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TamonTokyo - 多聞 ブログ

少年サッカーから私立中学受験、そして中高一貫校の生活などを書いていきます。

商標の一般化と一般性のある用語の商標登録

2006-06-07 | マーケティング
またもや栗原さんのネタを元にさせてもらいます。悩ましい商標の普通名詞化問題。人のプレゼンを見ていて商標とかロゴとかがおろそかになっていて、悲嘆に暮れた日の夜には、こういう分かってらっしゃる方と意識を共有して傷を慰めるに限るんです。
さて、商標が一般化するのは確かに痛し痒しですが、適度に一般化するのはマーケティング施策の成果とも言えます。「ファブリーズしましょ」とか「キレイキレイしましょ」とか。商品名としてユニークな名前をつけておいてそれがそのカテゴリそのものを意味するようにさせればカテゴリを切り開いた商品としてかなりブランドとして強いものだと言えます。「タバスコをかける」とか言う様に、日本ではピザにタバスコをかけて食べるのが定着していますが、日本への土着化が進んでいる象徴でしょう。(こういう食べ方は日本だけだとテレビでやって有名になりましたね。)
コンシューマー商品では商標が一般名詞化するのは概ね悪いことでは無いと思います。

しかし、物事には例外があるものです。例えば、「味の素」。うまみ調味料としての味の素はまったくそのジャンルの代名詞であり、それだけに使ってマーケティングする分には困りません。しかし、社名として用いて、スープとかコーヒーとかに広げていくとあの白いうまみ調味料とぶつかってしまって、違和感を持つ人も出てきます。「味の素のコーヒー何それ?」という知り合いも昔いました。AJINOMOTOという英語スペルを社名として使っているのはその漢字表記における印象の強さを避けたいからだと推察されます。
IT業界ではもともとリレーショナルデータベースの商品名だったORACLE、簡便なWebグループウェアソフトのサイボウズとかがそのジレンマに直面しているようです。デヂエとかいい商品だと思うんですが、サイボウズ・デヂエと言われても、グループウェアじゃなくて..という話を続けるのが大変なんではないかと見受けられます。
普通名詞に近いまでに強力な商品名を社名にした会社の戦略が吉と出るか凶と出るかが分かるには時間がかかりそうです。

マーケティングの神は細部に宿る - ささいなことをきちんと

2006-05-30 | マーケティング
販促資料の制作には波があり、やたらいっぱい並行して作る時と、余裕があるときとの差が大きい。多重度が限界を超えると制作ベンダーへのお任せになって致命的な部分(バイタル・エリア)だけ重点的に見て後はさらっと流すだけとかいうこともある。

マーケティング職人としてのワザは、そういう限界まで忙しい時でも致命的な部分はきちっと押さえてある程度の水準は保つことにある。A4で4ページの資料なら3分くらいでバグだしはできるのだ。

なぜこういう、細かい事へのこだわりがあるのか?それは、マーケティング資料は細かいところが案外重要だからだ。概ね正しいけど、連絡先の電話番号の一桁が違っている資料というのは致命的なミスになることがほとんどだ。新しい個所に電話番号を必ず電話して確認するか指先確認して実績がある大丈夫な番号と同じか確認する。
固有名詞の間違いもけっこう重大で、ここを違えるとある人には初歩的なミスとして資料全体を疑われてしまう。

類似記事を探したら、植木 力氏による、事業の神は細部に宿る~ベンチャー奮闘記が見つかった。どうしてこんな細かい事までと思うかもしれないが、そういうこだわりとかが大切なのだ。
ところで、このカスタネットの企業のサイトの方は、Copyright 表記が2003年のママになっており、ここを古い年のままだと更新されていないサイトのように見えて問題が大きい。いっそ年を入れないとか、Copyright自体書かないとかいうのをお勧めしたい。逆に真似されたくないものがあったらちゃんと入れるべきでもある。

ナルミヤ「乙女心」に泣く? 変わらないために変わる?

2006-05-27 | マーケティング
日経流通新聞(MJ)の一面はいつ見ても思い切りがよく、情報量が多くて分かりやすいと感心させられる。
その5/26の一面は、『ナルミヤ「乙女心」に泣く 低学年向け誤算』という見出しで、ナルミヤの変調を伝えていた。いわく、ファッション感度が高い小学校高学年が、低学年であふれ出したナルミヤを嫌って離れた。危機感を持った同社は低学年向けの供給を絞ろうとしたが逆に、低学年向けの欠品と高学年向けの余剰在庫に悩まされたのだという。

企業は成長を続けないと継続が難しい、しかし、事業領域の徳性を見極めて将来のビジョンを持っていないと、安易な拡大はブランドの希薄化と腐化を招きかねない。

ナルミヤの場合はまず、既存領域を守りながら拡大していく会社にしたいのか、ファッションというジャンルだから拡大は追わないのかどちらかをよく考えておくべきだったのだろう。
また、既存顧客を繋ぎとめて、その年代が段々年齢を重ねてもリピートしてくれるのか、逆に年代固有の商品として卒業生を送り出していくのか、はたまた、中心の年代が低くなっていくのかも練っておくべきであった。

後から分かったことではあるが、背伸びをしたがる子供の徳性を理解して、段々低年齢化していくという前提に立って、なるべくその動きを遅らせておくようにブランドの寿命に注意するのが良かっただろう。
今後の動きに注目してみたい。