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お盆のうちに書きたかった。明けてしまったけれど、だいたい今の時期。
恩田陸さんの「七月に流れる花/八月は冷たい城」を読んだ。
2つの物語が収録された短編集。2つのお話は時期が重なっていて、登場人物も一部重なる。
ハードカバーのときは2冊で出たようだけど、この2つで一つの長編小説ともいえる。
「夏の城」に夏休みの間滞在する中学生たちの話です。
「七月に流れる花」と女の子たちの話、一方、「八月は冷たい城」は男の子たちの話。
夏の城への案内人は、夏の人と呼ばれる、緑色の不思議な生き物。
ちょっとグロテスクで、人には見えないようなルックスだが、なぜか街では自然に受け入れられている。
なぜなのか…。
病気の結果ではあるけれど、人間だから。
知っていても読みごたえある小説だとおもうので、書きます。このあと、内容に触れます。
ので、知らないほうがよいという方は読まないでください。
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世の中には、病気になると「夏の人」になってしまうという奇病がある。
正確に言うと、「夏の人」に変態できるのはごく限られた人で、ほとんどの人は死んでしまう。
登場人物たちの街には、なぜかその奇病にかかった家族が多く住んでいる。
一度奇病にかかると入院が必要になる。そして死期が迫ったとき、
その子どもたちが、夏の城に招待されるというのが物語の世界です。
対面すると感染してしまうこともあり、仕掛けがほどこされている。
ちょっと奇天烈な世界設定だけれど、私たち自身の人生について考えたときも、
自分についても家族についても、死はとても個人的なことで、そしてすべてを凌駕する。
だからこの世界観は響くし、少なくともわたしにとってはとても響いた。
恩田陸さんの代表作であろう「蜜蜂の遠来」や「夜のピクニック」をイメージすると
ちょっと違うお話かもしれない。
けれどもわたしにとってはもう一度読みたい小説のひとつになったのでした。
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どうもありがとうございました。
今日もあなたにとってよい日でありますように。
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