメージを与えられる、というアメリカらしい自分勝手で浅薄なスキームであろうと思われます。プーチンはそれを許すことはないでしょう。結局、この戦争は、多大な人的損失、領土の喪失、社会インフラの破壊、経済破綻を被ったウクライナの一人負けに終わることになります。

さて、秒読み段階となったイスラエル vs イランの戦争に戻ります。これは、同じ米露の戦争でもこれはウクライナのようないつものプロキシ戦争とは次元の違うものになるでしょう。かなり高い確率で核戦争となります。

前にも触れましたが、旧約聖書の預言の書、エゼキエル書には、イスラエルでの戦争と荒廃が、ゴグ マゴグの戦乱として預言されています。マゴグをロシア、ゴグをロシア軍と解釈すると、ロシアの大軍がイランやイスラムと連合軍をつくって、イスラエルに攻め込んで、イスラエルを荒廃させた後、神によって滅ぼされると解釈されます。ひょっとしたら現実になるかも知れません。

「、、、しかし主なる神は言われる、その日、すなわちゴグがイスラエルの地に攻め入る日に、わが怒りは現れる。わたしは、わがねたみと、燃えたつ怒りとをもって言う。その日には必ずイスラエルの地に、大いなる震動があり、 海の魚、空の鳥、野の獣、すべての地に這うもの、地のおもてにあるすべての人は、わが前に打ち震える。また山々はくずれ、がけは落ち、すべての石がきは地に倒れる。、、、」

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