新潮文庫 1998年
ボクも考えてみると、こうやって書評めいたことをコメント
しているので、シーナさんのやりたいこともよくわかるのだ。
このひとの文体というものが、ボクには体質的にあっている
らしい。このひとのをよんでいると、実に楽しくなってくるの
だ。
この本では、サラリーマン生活をやめて、本の雑誌社一本で
やっていこうというところから、本が売れすぎて税金が払え
なくて潰れそうになるあたりまでのはなしなのだ。
ボクは思うんだけど、文学というもの自体、なんの益にも、と
いうか知識にもならない、というところがポイントなのではな
いか。文学とは、決してすぐに結果がこうこうで、とかいうよう
なものではなく、何年後かに、ふとした瞬間に噴き出してくる
ものではないのか、どうだろうか、そうじゃないだろうか。
弱点があるとしたら、今となってはタイトルが若干、こっぱず
かしいところくらいである……合掌。
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