Welcome to TANN'S_blog(中島富男)

好き勝手なことを言ってるだけです。パンの記事は全て移設しました:http://pane.piazza.link

国破れて山河あり。 堤防は,蟻の一穴からも決壊する。

2014-07-04 00:56:57 | 税金・納税者
別に古くさい,漢語をもちだそうと言うのではない。

日本史を振り返れば,古事記・日本書紀の成立した律令制度の前は,豪族分権社会。律令制度により,中央集権。律令制度が壊れて,再度,分権社会。
鎌倉幕府が成立して,朝廷から武家に政権が移って,中央集権。元寇のあと,混乱して,室町幕府で,一旦落ち着くが,戦国時代は,分権社会どころか,下克上。

徳川は結局.中央集権と地方分権を両立させる。

『日本国』と言う定義がはっきりとしたのは,恐らく,大日本国憲法制定後であろう。それまでは,どこどこの藩の出だったと思う。

twitterで憲法解釈変更を支持すると言う人と数名やり取りをしたが,支持する人たちは,『日本国』を守らないといけないと言う使命感があるようだ。

一方,憲法解釈変更に反対する人たちは,日本国憲法の『平和主義』が無くなるのではないかという,懸念である。これは,ある意味,『国』より,日本国憲法の『国民主権』と『基本的人権の尊重』も,憲法解釈変更により,時の政権により,制限されてしまうのではないかと言う心配のように思う.私も後者である。

その理由は,解釈や制度と言うものは,初期は必ず「善意」から始まる。決して,悪意からは始まらない。しかし,一度,前例を作ると,それを根拠に,『拡大解釈』や『モラルハザード』が起きる。

身近な例は,今の日本の「特例国債=赤字国債」の毎年の発行である。特例国債とは,まさしく,特例であり,本来,法律違反(いまは合法)であったものを,前例にならって,毎年,特措法を作って,発行し続けた。最初はあくまで,一回限りと思ったものが,『前例』があるのだからなと,なし崩し的に,恒常化したのが,今の日本国財政である。

国の財政は,『働けど働けど,我が暮らしに楽にならざり』なのである。

よって,文書を読んで,文言通りに解釈できない,『屁理屈』を一度前例として,作ってしまうと,日本国憲法の全ての条文が,いずれ,解釈変更の対象になり得る。

と,すると,平和主義と並ぶ,『国民主権』や『基本的人権の尊重』の大原則も将来制限されるないとも限らない。今の政権は,そこまでの責任を負うことは出来ない.だから,『蟻の一穴』たりとも,『定められた手続き』を経ずして,変えてはいけないのである。それが,ルールと言うものである。

ワールドカップの決勝トーナメントの最中であるが,予選リーグの第一試合で,日本のレフリーがさばいた試合が,その後のゲームのレフリーの基準となった。一度決めたルールは,正規の手続きを踏まずに変えてはいけない。それが,総理大臣自らが言う,『法の支配』である。

少なくとも,古代ローマの初代皇帝オクタビアヌスは,自身が定めた姦通罪に違反したとして,自身の娘のユリアを流罪にしている。為政者は,法を守る見本なのだから,誰よりも,法の執行に対して,公正であるべきである。それを,曲げるのが,7月1日の,9条の解釈変更である。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿