百醜千拙草

何とかやっています

テキサスのがん研究イニシアティブ

2011-06-14 | Weblog
先週末は、「全国611全国100万人アクション」デモが、全国津々浦々148箇所で、脱原発を訴えて行われました。各地のデモは数百人から数千人の規模だったようですが、さすがにこの全国的な統一デモについては新聞も無視できずに取り上げています。神戸でのデモタイトルは「THINK FUKUSHIMA いのちを考える神戸パレード」、大阪では「原発いらん!関西行動」でした。つくばでは「原発安全ってうそだっぺよ」という横断幕を先頭にデモが行われたそうです。市民が自発的に各々の言葉で声をあげていくことが重要だと思います。政府や役人に任せておいては自分や家族の身は守れません。今日も放射線はどんどん漏れています。程度の差はあれ、日本中が放射能まみれになっていっています。その影響は数年後には、はっきり目に見えてくるでしょう。このまま放っておいたら国民はゆでガエルになってしまいます。

また悪口で悪いですが、ペテン師の空きカン、辞めると言ったくせに、また被災地の視察にのこのこ出て行ったそうで、被災民からも、のこのこやって来るヒマがあるのなら仕事をしろ、と怒られた(新聞では「励まされた」という表現)そうです。しかも、「責任をもってやって行きたい」と言ったり、「決然と生きる 菅直人」と寄せ書きしたというアホーマンスをやったりしたそうで、思わず、ちゃぶ台をひっくり返してしまいました。このウソつきの詐欺師の口をどう捻ったら「責任」とかいう言葉が出てくるのでしょう。一旦、国民の前で、辞めると言った以上、一日も早く辞めること以上の「責任」はありません。そして、地位にしがみついて、他人を陥れ、「卑怯で邪悪」と松木議員に呼ばれた空きカンのどこから「決然と生きる」などという言葉が出て来るのでしょう。こういうのを何というのか、ド厚かましいとか「病識」がないとかいうレベルではないです。死んでも治らんでしょう。また、小細工を弄する悪人という点では空きカン以上の悪徳弁護士、いよいよ空きカンがオダブツになると思ったら、今度は手のヒラを返して、空きカンの早期辞任を口にしだしました。空きカンをさっさと降ろして、次に野田氏あたりを担いで、自民党と大連立し、ちゃっかり連立内閣に残ろうというセコい腹でしょう。どうしてこういう連中はそろいもそろって、根性がここまで卑しいのか。そうは問屋が卸しません。だいたい、参院で問責を受けて官房長官を辞めさせられたクセに地震のどさくさで内閣に戻って来た不届きものです。空きカンが辞めるときは一緒に総辞職で消えてもらわねばなりません。むしろ、この狸オヤジが裏でいろいろ悪智恵を出して、小手先の謀略を弄してきたのが、諸悪の根源です。空きカンと同じ穴のムジナ、むしろ、それ以上の正犯です。直ちに消えてもらいたいと思います。

さて、話かわって、何年か前、ステムセル研究と再生医療が人々の希望を掻き立てたころ、アメリカでは州がイニシアティブを取って、研究プログラムを作ることが流行ったことがありました。最大はカリフォルニアのCalifornia Institute for Regenerative Medicine (CIRM) で、$3 billionという資金を集め、鳴り物入りで強力な研究プログラムを立ち上げました。その後の経済低迷で一時ほどの鼻息の荒さはないものの、今も活動しています。
 最近のScienceのNewsでは、それに刺激されたテキサス州が$3 billionを集めて、がん研究を促進するという話が出ていました。
 去年、科学研究に巨額の資金を投資して世界中からトップクラスの科学者を集めたシンガポールが、投資回収を目指して産業への応用性のある研究を重点的にサポートするという方針を打立てたため、基礎研究者が逃げ出しているという話がありました。そのとき、取り上げられていたのがNeal CopelandとNancy Jenkinsの元アメリカNCIの大物コンビです。シンガポールでの活動を止めて、またアメリカへ帰って来るという話だったのですが、どこに帰ってくるのだろうと思っていたら、今回のニュースで、テキサスはヒューストンのMethodoist Hospital Research Instituteからオファーを受けたという話を知りました。給料を含むパッケージは5年で$29 millionという金額です。普通サイズのグラントが5年で$1.25 millionということから考えると、いくら大物研究者のペアとは言え、破格のパッケージです。私は実はこの研究所を知りません。ヒューストンはがん研究としてはMD Andersonというトップクラスの機関がありますし、University of Texas, Rice University, Baylor collegeなどの有名大学が密集しています。そんな中で私の知らないこの研究所がこれだけのサイズのパッケージを用意できたのは、このテキサスのがん研究プログラム(Cancer Prevention and Research Institute of Texas; CRPIT)の資金が使えたからのようです。
 また、Harvard Medical/Dana Farber Cancer Institute のRon DePinhoがMD Andersonの所長になるという話、他にも、Johns HopkinsのJoshua Mendellや、ミシガンのステムセル研究者、Sean Morrisonなど、がん研究は素人の私でも知っているような有名人がこの金に向かって移動するようです。
 アメリカ第4の都会とは言え、ヒューストンは亜熱帯で大変蒸し暑く、気候的には住みたくないような土地です。年中爽やかで過ごしやすい西海岸のサンディエゴから移ってくるHerbert Levineは「気候よりも研究の方が優先だ」と言っています。研究とは即ち「金」のことで、研究資金というのは研究者にとっては,本当に馬の鼻面にぶら下げられたニンジンなのだなあ、と思います。おそらく誰でも金が足りなくてやりたい研究ができなくて悔しい思いをしたことがあるのだろうと思うので、研究資金をポンと積まれると目がドルマークになる気持ちはよく分かります。というわけで、金に向かって移動する研究者の(研究者に限りませんけど)「走金性」のため、今後はテキサスががん研究のメッカになるのかも知れません。もちろん、金の切れ目が縁の切れ目ですが。
コメント
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