スティーブン・キング 『闇の展覧会・霧』ハヤカワ文庫NV所収
やられた…。キングのストーリー・テリング(何と訳すんだ?)能力に。読み出したらページを繰る手が止まらない。一晩で読んでしまった。何が面白いかは読んでもらうしかないが、一応ストーリーを。
謎の濃い霧と、その中に潜むモンスターに、スーパーマーケットに追い詰められた人々の葛藤と戦い…って話なんだけど、そのモンスターたるや、巨大触手といい蜘蛛もどきといい、20年前のB級ホラーも真っ青のベタなしろもの。こんな」ネタを使ってこんな面白い話を書くとは、コンビニの素材で一品作る料理人みたい。
人物描写がいいとの声もあるが、主人公を含めた数人の知的で行動力ある人々と、単細胞のカウボーイ気取り、理屈ばかりの弁護士ってキャラはアメリカンの定番。ちなみにアメリカのホラーで犠牲になるのは(本書には出ないが)太っちょと弁護士が多い。前者は逃げ足が遅く、後者は嫌われ者?保身第一で危機管理放棄の店主と、何故か一部主婦にカリスマ人気のオカルトかぶれの老婦人は、むしろ日本にいそう。
ここのモンスターは「人類には到底歯が立たない」ものではなく、銃や炎、殺虫剤すらある程度効き目がある。それだけに、霧の深さが希望と絶望の揺れを演出する。モダンホラー解説書に「本書を気に入る人はキングを気に入る」と書いてあったが、私はやっぱりキング好き?
やられた…。キングのストーリー・テリング(何と訳すんだ?)能力に。読み出したらページを繰る手が止まらない。一晩で読んでしまった。何が面白いかは読んでもらうしかないが、一応ストーリーを。
謎の濃い霧と、その中に潜むモンスターに、スーパーマーケットに追い詰められた人々の葛藤と戦い…って話なんだけど、そのモンスターたるや、巨大触手といい蜘蛛もどきといい、20年前のB級ホラーも真っ青のベタなしろもの。こんな」ネタを使ってこんな面白い話を書くとは、コンビニの素材で一品作る料理人みたい。
人物描写がいいとの声もあるが、主人公を含めた数人の知的で行動力ある人々と、単細胞のカウボーイ気取り、理屈ばかりの弁護士ってキャラはアメリカンの定番。ちなみにアメリカのホラーで犠牲になるのは(本書には出ないが)太っちょと弁護士が多い。前者は逃げ足が遅く、後者は嫌われ者?保身第一で危機管理放棄の店主と、何故か一部主婦にカリスマ人気のオカルトかぶれの老婦人は、むしろ日本にいそう。
ここのモンスターは「人類には到底歯が立たない」ものではなく、銃や炎、殺虫剤すらある程度効き目がある。それだけに、霧の深さが希望と絶望の揺れを演出する。モダンホラー解説書に「本書を気に入る人はキングを気に入る」と書いてあったが、私はやっぱりキング好き?