春日の一言主神社で虫のいいお願いをして、先を急ぐと茅ぶきの茶店があった。急な石段を上り、三笠山麓町で商売っ気のない爺さんから奉仕品の鹿革財布を購入。土産物屋の前では荒い鼻息の鹿が角を突き合わせて喧嘩をしており、ポンポンという音が聞こえた。


手向山八幡宮宝庫(校倉造)を通り過ぎ、坂を下った。すると広大な東大寺が目に入ってきた。中門(ちゅうもん)の柵の間にカメラを入れて大仏殿を撮影。大仏を見るのは止めてどでかい南大門を抜けた。


鹿のひった汚物に気をつけながら、いかにも不味そうな露店の並ぶ道を足早に進んだ。奈良駅に着いた時には汗びっしょりだった。大阪行きの大和路快速には何とか間に合って、胸をなでおろした。

