ギリギリ探偵白書・80


 ギリギリ探偵白書
 「ラジカセ・第1話」




その依頼は、知り合いの法律家とのランチから始まった。

私は時折、高級そうなホテルのラウンジやランチなどに行く事がある。

その時も渋谷にあるブレンド(コーヒー)が千円以上する喫茶で
「ある方」とランチをしていた。

そして、彼がある女性をつれてきた。
同行していた田中が飛びつくように挨拶をした・・・。


田中   「調査主任の田中です!!」

(お前は獣か・・・)

話を聞くと、電話による監視を受けていると言う。


女性   「家に帰ると、電話が鳴るんです。以前も別の調査の人に
      頼んだのですが、24時間ガードするとか言われて・・」

阿部   「すみません、調査に必要なことを教えて下さい」

女性   「あっ、すみません。結局、わかりませんでした」

阿部   「部屋に帰ると、すぐに電話が鳴るんですね?」

女性   「はい」

阿部   「盗聴器の発見はやりましたか?」

女性   「はい、でも見つかりませんでした」

田中   「電話ですよね、どんなことを聞かれちゃうんですか?」

女性   「え~と、服の色とか食べた物、部屋の様子とか・・・」

田中   「前の彼氏じゃないですか?」

阿部   「決め付けはイカン!!選択肢が狭まるからな」

女性   「どうすればいいのですか?」

田中   「お任せ下さい!!」

阿部   「依頼するか、逃げるように引っ越すか・・・
      冷たいようですが、あなた自身が決めることです」

田中   「代表、冷たいですよ。
      こんなに困っているじゃないですか!!」

阿部   「・・・依頼するのなら、このデブオが担当者になります。
      あっ、ご安心を、貞操帯をつけますから」

女性   「貞操帯?えっ?・・・」

田中   「信用ないなぁ。僕はいつだって紳士ですよ」

阿部   「今の会話、全部録音してんぞ。彼女の住所って・・・」

田中   「待ったぁ!!!代表、いくら欲しいんですか?・・・」

阿部   「えっと、確か・・・」

田中   「勘弁して下さいよ・・・。冗談ですから・・・。
      ホントニ・・・」

女性   「依頼します」

田中   「やったぁ!!」

阿部   「おい!!」


その日の内に、田中は盗聴機器の発見機材をもって、女性の家を調べた。

そして、調査から1時間後、田中から電話がかかってきた。


田中   「瞬間なんですよ。電波が出るのが・・・」

阿部   「間隔は?」

田中   「5分ぐらいです。で、どうも高周波ですね・・」

阿部   「盗撮機か?」

田中   「わかりません。
      しかし、受信できそうな範囲には不審者はいません」

阿部   「なるほどな・・」


盗聴器や盗撮機器には、ある一定の条件がある。
そして、その条件はそうした機器には絶対不可欠なものである。

私は田中の報告からいくつかの特徴を整理してみた。
まず、一定間隔の電波発信反応で、高周波。
被害ケースから言うと、部屋の様子を詳細に言ってくる。

・・・・・
  ・・・・・・・

携帯電話か?




        続く



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 ギリギリ探偵白書は、過去に行った調査を本人了承のもと掲載しています。
 尚、調査時期や調査対象者・ご依頼者様の個人情報は本人様の請求以外は開示いたしません。
 また、同作品に登場する人物名は全て仮名です。


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