一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

「さぎん ニューイヤーコンサート 2019」 ……鈴木玲奈さんに逢いたくて……

2019年01月12日 | 特別企画「逢いたい人に逢いに行く」


「逢いたい人に逢いに行く」という特別企画の第12弾は、
ソプラノ歌手の鈴木玲奈さん。

一昨年(2017年)10月24日、
ネットニュースに次のような記事が載った。

第86回日本音楽コンクールの本選会は、


4日目の24日、東京・初台の東京オペラシティで声楽部門を開き、
ドニゼッティの「ランメルモールのルチア」に超技巧的なソプラノを響かせた鈴木玲奈さん(28)=千葉県出身、東京音大大学院修了=が1位に選ばれた。


応募138人の中から2度の予選を通った6人が、
現田茂夫さん指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏で自ら選んだオペラ・アリアを歌い、高橋薫子さん、多田羅迪夫さんら9人が審査した。

(毎日新聞2017年10月24日配信)


昨年(2018年)の第87回日本音楽コンクールの華が、
バイオリニストの荒井里桜さんとするならば、(コチラを参照)


一昨年(2017年)の第86回日本音楽コンクールの華は、
間違いなくソプラノ歌手の鈴木玲奈さんであったろう。
美しく華やかな容姿と、
完璧なコロラトゥーラの技術で表現された魅惑的な響きは、
聴くものの心をたちまち魅了し、
限りない幸福感と安らぎを感じさせてくれる。


いつか生の歌声も聴いてみたいものだと思っていたら、
毎年恒例の「さぎん ニューイヤーコンサート」で、
2019年1月11日(金)に、ゲスト出演することが、
昨年(2018年)11月に地元紙に発表された。
12月3日(月)よりチケット発売とのことで、
狂喜乱舞した私は発売初日に購入し、首を長くしてコンサートの日を待っていた。
そして、ようやく、鈴木玲奈さんの歌声を聴くことができたのだった。


「座席は当日指定となります」とのことだったので、
早めに佐賀市文化会館に到着。




舞台がよく見える席を確保した。


17:30 開場。
この後、会場は満席となった。


18:30 開演。

【指揮とお話】現田茂夫
【ソプラノ】鈴木玲奈
【オーケストラ】九州交響楽団

【プログラム】(★は、ソプラノソロ)

◇ヨハン・シュトラウスⅡ世
喜歌劇 「こうもり」序曲
ワルツ「春の声」★
ピツィカート・ポルカ
新ピツィカート・ポルカ
◇ビゼー
歌劇「カルメン」より
前奏曲~ハバネラ~セギディーリア~アルカラの竜騎兵~闘牛士~間奏曲~
ミカエラのアリア★~アラゴネーズ~ジプシーの歌

―――― 休憩 ――――

◇ヴェルディ
歌劇「ナブッコ」序曲
◇プッチーニ
交響的前奏曲
◇バーンスタイン
「キャンディード」より“着飾ってきらびやかに”★
◇ヨハン・シュトラウスⅡ世
ポルカ「モルダウ川のほとり」
ポルカ「ドナウの岸辺から」
ワルツ「美しく青きドナウ」

―――― アンコール ――――

◇オッフェンバック
ホフマン物語 人形の歌★
◇ヨハン・シュトラウスⅠ世
 ラデツキー行進曲


★印が鈴木玲奈さんのソプラノソロだったのだが、
舞台に登場した瞬間から、その美しい容姿と歌声に魅せられてしまった。
会場のあちこちから「カワイイ!」とか「キレイ!」などと囁き声が聞こえ、
それ以上に歌声も素晴らしく、
一曲終わるごとに大歓声が沸き起こった。
指揮者の現田茂夫さんが、
「お人形さんが歌ってるみたいでしょう!」
と観客に向かって言われた時には、
誰もが思わず頷いてしまった。
クラシックの演奏者の中には、
10年前、20年前の写真をパンフレットやポスターに使っている人もいて、
実際にコンサートで見て、そのあまりのギャップに驚くこともしばしばなのであるが、(笑)
鈴木玲奈さんは、写真や映像よりも、実際に見た方が何倍も美しいと感じた。
そして、歌声の方も、ナマで聴いた方が何倍も素晴らしかった。


コンサート翌日に、
「九響楽団員のつぶやき ニューイヤーコンサート」というTwitterを見たら、
楽団員の方も、次のようにつぶやかれていた。


福岡や熊本や長崎などのコンサートを経ての佐賀でのコンサートだったので、
「普段にも増して素晴らしい出来栄え」とは、嬉しい限り。

指揮者の現田茂夫さんが、
「今日、この会場に、鈴木玲奈さんのお母様が来ておられます」
と、紹介されたときには、ビックリ。
鈴木玲奈さんのお母様も、立ち上がって観客にお辞儀をされていた。
現田さんは、さらに、
「今日、判明したのですが、鈴木玲奈さんのお母様と私は、かつて同級生だったのです」
と言われたときは、会場から驚きの声と大拍手が巻き起こった。
日本音楽コンクールの本選会で、
鈴木玲奈さんが1位になったときに指揮をしていたのが現田茂夫さんで、
その現田茂夫さんが指揮をする九州交響楽団のニューイヤーコンサートにゲストとして招かれたのが鈴木玲奈さんで、その鈴木玲奈さんのお母様が、現田さんとかつての同級生だったと判明したのが佐賀であったとは、何という“縁”であろうか?
こういうエピソードがあったことで、会場は大いに盛り上がり、
最高の雰囲気の中で、アンコールまで一気に駆け抜けた感じであった。


鈴木玲奈さんのCDデビューが決まり、
日本コロムビアの新レーベル「Opus One」より、
2019年1月23日に発売される。

【Opus One】Bell Song~鐘の歌


収録内容
1. ドリーブ:歌劇《ラクメ》
~若いインド娘はどこへ(鐘の歌)
2. デラックァ:ヴィラネル
3. R.シュトラウス:アモール 6つの歌より Op.68-5
4. トマ:歌劇《ハムレット》
~私を遊びの仲間に入れてください
5. ロイド=ウェバー:ピエ・イエズ
6. なかにしあかね(詩・星野富弘):今日もひとつ


もし、佐賀でのコンサート前に発売されていたなら、
〈サイン会などもあったのでは……〉
と、それだけがちょっと残念。
いつかまた九州でコンサートがあったときに、サインしてもらうことにしよう。
今日も一日の王になれました~


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