TamonTokyo - 多聞 ブログ

少年サッカーから私立中学受験、そして中高一貫校の生活などを書いていきます。

通うに値しないと言われた 東農大一中の魅力を 考え直す

2009-06-23 | 駆け込み受験・中学受験
高校受験専門 大泉英数研究室 という塾の公式サイトに相互リンクされているブログ「高校受験専門塾・野人博士のボヤッキー」で気になる記事を見つけました。
検証 通うに値するのか?  東農大一                    今日のベーシック数学
という記事とその一連の記事テーマ、通うに値する私立中学は存在するのか? の記事です。長いのですけど、元記事が消えたり変わったりする可能性もあるので長めに引用しておきます。


東農大一中の偏差値は日能研で56・59(男・女)、東農大一高の偏差値は駿台で44・45(男・女)です。

数値を出す前に東農大一がどの格付けにあたるか想像してみて下さい。

合格実績算出式についてはこちら

(中略)
X            2(%)未満

では、算出してみましょう。

S=416, G=0 ですので、

W=0(%)

って、東京農業大学第一中高等学校の格付けは X ということになります。

X ・・・考慮の意味なし。中学受験の勉強を何もせずに公立中学に入学した生徒達の大学受験結果と大差ないということを肝に銘じるべき。

あまりにひどすぎてコメントの仕様がありません・・・

公立中学に入学した生徒達の大学受験結果と大差ないというより、負けているでしょう・・・

日能研で偏差値56・59(男・女)もあってこの学校を選ぶ意味が分かりません。

東京農業大学の内部進学狙いなのでしょうか??

理解不能です。

東農大一以外にも中学入試の偏差値より高校入試の偏差値の方がかなり低い学校がありますが、このような私立中学は何のために存在しているのか不思議になります。

小学生の時から受験勉強をしている生徒だけの集団(中学受験組)の中での偏差値の方が、中学受験組が抜けた後の中学生の集団(高校受験をするのはほぼ全員)の中での偏差値よりも低くなるのが当たり前だと思うのですが・・・

高い授業料を払って3年間通っても、普通に公立中学に通っていた生徒の学力に敵わなくなるというのでは意味不明です。

中学受験をさせたから、希望の学校でなくても、とにかく受かった学校に通わせるという保護者が多いように思います。

子供にとって私立中学に通うことが本当に良い結果に結びつくのかを熟慮していただきたいものです。

保護者の見栄やプライドで子供を私立中学に入学させるのだけはやめていただきたいと思います。

この野人博士は、難関国立大学・医学部(東大、京大、一橋、東工大、国立医学部)のみなし現役合格者比率で独自の指標を作られて、AAAからXまで格付けされています。

大学合格実績だけで通うに値する私立中学が検証できるのか?納得いかないのですが、公立中学と比べて学費がかかる私立中学は、国立大学の進学実績を出せないと存在意義が無いというお考えのようです。

そういう考えはあっても不思議ではないですが、東京農業大学第一高等学校中等部についての分析には致命的な問題があります。

高校卒業者をまだ出していないのに、東京農業大学第一高等学校中等部の存在意義を東京農大第一高の進学実績で論じている

のです。掲示板のコメント欄でも指摘したのですが、無視されてしまったので、繰り返し指摘しておきます。

2005 年に中高一貫高に変わってまだ途上で、卒業生を2009年段階で出していないのです。今の卒業生は、中高一貫で進学校化する前の、東京農大付属という位置 づけの高校に3年間だけ通われた卒業生です。しかも、進学校として生まれ変わる前の付属校という位置づけの学校の実績です。
> X ・・・考慮の意味なし。中学受験の勉強を何もせずに公立中学に入学した生徒達
> の大学受験結果と大差ないということを肝に銘じるべき。

とか言われても、中学受験した生徒の実績じゃないのに勝手に誤解されているだけであり、ちょっとあまりに誤解も甚だしいと思いました。

また、
> 東農大一以外にも中学入試の偏差値より高校入試の偏差値の方がかなり低い学校があ
> りますが、このような私立中学は何のために存在しているのか不思議になります。
と言われていますが、そこは、中高一貫高で学ぶことに価値を見出して人気が集まっているという状況を理解されていないのか、あえて無視されているから、存在意義が不思議 とおっしゃっているようです。

高校受験専門塾だから、中学受験の意義を貶めたいという意図は分かりますけどあまりに見え透いた強弁、論理の飛躍は書き手の 論性を疑われるもとなので、もう少し、冷静に書かれた方がいいように思いました。

そして、最後に次の投稿で論じたい点を紹介しておきます。

こ の野人博士は、都立西校、都立日比谷、県立浦和の現役での難関国公立進学比率を基準に、その水準を大幅に超えないと、私立中高一貫高の学費を払う異議が無 いと論じられています。私も都立西と中高一貫校の進学実績を見比べながら、どっちがいいのか、考えたので、黙っていられないのですが、それは非常に複雑 で、一概には言えないということです。

野人博士が、指標とされている、現役での東大、京大、一橋、東工大、国立医学部の合格数率は、 東大志願比率が低いほど上がりやすい側面もあります。都立の重点校が、一橋、東工大の合格者数を増やすことを目標に指導されていると聞くこともあり、都立 西や日比谷に有利な指標を恣意的に選ばれているのじゃないか? という疑念がぬぐえません。

また、学費についてのご自身の価値観を普遍的なデータであるかのように基準にされているのも問題です。世の中にはそれほど学費を痛手と思わない家庭もあります。また、付属から慶應義塾大学の人脈を築きつつ、育てる方がいい という家庭もあるでしょう。

東大合格者数だけじゃよくないという意見も分かるのですけど、誘導したい、都立高校受験に有利な指標を恣意的に使って論理を摩り替えているのじゃないか? という疑問は大いに残ります。

そして、駆け込み受検で結局中高一貫高に進めてどうだったのか?都立高校受験でやり直すという選択肢の価値はどの程度あるのかをしばらく考えてみます。

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験へ にほんブログ村 教育ブログ 中高一貫教育へ ←「ブログ村」参加しています。投票お願いします。