前回は「 中学受験率と、地頭の偏差値との相関を考える(1)大泉英数研究室の理想を絵に 」では、将来のポテンシャルでの偏差値という仮想的な基準で、優秀な人は皆私立中高一貫高に行き、トップ公立高校の大学合格実績を上回る場合を考えてみました。
ある意味で「正しい」というか、「間違っていない」世界なのですが、現実は違っていそうです。
では、現実はどこが「間違っている」のでしょうか?それとも野人博士の理想の方が間違っているのでしょうか?
■私の考える「正しい」とアプローチ方法
ここで私のスタンスを補足します。
『起きていることがすべて正しい』という前提で考えています。この言葉は、今注目のアナリストでベストセラー作家勝間和代さんの座右の銘です。 「正しい」理論からあるべき、姿(To Be)が導かれるのに現実(As Is)は違った状態ということはママ起こります。
それは、現実が間違っているから と考えることも可能ですが、中学・高校受験での現実は、株価の動きにも似てそれぞれの意思決定権者が個々にベストと思う選択をした結果の反映です。
実はその選択は間違っていてもっといい選択もあると説くのが、野人博士だとすると、現実を受け入れてなぜそう成っているのを考えていくアプローチが私の考え方です。
■最難関中高の高校入学枠比率や、偏差値差の相場から推定した受験層分布
そもそも、考えているのはポテンシャルとしての偏差値なので、正確なデータはどこにもありません。それを「フェルミ推定」という今ある手がかりから類推して、八掛け、半分や二倍、六倍程度の誤差はいいとして、桁違いにまではならないように現実を推定する方法論で推定してみました。
手がかり1: 最優秀層の中学受験率は75%前後
筑波大付属駒場の高校から入る生徒(高入・新高)比率は約24%<wbr>、開成高校では約25%あります。
「最優秀は中入だけど、最下層も中入で、中間は高校から入った生徒が占めていた」(出典は3年程前に卒業した自分)
とかいう証言もある一方で2009年入試では、高校から入った生徒が苦戦したという情報もあります。
いずれにしろ、75%というのは一つ使えそうです。
手がかり2: 高校受験の偏差値は、中学受験より10ほど高く出る
高校受験では駿台模試とかが指標にされているのですが、これは、母集団が全体ではありません。一方比べられる対象も、四谷大塚か日能研で、首都圏模試とかよりは数値が低めに出る方が指標とされます。差を10にあわせる意味はなさそうですが、ある程度の目安にはなります。
試案 :中学受験率25%で、上位受験率79%の世界
いろいろ、Excelをいじってみましたが、グラフの「絵」としては、概ねこのような形になりそうに思います。
このグラフでは、全体偏差値の62あたりに、中学受験のピークがきており、高校受験のピーク49とは13差です。
その、グラフの右下のほうだけ拡大してみました。
ポテンシャルが上がるほど中学受験率は上がるが、それは8割程度で頭打ちになると想定しています。
早慶に3割合格できるポテンシャルというのがどのあたりに線が引かれるのか分かりませんが、仮に65だとします。
グラフで、緑三角の高校受験生の集団で上位を着実に集めればそういう学校が生まれてくるのも説明できそうです。また、ある線より下に中学受験生が多数存在しているという「現実」にもあっています。
さて、野人博士は、 新検証 通うに値するか? 渋谷学園渋谷 で推定の難関大学現役進学率データから、以下のように考察されています。
主張が整理されて分かりやすくなりました。都立日比谷高校に率で負けている私立中学などに行かずに、公立中学から日比谷高校に行ったほうが賢明という命題です。
だだ、これには大事な前提が大きく欠けています。
渋谷学園渋谷中学に合格できる生徒なら、必ず、もしくは高い確率で、日比谷高校に入学できるのか?という問題です。
必ず日比谷に入れるのなら、安く済みそうな公立コースが確かに、魅力的でしょう。一方、英語に数学と新たな教科が始まり、そこで躓いて公立トップに進学できない率を考えると、公立コースをとった場合の難関大学現役合格の期待値は下がることになります。
渋渋合格者が都立日比谷に合格できる確率を75%と高めに設定してもその結果の難関大学合格確率は22.5%になってしまいます。50%なら、30%の半分15%です。
渋渋より大学合格実績が低い学校は概ね、中学入試の偏差値も低くなります。そういう学校を第一志望とされる生徒さんは、都立日比谷に合格できる確率も下がると考えられます。
結局のところ大学合格実績だけ見て、その中学に通う価値があるのか?を云々する手法自体に疑問を感じます。
とはいえ、こういった考察をするきっかけを作ってくださった野人博士には感謝しています。正直、考察された結論は同意しかねますが、私の発想を超えたご意見で考えが深まりました。
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ある意味で「正しい」というか、「間違っていない」世界なのですが、現実は違っていそうです。
では、現実はどこが「間違っている」のでしょうか?それとも野人博士の理想の方が間違っているのでしょうか?
■私の考える「正しい」とアプローチ方法
ここで私のスタンスを補足します。
『起きていることがすべて正しい』という前提で考えています。この言葉は、今注目のアナリストでベストセラー作家勝間和代さんの座右の銘です。 「正しい」理論からあるべき、姿(To Be)が導かれるのに現実(As Is)は違った状態ということはママ起こります。
それは、現実が間違っているから と考えることも可能ですが、中学・高校受験での現実は、株価の動きにも似てそれぞれの意思決定権者が個々にベストと思う選択をした結果の反映です。
実はその選択は間違っていてもっといい選択もあると説くのが、野人博士だとすると、現実を受け入れてなぜそう成っているのを考えていくアプローチが私の考え方です。
■最難関中高の高校入学枠比率や、偏差値差の相場から推定した受験層分布
そもそも、考えているのはポテンシャルとしての偏差値なので、正確なデータはどこにもありません。それを「フェルミ推定」という今ある手がかりから類推して、八掛け、半分や二倍、六倍程度の誤差はいいとして、桁違いにまではならないように現実を推定する方法論で推定してみました。
手がかり1: 最優秀層の中学受験率は75%前後
筑波大付属駒場の高校から入る生徒(高入・新高)比率は約24%<wbr>、開成高校では約25%あります。
「最優秀は中入だけど、最下層も中入で、中間は高校から入った生徒が占めていた」(出典は3年程前に卒業した自分)
とかいう証言もある一方で2009年入試では、高校から入った生徒が苦戦したという情報もあります。
いずれにしろ、75%というのは一つ使えそうです。
手がかり2: 高校受験の偏差値は、中学受験より10ほど高く出る
高校受験では駿台模試とかが指標にされているのですが、これは、母集団が全体ではありません。一方比べられる対象も、四谷大塚か日能研で、首都圏模試とかよりは数値が低めに出る方が指標とされます。差を10にあわせる意味はなさそうですが、ある程度の目安にはなります。
試案 :中学受験率25%で、上位受験率79%の世界
いろいろ、Excelをいじってみましたが、グラフの「絵」としては、概ねこのような形になりそうに思います。
このグラフでは、全体偏差値の62あたりに、中学受験のピークがきており、高校受験のピーク49とは13差です。
その、グラフの右下のほうだけ拡大してみました。
ポテンシャルが上がるほど中学受験率は上がるが、それは8割程度で頭打ちになると想定しています。
早慶に3割合格できるポテンシャルというのがどのあたりに線が引かれるのか分かりませんが、仮に65だとします。
グラフで、緑三角の高校受験生の集団で上位を着実に集めればそういう学校が生まれてくるのも説明できそうです。また、ある線より下に中学受験生が多数存在しているという「現実」にもあっています。
さて、野人博士は、 新検証 通うに値するか? 渋谷学園渋谷 で推定の難関大学現役進学率データから、以下のように考察されています。
渋谷学園渋谷中高等学校は
S=2214, G=66 ですので、
W=29.5(%)
渋谷学園渋谷中高等学校の格付けは C ということになります。
以下の格付けの評価は私的なものですので、異論のある方は上の合格実績の数字のみ参考にして下さい。
C ・・・公立トップ校と同等の合格実績では、高額な学費を払ってまで通う価値があるとは言い難い。公立中学に行ってトップ公立高校に行けば6年間の高額な学費を払わずに済むのだから、その方が賢明と言える。
だだ、これには大事な前提が大きく欠けています。
渋谷学園渋谷中学に合格できる生徒なら、必ず、もしくは高い確率で、日比谷高校に入学できるのか?という問題です。
必ず日比谷に入れるのなら、安く済みそうな公立コースが確かに、魅力的でしょう。一方、英語に数学と新たな教科が始まり、そこで躓いて公立トップに進学できない率を考えると、公立コースをとった場合の難関大学現役合格の期待値は下がることになります。
渋渋合格者が都立日比谷に合格できる確率を75%と高めに設定してもその結果の難関大学合格確率は22.5%になってしまいます。50%なら、30%の半分15%です。
渋渋より大学合格実績が低い学校は概ね、中学入試の偏差値も低くなります。そういう学校を第一志望とされる生徒さんは、都立日比谷に合格できる確率も下がると考えられます。
結局のところ大学合格実績だけ見て、その中学に通う価値があるのか?を云々する手法自体に疑問を感じます。
とはいえ、こういった考察をするきっかけを作ってくださった野人博士には感謝しています。正直、考察された結論は同意しかねますが、私の発想を超えたご意見で考えが深まりました。
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