酒飲みには二通りある。ほとんど肴を必要としない人と、造りや煮物を食べながら飲みたい人に分かれる。私は後者に属する。
料理がメインで酒は脇だ。外でぱっと飲んで帰る時でもアテを数品は頼む。ただし、量よりも質を大切にしたい。そしてリーズナブルなことを第一条件とする。
一般人はグルメガイドの☆を参考にして出掛けて行くようだが、店の予備知識はゼロの方が楽しめると思う。多少の緊張感も味のうちだ。自分の目、耳、舌で店を評価できるようになるには場数を踏むしかない。
私は料理と同じ位、店の立地条件と客層を見る。接客はできて当たり前、この点では(価格の違いはあれども)料亭、割烹、居酒屋、一膳飯屋も全く同じ土俵だ。
どれほど立派な構えをしていても烏が飛び回るような店は☆などつけられる訳がなく×××(三重バツ)なのである。黒砂糖の城で食べる料理ほど不味いものはない。
料理がメインで酒は脇だ。外でぱっと飲んで帰る時でもアテを数品は頼む。ただし、量よりも質を大切にしたい。そしてリーズナブルなことを第一条件とする。
一般人はグルメガイドの☆を参考にして出掛けて行くようだが、店の予備知識はゼロの方が楽しめると思う。多少の緊張感も味のうちだ。自分の目、耳、舌で店を評価できるようになるには場数を踏むしかない。
私は料理と同じ位、店の立地条件と客層を見る。接客はできて当たり前、この点では(価格の違いはあれども)料亭、割烹、居酒屋、一膳飯屋も全く同じ土俵だ。
どれほど立派な構えをしていても烏が飛び回るような店は☆などつけられる訳がなく×××(三重バツ)なのである。黒砂糖の城で食べる料理ほど不味いものはない。

昨晩の続き。
一通り食べて満腹になった私。親父は「何か食べるか」と聞いてきた。「フグ刺しもええよ。肝つきやからなw」と言われたので最後に一品頼むことにした。
「フグの野菜とじにしますわ」
「ほう。そうきたかw」
野菜とじは小フグの汁物だった。昆布だしでフグと豆腐と野菜(白菜、しめじ)を炊いて仕上げに少量の溶き卵を加えていた。自然で奥深い旨みにいたく感動した。
「これは本当においしいですね」
「そやろ。フグの肝を炊いただしを入れとるから旨いはず。毒がようきいとるからなw」
肝を普通に出すのは大分の別府だけかと思っていたが、他県にもあったのだ。毒がきいているというのはもちろんジョークである。フグのだしのすばらしさを親父が伝えたかっただけだろう(笑)
一通り食べて満腹になった私。親父は「何か食べるか」と聞いてきた。「フグ刺しもええよ。肝つきやからなw」と言われたので最後に一品頼むことにした。
「フグの野菜とじにしますわ」
「ほう。そうきたかw」
野菜とじは小フグの汁物だった。昆布だしでフグと豆腐と野菜(白菜、しめじ)を炊いて仕上げに少量の溶き卵を加えていた。自然で奥深い旨みにいたく感動した。
「これは本当においしいですね」
「そやろ。フグの肝を炊いただしを入れとるから旨いはず。毒がようきいとるからなw」
肝を普通に出すのは大分の別府だけかと思っていたが、他県にもあったのだ。毒がきいているというのはもちろんジョークである。フグのだしのすばらしさを親父が伝えたかっただけだろう(笑)

割烹や料亭のカウンターで「あの店は全然ダメだ」とか「食べ方は……の順が正しい」と好き勝手なことを言うおっつぁんがいる。団塊からポスト団塊にこの種の輩は多い。
「東京にはうまいものがない」とどうして言い切れるのか。関東で暮らしたこともない真の田舎者に(笑)。「その土地の悪口を言うにはそこで三年以上生活してからにしろ」と忠告すると、大概おっつぁんは金玉を蹴り上げられた犬のような顔つきになる。
瀬戸内の料理人が「鮮度」「産地」「価格」を嬉しげに自慢するのに対して、東京の職人は冷ややかな笑いを浮かべる。「品の無さ」「視野の狭さ」を小馬鹿にしているだけではない。
「江戸村の猿に包丁を握らせて刺身を盛らせても同じってことじゃねえか」と実際に聞かされたことがあった。私は酒を噴き出して、しばらく笑いが止まらなかった。饒舌は田分けに等しいということを「大東京」で教わったのである。
「東京にはうまいものがない」とどうして言い切れるのか。関東で暮らしたこともない真の田舎者に(笑)。「その土地の悪口を言うにはそこで三年以上生活してからにしろ」と忠告すると、大概おっつぁんは金玉を蹴り上げられた犬のような顔つきになる。
瀬戸内の料理人が「鮮度」「産地」「価格」を嬉しげに自慢するのに対して、東京の職人は冷ややかな笑いを浮かべる。「品の無さ」「視野の狭さ」を小馬鹿にしているだけではない。
「江戸村の猿に包丁を握らせて刺身を盛らせても同じってことじゃねえか」と実際に聞かされたことがあった。私は酒を噴き出して、しばらく笑いが止まらなかった。饒舌は田分けに等しいということを「大東京」で教わったのである。

京橋駅から辿り着くまでに二度道を尋ねた。マグロを安く食わせる立ち飲み屋である。17時過ぎ、既に何人か待っていた。
テーブルの奥に陣取り、コースを頼んだ。トロか赤身を選ぶシステムらしい。壜ビールとコップは客自身が取りに行く。


私は連れにつめた指の移動ネタ(タモリが地下鉄でやって客の反応を楽しんだ話)を披露して、ビールをあおっていた。
隣で愉快に飲んでいたファミリーが親しげに話しかけてきた。大阪ではよくある風景なのだが、しまった、と思った。「その筋の人」であることがピンときたからである。別にイチャモンをつけられなかったので、美味しいフグの店の話などをして盛り上がった。

角刈りの長身の男は最後までズボンから右手を出さなかった。連れは帰り際に「あの人、えんこ飛ばしとったわ」と引き攣った表情で語った。
「お前、気づかへんかったんか。まだまだやのぅ」
老若男女、堅気と極道が一堂に会する店、東京にはない魅力だ。ちなみに後ろ側は墓地である(笑)
