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TamonTokyo - 多聞 ブログ

少年サッカーから私立中学受験、そして中高一貫校の生活などを書いていきます。

中学受験率と、地頭の偏差値との相関を考える(1)大泉英数研究室の理想を絵に

2009-07-02 | 中学受験と高校受験
前回記事、高校受験専門塾 大泉英数研究室の進学実績分析から、トップ都立高校合格の確率を想う で問題を指摘したおかげか、野人博士は、予告!!新検証                      通うに値する私立中学は存在するのか?②
を始められたようです。早慶の現役進学者数(週刊誌データ)を追加されて、都立日比谷の30%をベンチマークとして、それ以下の私立学校は、高い学費を払って通うに値しないと定義されています。

トップ公立高校の合格実績の数値は約20~30%ということが分かりました。

この数字を基準にして、通う価値のある学校であるかどうかを評価していくことに致します。

高額な学費を払ってまで通うに値する私立であると認定するには最低でも30(%)の合格実績がなければならないと言えると思います。

命題に矛盾があるかを検証する時に、その極端な場合とか、等価的な別の命題に置き換えて検証をする場合があります。その手法で、私立中学受験生は必ず、公立中学から公立高校トップ校に進んだ生徒に大学合格実績で勝てる世界を考えてみました。

要するに、地頭がいい生徒のみが私立中学受験し、その学力格差は全く変わらないという世界です。

下のグラフは、横軸が偏差値でそれぞれの層に1000人中何名いるかを縦軸として表したグラフです。母集団は正規分布というなだらかな曲線で中央が厚く分布しています。


この世界では、ポテンシャルが低いのに私立中学の学費を出すのはもったいないと受験させません。中学に入ってからとか、高校でも序列は変わらないので、赤丸の中学受験の層は、緑の三角の高校受験の層に大学合格実績で負けることはありません。

公立トップ高校にすべての私学が実績で上回るという世界はこういうような世界となります。

ただ、実際問題、筑波大学付属駒場や開成高校で高入生に約25%ほど門戸を開いており、最近高入生の実績がいまいちとか声はあるにしろ、とにかく、それほど中入生に負けない実績を少なくとも過去は出してきました。そして、中学に入ってから6年間もあるので、伸びたり、勉強を止めてしまったりとかの変動は必ずある程度起きるとも考えられます。

また、野人博士の、損得勘定と違い、実際の世界では、地元公立中学をとにかく避けたいとか、難関国立に早慶を想定しない中学受験生もいます。極論が不自然だとして、実際に近い分布はどうなのか?
公立トップ高校の実績はすごいのか?はたまた、公立高校の中で序列化、集約化が進んでいるだけじゃないか?ということを考えていきます。

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都立西高校の出身中学地域データから高校受験に賭ける価値を考える

2009-06-24 | 中学受験と高校受験
都立西高校は東京の西方面の親御さんには気になる存在じゃないかと思います。都立日比谷の方がかつて目立ちましたが、学校群にめげずにコンスタントに進学実績を出し続けたおかげで、人脈とかの伝統校としてのメリットも感じられそうです。

我が家でも、中高一貫高と都立西の実績を比べながら、不本意な中学受験の結果だったら高校受験でやり直すのはどうか?とか考えました。
おかげさまで我が家では満足のいく結果となり、中高一貫高へ進んだわけですが、地元公立高校から高校受験で立て直そうという話も漏れ伝わっています。もし、高校受験の方がより有利ならそちらを選んだほうが得策ということもあるかもしれません。

そう漠然と考えていた中、ちょうど高校受験専門塾で、通うに値する私立中学があるのか? という連載を拝見したので逆に考えてみることにしました。
中高一貫高に行くチャンスを見送って高校受験にかけるチャンス(期待値)はどの程度あるのか?まずは、データが無いと始まらないので、何かと私立と比べられる、都立西高校のデータを概観してみます。まずは公式サイトにあった出身中学校の分布データから。

■都立西高校 出身中学の分布推移


※ 出典:公式サイト http://www.nishi-h.metro.tokyo.jp/nishi-h/6nyu/20shushinchugakutizu.html

まず目に付くのは、地元の杉並の公立中学出身者が減っていることです。また、遠隔地グループの町田・八王子は数を増やしており、より遠くから生徒を集めるようになっていることが見て取れます。また、国私立出身者も増えています。
そんなグループ分けをまとめたのが以下の表です。

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H18H19H20H21H18-20比

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地元3地区118102859076%

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周辺6地区123134119126102%

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八王子・町田21332538181%

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国私立18222128156%

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その他78601037292%

杉並、武蔵野の減少を三鷹の伸びでは補えず、地元は減少しています。都立西に人気が集まるにつれ、地元だから目指した層がはじき出されているのではないかという所感を持ちました。元々有力都立が無く、多くの生徒を集めていた練馬も減少傾向にありますが、ここでは、調布や府中の伸びと相殺されています。

その他地域は23区とその他の多摩地区がほとんどでしょうが、その他がそうは伸びてないこと、日比谷に出やすい板橋からほとんど伸びてないことなどから推定すると、都立日比谷といった都心の都立はまた違う通学圏を確立しているようです。

そう思って都立西のサイトをを眺めると、都立国立高校のある、国立市と地元の国分寺市ではむしろ減少気味なことも読み取れます。

なんとなくですが、都立高校でトップは西、日比谷、国立(クニタチ)の三校時代になっているという声がうなずけるデータです。


中学受験を止めて都立西受験に賭けるチャンス(期待値)はどの程度あるのか?

さて、そもそもの素朴な疑問、都立トップ校の受験に賭ける価値を考える前に単純な確率を計算してみました。都立西の地元、杉並区は、西武線、中央線、井の頭線、京王線、地下鉄丸の内線、とおおざっぱに5つの路線が走り、都立西より日比谷が身近なエリアも無くはないのですが、ここでは他の都立高校を目指す生徒は居ないものとして考えます。また、公立中学の卒業生は2100名で一定として計算しました。

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H18H19H20H21

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杉並 入学75695955

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進学比率3.6%3.3%2.8%2.6%

進学確率は1%程度減っています。 Inter-edu の掲示板のコメントでも5名以上合格者を出している杉並の中学がH19に5校からH21に2校へ減っていると紹介されています。段々地元の人気が落ちているというより、人気が広域化して地元から進みにくい学校になっている様子です。

学問に王道は無く、大学進学にも王道は無い?
最近、思うのは、大学進学に近道(王道)は無いのじゃないか?ということです。私立も公立も進学実績を上げようとがんばっている中、天国への階段というか、抜け道なんてそうそう無いのじゃないかと思うわけです。もちろん、勉強成果があまり出てない、「悪路」と疑われる学校はいくつか見つけているのですが、そこを避けたら後はあまり変わらないような気がしています。

もちろん、どの学校も同じではなく、子供に合う合わないという問題はあります。
夜遅くまで宿題をそれなりに楽しんでやる息子に付き合っていて、こういう宿題が出る学校に進ませてよかったなとか思うに、学校選びは相性の問題が大きいなとつくづく思います。

万人に勧められる学校というものはないでしょう。進学実績抜群の学校だって、そういうすごい生徒が集まっているから結果が出ているわけで、まぐれで入れたとしてそれは恐らく不幸の種でしょう。

都立トップ校を目指していたらどうだったか?という想いは、私にいろいろ面白い面白い疑問を投げかけてきます。また別の発見があって、記事を公開できることを楽しみにしています。

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