2台のパソコンを使いこなす はいろいろなヒントを含んだいい記事だが、ワザとしては、元記事をはるかに超える自信作を発見したので紹介したい。キーボード・マウス・クリップボード共有で複数のPCを一体化して使える驚異のソフトSynergyだ。
多面的な要素があるので、箇条書きでその機能を紹介しよう。
1) スムーズに使える無料のキーボード・マウス切り替え器
通常の切り替え器はスイッチなりホットキーなりで切り替えるのだが、Synergyはもっと自然に、マウスのポインターを画面をはみ出して隣のPCにまで、仮想スクリーンを使っているかのように持ち出して操作できる。ポインターを移動させると、キーボード入力も移動させた先のPCに対して有効になる。
複数マシンを併用しながら設定するとかいう時に、このソフトウェア式切り替え器機能は便利だろう。
2) クリップボードの共有でコピペ、複数PCを一つの作業空間へ
AのPCでテキストをコピー(WindowsだとCtrl+C)して、BのPCの書きかけの資料に貼る(Ctrl+V)とかいうコピペが繋ぎ目無しに行える。つまり、作業空間としては繋がった一つになるということだ。
3) バックアップやデータの同期も快適に
マルチモニターに無いメリットとして、非力なマシンでも使える事の他に、バックアップなどのデータのやり取りが簡単というメリットもある。コピー先のマシンの状態確認も同時にやっているので安心感が高い。
以上3つのメリットを感じた。
このようにして複数台のPCを併用するメリットは高いが、最新のマスターデータはどこにあるかの混乱をどう避けるかも気をつけねばならない。そのコツは、マスターデータの入れ物を決め付けてしまうことだ。
仕事柄、ミーティングルームには行っても、社外にはあまり出ないということなら、デスクトップPCをマスターデータにして、ノートPCでの作業もネットワーク共有したデスクトップのディスクに書くようにすればどこに最新データがあるかの混乱は避けられる。あるまで正しいデータの場所を決め付けておけばルールベースでバックアップも簡単にとれる。
逆に外回りがメインでオフライン作業もやりたいのなら、ノートPCをマスターデータにしてデスクトップはバックアップの入れ物として割り切る必要がある。ディスクの読み書きのスピードの差は大きくデスクトップの方が一般に早いため多少性能を犠牲にすることになるが、手元のマシンにこそ最新データがあるという安心は大きいだろう。
落下とか飲み物こぼしとかの脅威から守るためには、もちろんバックアップは一日数回はとらねばならないが。
なお、今の最新版である1.3.1では画面共有の設定が変更されている。ポインターを行って帰ってくるためには双方向の設定を両方各書かねばならない。単純な配置以外も対応したため設定が複雑化しているが、ここを乗り切ればあとは簡単だ。