シルバーシートに座ったオバサンと目があった。僕の方を見つめていたのは間違いない。でも、なーんも嬉しくない。しばらくすると何気にまた目が合った。こんどは、僕の顔と股間部分を交互に見やっているのに気づく。
電車のドアに寄り添って移動する景色を眺めていた僕は、なんでや? という顔になる。
そこで、ちょっといやな予感がする。
電車に乗る前の行動を頭の中に描く。
改札を通過し、駅のトイレを利用した。そして、最後に、、、、、、ちゃんと、、、、、、? 思考と同時に、自然と手がいった。「あ」と、小さくつぶやく。
何事もなかったかのように視線を遠くに据え、ふーと息を吐く。そして、そーっとチャックを締め安堵する。
解決して赤面しなかったのは、オバサンだったからだろう。もし、美人の女性だったら? いや、それより僕のほうを見ていないか? ん? いずれにせよオバサンに感謝!! だな。