現場力(げんばりょく)

理科は感動だ!を実践する感動サイエンスteacher。
つながりを活かして社会貢献活動する地域に飛び出す小学校教師。

海の命(過去の実践)2

2010-06-03 | 討論への道

「海の命」はまだ決着がついていないので、漢字練習のあと討論する。
「昨日家で続きを考えたもの。」
AYさんが手をあげる。すばらしい。
とってもほめる。

(ここから先は、お手元に国語の教科書下「海の命」を持ってご覧ください)

簡単に人数を確認する。

ピナクル(物語のクライマックスの中の一番盛り上がっている場所)はどこか?
C:水の中で太一はふっとほほえみ、口から銀のあぶくを出した。(4名)
D:「おとう、ここにおられたのですか。また会いに来ますから。」(6名)

10分間という時間で行おうとするが、中々発言が無い。

発表の準備が必要なのだろうか?

対策を打った。指名する。「昨日と意見が変わった人発言しなさい。」
しかし、発表できない。家で考えてきていないからか?

次の対策。「その場面を読んで、何らかの意見を書いて発表しなさい。」
すると、鉛筆の動くスピードが速くしっかりノートできている。4分後。MAさんが発表した。
(二つの意見をC:とD:で表す。)
D:私の意見は変わりません。昨日のようにクエとおとうの表現が変わっているから、「太一はふっと」は、行動で、「おとう」は考えたことだから「おとう」がピナクルだと思います。
D:太一は、大魚をおとうと思ったからせりふが出た。もし殺していたら大魚をただの魚だと思っていたことになる。
C:それでは、26段落のどこで(クエを)おとうと思ったのですか?
D:太一が思い始めたのは、セリフのところ。
C:私は、もりの刃先のところで考えが変わってしまっていると思う。
D:私は、笑顔を作った後に考えが変わったと思う。
D:おとうと思い始めたのは、「ふっとほほえみ」の場所だと思うけど気持ちがゆれているときはピナクルにならないから「おとう」とセリフで決断しているからやっぱり「おとう」の文がピナクルだと思います。
D:討論じゃないけど自分の考えで、「おとう」の場所にしたのは、27段落の「こう思うことによって」とあるから「おとう」の文は思っていることだからここがピナクルだと思います。
C:それじゃ思ったところはピナクルなんですか?
D:考えさせてください。
D:質問なんですけど、もし太一がおとうの死んだ瀬に潜らないで、他の瀬に潜って同じようなクエを見かけたとき太一は、どんな気持ちになるか教えてください。
教師:質問の形をとらないで、自分の意見を言います。「私は、こう思うんですけど、どう思いますか。」のようにです。
それでは、時間が無くなって来たので、まだ言ってない人 起立 言ったら座ってください。
C:最初クエを敵と思っていて「ふっとほほえみ」の文で太一は殺さないと決めた。
C:「ふっとほほえみ」のところの意見です。「おとう」の文では、太一の気持ちは変わってしまっていると思う。
D:太一は、「おとう」の文で、クエをおとうだとわかった。
D→C:僕は意見が変わりました。25までは、クエを敵と思っていて26の最初から変わったから。15発言。
教師:先生の意見ですが、先生は、単純に「ふっとほほえみ」の文だと思いました。
ピナクルが、感情が大きく変わったところであるなら前の文「泣きそうになりながら思う。」と「ふっとほほえみ」が大きく変わっているところだと考えました。
この意見を聞いて、自分の考えを3分間で書きなさい。
先生の意見に賛成でも自分の意見が正しいと考えていてもいいのです。今の自分の考えを書きなさい。

児童の感想
(賛成)
①先生の意見と同じ。前の文では、殺さないと、一人前の漁師になれないと思っていたけど、この文のあとで、殺さなくてすんだから。だから、もう気持ちは変わっている。

②先生の意見に賛成です。先生が言ったように、「ふっとほほえみ」と「もう一度笑顔を作った」は、2回も同じようなことがあるから、1回目のふっとほほえみで太一の気持ちは変わっていると思う。

③私は、先生の意見に賛成です。理由は、先生が言ったように、最初は、泣きそうになりながらで、この一文は、ふっとほほえみながらだから、前の文とこの一文では、気持ちが違うと思いました。後では、もう一度なので、もう変わったから、ここで良いと思いました。

④もう「おとうここにおられたのですか。」のところはもう心が動かされてたかもしれないからです。

⑤後の文で、殺すのをやめるようなの行動「もりの刃先を足の方にどけ」と言うのをしたから。それに、その前の泣きそうになりながらの文は、殺そうと思っていたと思う。

(反対)
①私は、まだ意見は変わりません。理由は一緒で、「おとう・・・」の前の文では、クエと言っていたけど、次の文では、「おとう」と言っているから。それに太一は、「水の中で、」は、行動で、行動は、ピナクルにはならないと思うから。

②私はまだ意見は変わりません。だって、やっぱり太一は大魚を死んだおとうだと思っているからだと、おとうに思えたクエに向かって「おとう、ここにおられてのですか。また会いに来ますから。」と思っているから、ピナクルはこの一文だと思います。

③気持ちは変わらない。少しは、相手の文かなと思ったけど、相手の文がピナクルだったらL3の「クエ」は、「おとう」と書くはずだと思ったから。
3回も討論したのも初めてで、いろいろな意見を出せた子ども達でした。

課題は、人数が少ないので、自分の意見をしっかり出すようにさせることと気持ちを文に表すことを億劫がらせないようにすること。
これは日常の指導で出来る。

この様に国語での討論を行いました。
向山氏曰く、「すべての授業は討論をあこがれる。」のです。
討論の授業が出来るとは、最高峰なのです。

討論は、話す、聞く、考えるすべての学習能力を高めるのに最適です。


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