
今から5年前。
レフティ高1。
かつてアマチュアバンドでリードギターをしていたスパーキーから、
ギターの弾き方を教わったレフティは、
ダチのジュードと、
日本生まれのアメリカ人、ショーン・マカリスターと三人で、
ド下手ながらも、
バンドを結成した。
バンド名は『ジャンク』(廃品という意味やけど🤔------)。
数日後に迫った学園祭を思い、
レフティは、
3年生になったら、
学校でライブしたいと思った。
一方、
学園祭の実行委員長である生徒会長は、
青少年国際独唱コンクールに出場したナカイという、
テノールで名を馳せた高校生が、
近くの高校にいることを知り、
学園祭に出てくれるように頼み込んだ。
ナカイは、
「僕の芸術は世界にあるんだ!高等学校にはないね!」と拒否した。
生徒会長は、
「4万7千円の主演料を五万円にいたします」と頭を下げると、
ナカイは、
「君の熱意に負けたよ!」と言って、
五万円を受け取り、
学園祭への主演を受諾した。
数日後、
学園祭当日。
体育館を学園祭会場用に設営して、
ステージ前に椅子を並べるカタチになった。
学園祭には、
オンナ友達連れたレフティが、
ギターを持って来ていた。
後で、
ジュードやショーン・マカリスターと、
バンドの練習する為やった。
当時のレフティは、
俺を中心に、
多くのモンの義理ほめを本気にしていて、
自分はギター弾きの天才やと得意げになってたもんやった。
ステージ上では、
退屈な学生達のこれからの主張や、
ド下手な演劇部の出し物が行われた。
また、
すぐ転ぶダンス部のパフォーマンスも行われた。
それらのプログラムが終わると、
ステージのすぐ前にナカイと一緒に座っていた生徒会長が立ち上がり、
ステージに上がってマイクを握り、
「みなさん!きょうはみなさんに本物の音楽を提供していただくゲストが来ています。本人は恥ずかしがってるかもしれませんので、みなさんの拍手👏で音楽の天才高校生をお呼びしましょう!」と語った。
会場でたくさんの拍手👏の中、
ナカイが立ち上がって一礼すると、
レフティがギター持ってステージに駆け上がり、
生徒会長からマイクを奪って、
「そんなにほめられたら困ります。まだバンドとして練習したばかりですから。でも、呼ばれたら仕方がないので弾いて、少し歌ってみますね」と言った。
会場がシーンとしている中、
顔面蒼白の生徒会長と、
超ギレして顔が真っ赤なナカイをよそに、
レフティはギターで「365日の紙飛行機」を弾いて歌い出した。
会場に大喜びの歓声が上がる中、
生徒会長とナカイは退席した!