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シリア問題のこと

2012-06-15 | Weblog

シリアでの市民虐殺の問題について、13日のNHKは、

中東のシリアで続く市民への弾圧について、国連は、アサド政権側の部隊や民兵が連れ去った子どもたちを「人間の盾」として使うなど、子どもに対する残虐な行為が繰り返されているとする報告を発表しました。

また、アサド政権の部隊が、反政府勢力のデモの弾圧に際し、子どもや女性を含め、無差別に発砲するよう指示されていたことや、兵士や民兵らが8歳から13歳までの数十人の子どもを連れ去り、車の窓の部分に座らせて反政府勢力側からの攻撃を防ぐ「人間の盾」として使ったことなどを指摘しています。
国連では「子どもたちへの残虐な行為に対して、世界が一致して抗議し、制裁などを通じて圧力を加え、弾圧を止めなければならない」と訴えています。

と国連の発表をそのまま垂れ流しています。少し前に書いた通り、BBCは捏造映像を使ってまでこの「アサド政権の市民弾圧」という話を広げようとしました。この記事も「罪のない子供を犠牲にしている」という感情的反感を煽るような内容であることからしてもコレはちょっと悪質なプロパガンダの匂いがしますね。

一方、同日のイランラジオの記事では、こうあります。

イギリスのヘイグ外務大臣が、議会で演説し、アルカイダとつながりのあるテログループがシリアで活動を行っていることを認めました。、、、イルナー通信によりますと、ヘイグ大臣は、11日月曜、シリア情勢に関する報告を提出し、「我々は、アルカイダとつながりを持つテログループが、シリア国内での攻撃を計画していると確信できる証拠を握っている」と語りました。さらに、「この攻撃は、シリアでの暴力を煽るために計画、実行されており、世界の治安に深刻な影響を及ぼしている」としました。
また、「シリアの治安が乱れてから1年3ヶ月の間に、1万5000人が死亡、8万7000人が近隣諸国に流出した。またシリア国内で住む家を失った人の数は、およそ50万人にのぼる」としました。
 テロリストは、アメリカ、イギリス、アラブ諸国・西側諸国の支援を受け、暴力やテロによって、シリアへの軍事介入と政権交代の下地を整えようとしています。こうした中、シリアの通信社によりますと、トルコ共和人民党の議員は、11日、トルコの新聞のインタビューで、「エルドアン政権は、シリアでのアメリカの秘密作戦を支援している」と語りました。
また、「テロを実行するためにトルコ国境が利用されているという情報が入っている」と述べています。

 

やっぱりね、という感じですね。

また田中宇さんの記事では、こうあります。(抜き書き)

事態をよく見ると、実はホウラで村人らを虐殺したのはシリア政府軍でなく、反政府勢力の方である可能性が高い。虐殺で殺された村人の多くは、アサド政権と同じアラウィ派イスラム教徒だった。、、、内部の団結が強いアラウィ派が、同じアラウィ派を殺すはずがない。

殺された村人は至近距離から撃たれたり、のどをナイフで掻き切られたりしている。これは、アルカイダなどサウジ系イスラム過激派が異端者を殺すときの典型的なやり方だ。虐殺の動機は、政府軍より反政府勢力の方に強い。

ドイツの主力新聞フランクフルト・アルゲマイネ・ツァイトンク紙によると、5月25日、ホウラのスンニ派地域を占領していた反政府勢力が検問所を襲撃し、政府軍と銃撃戦になった。、、、反政府勢力がアラウィ派の家を一つずつ襲撃し、中にいた家族を、女性や子供にいたるまで、至近距離から銃殺したり、のどをナイフで掻き切って殺した。

事件から何日か経って、反アサド的なアラブ諸国の出身者が多い国連の視察団がホウラ地区にやってきて現場検証した。国連視察団は、虐殺現場の近くで政府軍の砲弾の残骸を発見し、政府軍が発砲したのだから、虐殺の犯人は政府軍である可能性が高いと結論づけた。実際は、戦車砲や迫撃砲で殺されたのは、今回死んだ108人のうち、反政府勢力の兵士など20人だけで、残りは銃殺やナイフで殺されている。

シリアの反政府勢力は、米欧やサウジに支援されている。米欧やサウジが、アサド政権を転覆するため、反政府勢力を使って虐殺し、アサドに濡れ衣をかけている構図になる。米国は、イラクに大量破壊兵器の濡れ衣をかけて侵攻した。その後はイランに核兵器開発の濡れ衣をかけて経済制裁している。そして今、シリアに虐殺の濡れ衣をかけて政権転覆しようとしている。

これらの現状を見る限り、今の中東の国際政治においては、米欧よりも露中の方がまともであり、正義である。「露中のせいでシリアの問題が解決しない」と米政府は言うが、これは放火魔が「消防士がいるので家がよく燃えない」と言っているのと同じだ。

国連は、アサド政権が市民デモに不当な弾圧を加えていると主張しいるのに、イランラジオや田中さんの情報は、アメリカやイギリスの支援を受けたテロリストによるテロがシリアで起きており、政府軍はテロリストと戦っていると言っています。どちらが本当かは証拠の厚みを比べれば自明でしょう。また、アメリカやイギリスの過去の行動を知っている人なら、どちらの見解を支持するか聞くまでもありません。アルカイダはそもそも冷戦中の対ソ用のアメリカCIAの出先機関でした。アメリカはテロと戦うふりをして、その実はテロ組織を支援してきたということです。端的に言えば、アメリカのやることは世界に極めて有害なマッチポンブなのです。アメリカはイランイラク戦争時はイラクに味方しながら、イランに武器を売り、その売却益でニカラグアの反政府ゲリラ組織、コントラを支援していたような国です。ま、昔のことをいうのはキリがないので止めましょう。アメリカの中東に対する過去の行いを鑑みると、国連は単に米英のプロパガンダの拡声器として使われているだけの形骸化した組織に過ぎないようです。利用されるだけ有害かも知れません。(日本で言えば、ドジョウのようなものですね)

また、国連と人道主義を頭に飾って、シリアへの軍事介入しようとするアメリカをロシアと中国が牽制している構図になっているということですが、ロシアや中国の立場になってみれば、これは当然と言えます。プーチンが再選にあたって「強いロシア」というスローガンを上げたのは、凋落するアメリカが苦し紛れに世界大戦をしかけてくる可能性を危惧し、ロシアがその抑止力とならねばならないと考えたからなのかも知れません。事実、この数年、アメリカがイラク、リビアでやったこと、イランやシリアでやろうとしていることを見て、危機感を感じないわけがないと思います。一方、ロシアでは反プーチン運動がさかんに起きています。プーチンが「強いロシア」の実現のために国内に対してとる政策を支持しない市民は多いでしょうからこれは理解できます。一方で、反プーチン運動は、シリアのテロ組織同様、米英が一部、てこ入れしているという話を聞いたことがあります。していない筈がないでしょう。米英が中東近辺でキナ臭い事を企んでいるのは明らかなのだから、プーチンが長期的な観点から、国内問題は後回しにしても、米英の動きを牽制できる体制を整えておかねばならないと判断したであろうことは想像できます。そのロシアの「抑止力」をうざったく思うアメリカが、ロシア国内の反プーチン派に手を回して支援するのは、過去のこの国の行動パターンから考えれば当然でしょう。ただ、アメリカ戦争勢力の力は落ちてきていますし、アメリカも戦争を正面切ってやるだけの体力もありません。テロリストとプロパガンダを使ってひっかきまわし、あわよくば反米政権がコケてくれればありがたい、というレベルの卑怯なやりかたしかできないというのが、多分、実情でしょう。

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